どこかに神様がいると思っていた

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104697014

作品紹介・あらすじ

生きていれば何だって起きる。無残な事実も美しい奇跡も…。最後の仕手戦に賭ける相場師、妻を失った男、拳銃の元売人、柔道界から永久追放された男、拝み屋、流れ者、そして"出合い頭の人生"と呟く平凡な居酒屋の女。恋愛も、涙も、ミステリーもない。かわりに、心を強く揺さぶる10の孤独と人生が詰まっている。ざらざらした修羅場を生きてきた男の、大人のための短篇集。

感想・レビュー・書評

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  • 短編。

    相場師としての全てを捨てて、行き場のなかった母子との静かで穏やかな生活を送ることにした男。
    妻を亡くした男が、野鳥を助けクラシックを聴いて彼女の喪失を癒していく様。
    描く意欲を失った画家が、男女の企みによって再び作品を生み出すまで。

    ピストルの元売人で葬儀屋での裏の人間たちの殺し合いと敵も味方もない葬い。
    山での生活で偶然助けた犬との暮らしで見た蝶の大群。
    バーで交わされる皆に利益のある動き出そうとする金の行方。

    胡散臭い拝み屋が案外評判を呼び、恩のある兄貴の死を思いがけず救ったこと。
    柔道界から追放された男がテレビ業界の泥を真っ直ぐに払っていくさま。

    前科のある流れ者が人々の優しさと自然の厳しさを知り、故郷に戻る決心をしたこと。
    居酒屋で働くウメ子さんの一生、酒飲みの主人の女中として働き彼の死後の遺産を自らのものにするまで。

    どれもこれも、孤独の中に人情がある。良い。

  • 「男の人の本」という印象。

    男の人の孤独という世界に触れた気がしました。
    決して、孤独がマイナスとして描かれているのではなくて。

    短編集でしたが、最後の「平凡な女神」では、女性の孤独とも言えるような世界について描かれていて、女性の話だけども、男性的な感性だなぁと。
    新しい捉え方。

    しっかり、ずっしりな男臭さ満点の孤独感は、元気な時に読まないと落ち込みそう…かも。

  • 恋愛も、涙も、ミステリーもない。かわりに、心を強く揺さぶる孤独と人生が詰まっている。一編々々が重く厚く、読後に深い印象を残す佳作揃い。

  • 10本の短編集

    探鳥日記
    聖壇に祈りを
    カモメの、ルビーの目でふり返れ
    平凡な女神

    が、好きかな

  • ほんのり心温まるお話です。

  •  久々の大ヒット!!!!人間の生き様のロマン。著者は元ノンフィクション作家。故にこのリアリティーか。必読、損なし。ジワッと心を打つ名作短編集。

  • どの話にも共通しているのは、あるときふとしたきっかけで周りの世界を見る目がガラッとかわっていること。ささいだけど重大なことがキチンと描かれていてすごい。「世界の中心〜」や「いま、会いに〜」では泣けなかった人向け。

  • 凄くイイデスネェ〜。
    書評を読んで買いましたが、今年読んだ中で最高の短編集です

  • 久しぶりにというより、初めて「男文体」(こういう言い方なんてないですかね(^^;)を読みました。
    厳しくて、冷たくて、突き放す。
    でも底の方には、優しさがひそんでいるような・・・そんなお話達です。
    私はちょっと苦手かも。

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