- Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104689033
感想・レビュー・書評
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人生を語るには、早すぎるなんて言わせない。<br>
ぼくは今日から、トクベツな子どもになることにした―<br>
何をやっても、みんなと同じに出来ないワタルは、ある日死んだ父親に関する重大な秘密を発見する。その瞬間から、少年の孤独なサバイバルゲームは始まった。「自分」を生きるため、本当に大切なことって何?今ここにいることの奇跡。17歳の哀しみと温もりが、いま鮮やかに甦る。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
未婚の母のもと日本人離れした外見で自分は他人と何かが違うと思い続けていた少年の話。ようやく本当の父親に会いに言ったロシアで気づいた真実。「自分はちっとも特別じゃない。ぼくは65億分の1」。やっと自分のアイデンティティを見つけたラストに感動。
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自分がクロマニヨン人の子供だと思い込む少年の幼児から高校卒業までの成長ストーリ/
自分は特別だと感じる気持ちからクロマニヨン人の子供だと考えるのはありえなくもないかと思ったが、中学生以降の展開はいたって普通。
この作者には珍しくヒロインが魅力あるように書かれていた。 -
読み終えた直後は、なにか物足りない感じがしたのに・・2〜3日経ってから、じわっとくる作品でした。
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自分の父はクロマニョン人。
自分だけがみんなと違う、そう思い込んだ少年の成長記。設定は奇妙ですが、「自分とは何か」という普遍的なテーマを描き、私はけっこう好きでした。面白かった。 -
第136回直木賞ノミネート作。たぶん受賞されるんじゃないかと思いますが、私には残念ながら、この作品の良さが判らなかったー。荻原作品とは相性が悪いみたいです。 (2007.1.5読了)
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物心ついた子供は、自分が周りと違っていることに気づく。そして、偏見を持った大人たちの、心ないうわさ話によって傷つく。彼は、彼のせいでそうなったのではないのに、一人悩み続ける。
サチに出会うまでのワタルは、本当にかわいそうでした。
でも、長い間、息子に真実を告げられない母は、もっと辛かったと思います。だから、折々の母の教えには、心を打つものがありました。
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自分の容姿や行動等が他人と違う事から、父親はクロマニヨン人であると信じて疑わないワタルの幼少から思春期までの物語。人間の存在価値について考えさせられる作品です。自分が普通でない事に悩むワタルに美術の先生が言った言葉にジーンときました。
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父親を知らないワタル。自分の父はクロマニヨン人だと信じて育つ。ついつい母親目線で読んでしまいました。もどかしいワタルの感情。静かなのに激しいワタル。母親は、最後まで忍耐強く、あきらめずに生きることを教えたのでしょう。じんわりと泣けました。
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シングルマザーが後ろ指指されるような田舎町で、遺伝子の研究員をしている未婚の母一人に育てられた野生児ワタルは、自分の父がクロマニヨン人だと信じている。
ワタルのきかんきな幼稚園時代から、高校生にいたるまでの多感な時期を追った物語。
向こう見ずで、むちゃくちゃだけれども、自分は何者なのか、ということを真摯に追う少年の姿が淡々と描かれている。
何か、清々しい気分になった。