天国はまだ遠く

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (169ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104686018

感想・レビュー・書評

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  • 瀬尾まいこさん、すごく久しぶりに読みました。

    主人公・千鶴
    仕事も人間関係もうまくいかずに、身も心も疲れ果て、
    自殺しようと訪れた田舎町での日々。

    結果として自殺に失敗するんですが、
    規則正しい食事をして、身体を動かし、夜になったら寝る。
    そんな生活の中で、しだいに生きる気力を取り戻す。

    そして、自分の本当の居場所は、ここではないと気付く。
    いつかまた、戻って来るかもしれないけれど…。

    自分は弱い。そう思っている人の方が、案外強いものなのかもしれない。
    「あんたみたいな人は、長生きする」
    そう言っていた、田村さんは的を射てるかも…。

    夜空の星、賛美歌、収穫したてのお米の味、命を頂くということ。
    清々しい、二十一日間でした。

    「なんちゃない」
    あぁ、肩の力がすっと抜けて、気が楽になります。
    なんてやわらかくて温かい言葉。
    方言って、いいですよね~。

    • 杜のうさこさん
      koshoujiさん、こんばんは~♪

      良かったです!
      瀬尾さん、ものすごく久しぶりでした。
      変化球のない、まっすぐなところが好きで...
      koshoujiさん、こんばんは~♪

      良かったです!
      瀬尾さん、ものすごく久しぶりでした。
      変化球のない、まっすぐなところが好きです。
      この方の本を読むと、自分の中にかろうじて残っている(笑)
      純粋な部分に気づかせてもらえます。
      新作、そういえばそうですね…。
      また読みたいですね~。

      「私のお宝シリーズ」!
      わくわくです(*^-^*)
      2016/04/11
    • 杜のうさこさん
      けいちゃん、こんばんは~♪

      あ、やっぱり?
      ラスト、私も少し…。

      田村さん、大人気だったんだね~。
      たしかに、優しいよね。
      ...
      けいちゃん、こんばんは~♪

      あ、やっぱり?
      ラスト、私も少し…。

      田村さん、大人気だったんだね~。
      たしかに、優しいよね。
      気持ちを楽にしてくれるというか、
      包み込んでくれるというか…。

      あはは~、もう少し影のある人か~♪
      なんか、わかる!
      優しいだけじゃなくて、ちょっとスパイス欲しいよね(#^^#)
      あと、もう少し身なりに気を使って…(以下自粛)
      なんて、言いたいホーダイ(笑)
      2016/04/11
    • koshoujiさん
      うさこさん、よくキャンディーズのCDのレビュー見つけましたね。
      以前話しましたっけ??
      うれしいやら恥ずかしいやら(笑)。
      うさこさん、よくキャンディーズのCDのレビュー見つけましたね。
      以前話しましたっけ??
      うれしいやら恥ずかしいやら(笑)。
      2016/04/12
  • 仕事や職場の人間関係に疲れ果ててしまった23歳の千鶴
    鞄に一晩の荷物とありったけのお金を持って辿り着いたのは、関西から特急電車で2時間の丹後

    駅からさらに山の奥地へ
    自然に囲まれた「民宿たむら」

    海あり山あり畑あり・・・たっぷりの自然と宿主田村。数えきれないほど青年のぶっきらぼうで飾らない人柄に日に日に人間らしさを取り戻していく千鶴

    真っ暗な夜空に数え切れないほどの星を見上げながら田村青年が呟いた言葉
    「ここには星も木も魚も、なんだって嫌ってほどある。数え切れないほどすごいもんがある。それやのに、どうしてそれだけではやっていけへんのやろなあ」

    祖父母からの土地や家屋を引き継いでうまくやっていると見える田村青年の口から出た言葉に考えさせられる

    ここでやっていくには、二人は若すぎると思う。まだまだいろんな刺激を受けて、自分の能力を最大限に伸ばして
    活躍できる場があるはず
    どこか物足りなさを感じているのだろう

    そしてその言葉は、ここの暮らしに馴染み始め田村青年を羨ましく感じていた千鶴の心にも疑問を投げかける

    このままこの生活に埋もれてしまっていいのだろうか
    自分の居る場所はここではないと感じた千鶴が、緊張しながらもまた元の生活に戻っていく結末がよかった

    安易に田村青年と千鶴が一緒になってめでたしめでたしではないところが

  • 居心地がよくて体もみずみずしさを取り戻したのに
    居場所ではないという感覚。
    どんな再会を果たすのか楽しみだ。

  • 面白かった。
    人って簡単に死んじゃだめなんだ。こんな楽しい出会いがあるんだからもったいない!
    ほくそ笑みながら、心からそう思った。
    関西弁の民宿たむらの田村さんと出会えてよかったな!主人公。
    眠剤飲んで爆睡できてよかったな!
    また都会でがんばれよ!

  • 働く20代女子が、ちょっと心が疲れたときに読むのにおすすめ。
    ちょっと休んで、でもここはいるべき場所じゃないと前を向く主人公に共感。
    田村さんからみた続編もあったらいいな。ぜひ読んでみたい。

  • 自殺するためにやってきたものの、未遂に終わり、そのまま1か月弱京都の山奥でのんびり過ごす。ここには何でもあるのに、どうしてそれだけではダメなんだろう・・・。
    先に映画を見てスタッフロールで瀬尾まいこさんの小説だと知りました。映画の徳井くんと、本の田村さんのイメージはちょっと違いますが、それでも田舎ののんびりした雰囲気が癒されるのは同じです。

  • 朝早く起きて、シンプルな食事をとる暮らし。
    民宿の主、田村さんの漁について行ったり、
    鶏小屋の掃除をしたり、近所を散歩したり。

    北の地に死を決意して行ったはずの千鶴だが、
    段々心と身体が戻ってくる再生のものがたり。

    「生きる」って、元来こういう事なんだろうなぁ、
    と思うエピソードが続き、素朴なのに何故か引き込まれるのは、大好きな瀬尾まいこさんの世界観ならでは!

    仕事に疲れている大人みんなにお勧めの物語です。

  • もう一山あるかな?と思ったら終わった。

  • 再生の物語。やっぱりテンポ良い文章は読みやすい。
    単行本p.136「すかすかだった旅行鞄はぎゅうぎゅう詰めになり、それだけでは足りず、両手いっぱいの荷物になった。ここへ来た時、あんなに軽かった荷物が、今はずっしり重い。」この二文に全てが詰まっててるような気がした。
    田村さんや主人公の何気ない言葉や動作にこの後もそれぞれの人生は続いていくんだなという、心地良い後読感があった。

  • 背中を押してもらえる1冊。
    きっかけを見逃さず、大事にしていこうと思った。

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著者プロフィール

1974年大阪府生まれ。大谷女子大学文学部国文学科卒業。2001年『卵の緒』で「坊っちゃん文学賞大賞」を受賞。翌年、単行本『卵の緒』で作家デビューする。05年『幸福な食卓』で「吉川英治文学新人賞」、08年『戸村飯店 青春100連発』で「坪田譲治文学賞」、19年『そして、バトンは渡された』で「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『あと少し、もう少し』『春、戻る』『傑作はまだ』『夜明けのすべて』『その扉をたたく音』『夏の体温』等がある。

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