太陽と乙女

著者 : 森見登美彦
  • 新潮社 (2017年11月22日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104645053

作品紹介・あらすじ

デビューから14年、全エッセイを網羅した決定版! 登美彦氏はかくもぐるぐるし続けてきた! 影響を受けた本・映画から、京都や奈良のお気に入りスポット、まさかの富士登山体験談、小説の創作裏話まで、大ボリュームの全90篇。台湾の雑誌で連載された「空転小説家」や、門外不出( !?)の秘蔵日記を公開した特別書下ろしも収録。寝る前のお供にも最適な、ファン必携の一冊。

太陽と乙女の感想・レビュー・書評

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  • 「太陽の塔」と「夜は短し歩けよ乙女」の二作で心をわしづかみにされたモリミー。最近はちょっと関係が冷えてたけど(当然ながら一方的に)、初のエッセイ集とあらば読まずばなるまい。しかもこれ、小説以外はデビュー以降書いたものがほぼすべて載っているとのこと。期待に違わぬみっちり詰まった内容で、いやあ堪能しました。

    同じ京都で学生生活を送ったとは言え、二十年ほど時を隔てているのに、モリミーの書くヘタレ学生話にどうしてこうも共感してしまうのか、前々から不思議で仕方がなかった。これを読んで、そうかそういうことかと腑に落ちた。著者も京都の出身ではなくて、学生時代の限られた特別な時間を、京都ですごしたのだ。

    二十歳前後の頃、絵に描いたようなキラキラした青春を送った人って、どれくらいいるのだろうか。大なり小なりふくれあがる自意識をもてあまし、「あるべき青春」と現実との落差に煩悶する日々を過ごした人も多いのではないだろうか(…と、思いたい)。そういう毎日の背景が「京都」なのである。何を見てもどこに行っても歴史の重みだらけ。大学に通う通りにも、銭湯に行く道にも、いわくがあり物語がある。その濃密な街に住んでいられるのは数年間限定。これが心にしみないわけがない。その気持ちを思い出させるからモリミーの書く京都に心ひかれるのだな。

    ファンというわけではないので、デビュー以降のあれこれはほとんど知らなかった。国会図書館に勤めてたとか、一時煮詰まって全連載を降りちゃったとか、へえそうだったのかと驚いた。結婚もしてたのね。身辺のことをいろいろ書いているのに、この結婚に至るまでのことについてはまったくふれてなくて、そこがいかにも著者らしい。そのくせ、「今日は妻と○○へ行った」とか「妻が○○と言った」とか結構頻繁に出てきて、もうモリミーったら~という感じであった。

  • 森見流「眠る前に読むべき本」。

    何度も出てくる奥様とのほのぼのとしたエピソードにニヤリとなる。
    奥様はあの「黒髪の乙女」のモデルだったりして…。
    森見さんが小説を書くために日記を書いたりメモしたりと意外とマメで感心した(しかも最初にメモに書いた言葉は「パンツ番長」…)。
    森見さんお得意の「四畳半」に対するアツい想いにも感涙(全てはアパートでの独り暮らしをさせてくれたお父様のお陰)。

    奈良の静寂な環境でスランプから見事に脱した森見さん。
    これからも机上での冒険を繰り広げてワクワクする小説を世に出していって欲しい。
    妄想に妄想を重ねた森見流「もう一つの京都」を楽しみに待ちたい。

  • コンセプトとは小説の土台。家でたとえれば区画の境界を決めるのがコンセプト。すなわちコンセプトとは境界を定め制限するということ。無数にちらばるアイデアや書きたいことをピックアップする。アイデアが多くても整理がなければアイデアがないのと同じこと。何の方針もなくアイデアを組み合わせても混乱するだけで結局何も伝わらない。コンセプトがあることで無数のアイデアから有用なものを選び、組み立てていく。極端で異様で逆説的で阿呆なものであればあるほど物語は面白くなる。正鵠射る名言に豁然開朗、目の前の靄がさっと開けた感を満腔で味わった。2011年、精神的緊張から体調を崩し全ての雑誌連載を中断した森見智彦氏。毎日山を眺めながらの隠遁生活を送っている。失魂落魄の2年間。氏は何を考え何を感じて生き抜いたのか。スランプの中だからこそ見えてくるものがあるのかもしれない。

  • 森見氏のエッセイ大全集。こんなにたくさんエッセイを書かれていたのですね。一気に読むより毎日ちびちび読むほうが向いています。わたしの地元について書かれていたので驚き、また、奈良愛に溢れた文章を読んで奈良へ行きたくなりました。

  • 新聞や雑誌や舞台パンフレットで発表してきた雑文を集めたエッセイ大全集~①読書する②お気に入りを語る③自著とその周辺④ぶらぶらする⑤日常⑥特別書き下ろし「森見登美彦日記」を読む⑦空転小説家~1600円とは生意気な!が感想:読み応え(読み辛さ故の)はあるけどね。岡本太郎の太陽の塔は再び注目を集めている。耐震補強をして内部改装したのだね。もう一度、大阪万博を!の一環かもしれない。分かったのは、大学院当時にファンタジー大賞を貰い、大学院卒業後、公務員として国会図書館の関西分館に勤め、東京に転勤して結婚し、勤めを辞めて専業小説家になったが、大震災も影響して書けず体調も崩して、東京を引き払って奈良に転居し・・有頂天家族の2が復帰作

  • 森見登美彦氏がデビュー以来、さまざまな媒体で発表した小説以外の文章を収めたエッセイ集。
    スランプで書けず、苦しみもがいている心情が赤裸々に綴られています(嘘か実かは登美彦氏と編集者のみが知る)。

    登美彦氏のお父さまが下宿探しのときに『立派なもんだ。鍵もある』とおっしゃっている。
    私もドアノブに鍵穴は付いているものの、鍵が掛からない部屋を借りて住んでいたことがあるので気持ちがよく分かる。

    本を読み終え、廣榮堂の「むかし吉備団子」が食べたくなり、富士山や志賀直哉旧居に行きたくなる。
    そして何より文章を書いてみたくなる。

  • (2018/4/2読了)
    面白くないわけではないけど、ゆっくりちまちま読んだので、すごく時間がかかってしまった。でも、あとがきに、登美彦氏もそのように読む本だと言っているので、結果オーライである。。。森見登美彦作品を読むと、どうしても感染っちゃうのよね。
    星はオマケして4つ。
    2012年から約3年、スランプのためおやすみしていたことは、私自身も、当時、読書する状況ではなかったから気がつかなかった。今に至るまでの公私に渡ったことが書かれてあり、最終章に自ら「空転」は終わったと書いているので、スランプから抜け出した様子。
    森見さんの人柄も知った上での、これからの作品が楽しみになりました。。。。狸が主人公の小説をそんなに描きたかったなんて〜

    (内容)
    デビューから14年、初の決定版エッセイ集。特別書き下ろし「『森見登美彦日記』を読む」。本邦初公開「空転小説家」も収録!

    (目次)
    まえがき
    1.登美彦氏、読書する
    2.登美彦氏、お気に入りを語る
    3.登美彦氏、自著とその周辺
    4.登美彦氏、ぶらぶらする
    5.登美彦氏の日常
    6.特別書き下ろし「森見登美彦日記」を読む
    7.空転小説家
    あとがき
    森見登美彦著作リスト

  • 小学校三年生の時から物語を紡ぎ続けているとは驚き。
    これからもエッセイも書き続けて欲しい。

  • 見よ、登美彦氏は、かくもぐるぐるし続けてきた! デビュー以来、約14年間にわたって新聞や雑誌等さまざまな媒体に発表してきた文章を集約。特別書き下ろし「「森見登美彦日記」を読む」、本邦初公開「空転小説家」も収録。

    過剰な自意識に悶々とする森見氏の作風そのままのエッセイ。一時期のスランプのことも隠さず記されていた。氏が推奨する(と言っても文庫のあとがきなどだから割り引かなくてはならないけど)小説も読んでみようと思う。
    (B)

  • 森見登美彦ファンには、是非おすすめしたい一冊。森見登美彦作品がどうやって生まれてきたか(太陽の塔)なんてことや、作品で出てくる赤玉ポートワインの秘密などなどを知れて、読んでいて、ファンとしてはウキウキしたのである。
    このエッセイ集そのものは飛び抜けて面白いというものではないが、森見登美彦という作家に僅かながら触れることができるという点ではなかなかに面白く読むことができた。

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