ドルチェ

著者 :
  • 新潮社
3.46
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本棚登録 : 1048
感想 : 208
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  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104652037

作品紹介・あらすじ

彼女が捜査一課に戻らない理由。それは、人が殺されて始まる捜査より、誰かが死ぬ前の事件に係わりたいから。誰かが生きていてくれることが喜びだから。警視庁本部への復帰の誘いを断り続け、所轄を渡って十年が過ぎた。組織内でも人生でも、なぜか少しだけ脇道を歩いてしまう女刑事・魚住久江が主人公の全6編。

感想・レビュー・書評

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  • 最近思うんですが、栗山千明さんて姫川玲子のイメージにピッタリじゃない?

    え?『ドルチェ』は姫川玲子シリーズじゃなくて魚住久江シリーズだろって?いいんです、来たるべき姫川玲子シリーズの新作のための復習に読んでるんでw
    なので次は『ドンナビアンカ』を読むさー(沖縄が抜けないそしてみんみんにしか伝わらない)

    魚住久江、42歳、独身、練馬署強行犯係巡査部長
    姫川玲子とは非常に対照的なキャラクターで、まさにそのために生まれたキャラクターなんじゃないかなと思います
    強い信念を持っているのは同じですが、姫川玲子が絶対に信念を曲げないのに対して、けっこうフラフラします
    フラフラしますが、それは人に寄り添い、人生を救うためのように感じます

    この二人がバチバチすることで(多分どっちも引かないw)どんな化学反応が起きるのか楽しみ!
    (とんでもないネタバレ)

    • ひまわりめろんさん
      シリーズといっても2作しか出てないんだけどね
      まぁネタバレしちゃうとこの魚住巡査部長は警視庁捜査一課姫川班への異動が決まったんよ
      それで今読...
      シリーズといっても2作しか出てないんだけどね
      まぁネタバレしちゃうとこの魚住巡査部長は警視庁捜査一課姫川班への異動が決まったんよ
      それで今読み返してるってわけさー
      2022/09/11
    • みんみんさん
      姫川、ジウ、歌舞伎町でいったん休憩してた
      じゃあ姫川始まるの?
      ジウは主人公がちょっと苦手だけど(*´ω`*)
      それまでに読んどこー!
      姫川、ジウ、歌舞伎町でいったん休憩してた
      じゃあ姫川始まるの?
      ジウは主人公がちょっと苦手だけど(*´ω`*)
      それまでに読んどこー!
      2022/09/11
    • ひまわりめろんさん
      姫川新作長編が近いうちに出る!…らしい
      姫川新作長編が近いうちに出る!…らしい
      2022/09/11
  • 最初から必要とされる人なんて、私は、いないと思う。みんな、誰かに必要とされるように、一生懸命努力して、それで、必要とされる人間に、なっていくんだと思う。

  • 女刑事ものですが、姫川シリーズとは違い、これはアラフォー女刑事が主人公。

    でも相棒の年下刑事から恋心を抱かれてる?みたいな感じは姫川と同じか。羨ましいな(笑)

    連作短編集なので読みやすい。
    ただ私的には短編はやっぱり物足りなさを感じてしまうので★3で。

  • 4.6
    面白かった。
    魚住久江40過ぎのオバちゃんが主人公なんて、ビミョーだなぁと思いあまり期待せずに読み始めました。
    でも誉田さんだし、面白いだろう、という思いもありながら笑
    それぞれの事件もちゃんとひねりがあるし、ちょっと人情物みたいな感じもあるけど、クドくなく、サクサク読める感じでした。

  • 誉田さんの刑事ものを求めて手に取りました。

     ジウや、ストロベリーナイトを書いた同一人物とは思えない展開。面白いです。

     私と同世代の女性刑事が主人公。殺人事件を追うのでは無く、人が死ぬことを防ごうとする物語。ちょっとイイですね。この警察小説は、女性が好むと思います。

     しかし誉田さんと言う人は、グロい警察小説は書くし、バンドや剣道の青春小説も書くし、今回のとても魅力的でありながら、綺麗過ぎないイイ感じで現実的なの女性警察官も書ける。

    誉田哲也、面白いですよ。

  • 強行犯の女性刑事を主人公にした、警察小説。
    警察官を描くのがうまい。
    綺麗ごとだけじゃない人間味が、魅力的なキャラクターの秘訣かも。
    強行犯は、誰かが死ぬ前にかかわれる。
    事件のひねり具合も、面白かった。
    久江を慕う峰岸を筆頭に、周りのメンバーも、いい感じ。
    続編も読んでみたい。
    http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/post-ac65.html

  • 42歳、独身、女性。
    強行犯係巡査部長の魚住久江を主人公とした6つの短編小説。

    誉田哲也さんお得意の警察モノですが
    ミステリーというより、警察を舞台にした人情モノで
    とっても私好みでした。

    強行犯係の巡査部長と聞くと
    ごつい、たくましいイメージですが
    久江のアラフォー的な弱さ、強さだったり
    ちょっとした可愛さだったり
    すごく人情味が溢れていて、優しくて
    久江にとても惹かれました。

    6つのお話の中で、私が一番好きだったのは
    最後の「愛したのが百年目」。
    柿内の大きな大きな愛が、胸に染みました。
    「容疑者Xの献身」の石神のようでしたね。

    魚住久江シリーズが、他にあれば是非読んでみたいです。

  •  誉田版<女刑事>第三のシリーズが登場、ということで浮き浮きして読む。

     カバーのキャッチコピーは以下の通り。

     「練馬署強行犯係、魚住久江、四十二歳。肩身の狭い喫煙者、自分的には独身貴族。不器用なオトナの新ヒロイン登場!」

     たまらないコピーに惹かれて相当の気負いを持って挑むと、何と、短編のシリーズである。この作者の短編はあまり心当たりがない。唯一の連作短編集が『ヒトリシズカ』だが、あれは全部合わせての長編作品みたいなものだ。最近『あなたの本』という短編集がようやく出たものの、こうしたしっかりした短編設定のシリーズというのが、今回、とても心憎い方式のように思われる。

     だって、海外の作家みたいだからだ。海外の有名どころのミステリ作家は、長編用主人公のほかに、短編用の主人公をよく作り出す。長編とは分けて、短編ならではの味わいをその主人公に持たせるのだ。無論、短編小説は難しい。わずかなページ数で読者をうならせる何かがなければ、そう簡単に用意できるものではない。

     誉田哲也という、最近になって映像化が目立ってきた作家にして、今、小説の作法としての基本を問われる短編集をこうして生み出してゆくことこそ、この作家の里程標(マイルストーン)になるのだろう。そんな重要な作品としてぼくは捉えたし、作品集はしっかりその重要性に応えているようにぼくは思う。

     何よりもこの女刑事の設定。存在感。リアリティ。時代を背景にしっかりと背負った、アラフォー刑事の孤独な生き様も然り、強行犯係にいる理由が、死んだ人間よりもこれから殺されるかもしれない人間の命を一つでも多く救うというところにある点も斬新かつ独自。この作家ならではの目の付け所が随所に生かされ、作品としても丁寧な仕上がりが好ましい。

     売れ始めた今だからこそ、誉田ワールドの足固めは必要である。そんな時期に相応しい一人のヒロインの造形を、ずっと追跡してやまないこの作家の将来性に向けて確実に受け止めてみたいと思う。

  • ■警察小説だけど、この作品「レイジ」と同じように誉田哲也っぽくなくて、でもやっぱり引きつけられてしまうのはやっぱり筆力なんだろうか。

    ■警察小説なのに女性が主人公ってあたりがいかにもなんだけどね。(笑

  • ちょっと久々の誉田さん。なんかね、誉田さんのお話読むと毎回、ああわたしこの人好きだなあって実感する。読了後に必ず思う。どんなお話でも。文庫待てずにハードカバーを買ってしまいました、この「ドルチェ」。女刑事の新シリーズってことで、何で姫川シリーズじゃないの…?と思いながら読んだけど、すごい良かった。この42歳の魚住久江っていう女刑事がすごく良い。この人に、悩み事相談したいなあって思っちゃう。もしくはお友達になりたい。これは新たなシリーズになりますかね。姫川シリーズも大好きだけど、この魚住シリーズも大好きになりそうです。いつか、どこかで二つのシリーズがリンクしたら良いなあなんて、こっそり期待。姫川シリーズの面白さと、この魚住久江のお話の面白さはちょっと違うかなあ。二つとも、違った面白さ。個人的に、魚住さんと峰岸の行方がとても気になる。すぐにどうにかならず、今後のシリーズの中でじわじわ距離を縮めて欲しいなあ。じわじわ加減が、すごく好き。姫川と菊田みたいな。もどかしい感じ、すごく好き。誉田さんのお話って、読了後に必ずちょっと切なくなるんだよね。お話によってその切なさは違うんだけど、なんか、こう、きゅんってなる感じ。その切なさが、わたしはものすごく好き。今回も良い切なさ、頂きました。

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著者プロフィール

誉田哲也
1969年東京都生まれ。2002年『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞受賞、03年『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞。主なシリーズとして、『ジウⅠ・Ⅱ・Ⅲ』に始まり『国境事変』『ハング』『歌舞伎町セブン』『歌舞伎町ダムド』『ノワール 硝子の太陽』と続く〈ジウ〉サーガ、『ストロベリーナイト』から『ルージュ 硝子の太陽』まで続く〈姫川玲子〉シリーズ、『武士道シックスティーン』などの〈武士道〉シリーズ、『ドルチェ』など〈魚住久江〉シリーズ等があり、映像化作品も多い。

「2023年 『ジウX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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