精神科医が狂気をつくる―臨床現場からの緊急警告

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104701049

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  • 読書録「精神科医が狂気をつくる」4

    著者 岩波明
    出版 新潮社

    p118より引用
    “これに加えてマスコミは、「新型うつ病」
    等の医学的にはまったく認められていない病
    名を得意げに連呼したりすることもある。こ
    れはわざわざ誤った情報を広めているような
    ものだ。”

    目次から抜粋引用
    “食事療法というペテン
     フロイトの大罪
     薬物療法のウソ
     混合状態の危険
     乱造された精神疾患”

     精神科医である著者による、精神医学界隈
    に蔓るうさんくさい動きについて記した一冊。
    過去同社刊行作品文庫版。
     食事療法についてから流行の脳科学につい
    てまで、世界の過去の精神医学の事例を挙げ
    書かれています。

     上記の引用は、うつ病に関する報道と問題
    点について書かれた項での一節。お金をも
    らって一方的に意見をばらまく人達の言うこ
    とは、話半分以下に聞いておくほうが良さそ
    うですね。
     世の中で流行っている物事の中には、本当
    は意味のないものも実に多いようです。以前
    感想を書いた本についても取り上げられてお
    り、多方向から本を読む大切さを再確認しま
    した。
     ムダな散財をしないために、読むと良い一
    冊ではないでしょうか。

    ーーーーー

  • 対話(精神療法)の有効性は、治療者と親密で密接な関係をもつことによるプラセボ効果に由来している

    精神療法には、時間をかけて蝕む遅効性の毒のような性質がある。というのは、長い時間をかけて面接を繰り返す中で治療者と患者の間に予期しない不明瞭な関係ができあがることがあるからだ。それが患者の精神をじんわりと蝕んでいくからである。このような感情的な関係を「転移」と呼ぶ

    カウンセラーは患者の病歴について聞き、家族について聞き、学校や仕事のことを聞く。隠していた自らの心の秘密まで治療者に告げることを求められる。けれども彼らは、ただ聴くだけなのだ。カウンセラーは何も答えもださない。問題をどうやって解決した良いか、将来どのような道を選べばいいのか、何のヒントも与えてくれない

    精神分析における基本的なロジック
    1 人間の思考や行動は、無意識的な動機によって規定されている部分が多い
    2 生育過程にうけたトラウマによる心理的な葛藤によって、神経症、精神病などの症状が出現する
    3 無意識な葛藤は、本能的欲動が自我の防衛機制によって抑圧されたことによって生じる。この過程を意識化することによって症状の改善が見られる

    DSMの診断システム 多軸診断
    第一軸 通常の精神疾患の診断
    第二軸 パーソナリティと知的機能の問題
    第三軸 精神疾患と関連する一般的な身体疾患の評価
    第四軸 社会的、環境的要因
    第五軸 機能の全体的尺度

  • 薬物療法の弊害が叫ばれ、漢方薬やカウンセリングなどの「自然な」「体に優しい」療法がマスコミによって喧伝されているが、果たしてその治療法は有効なのだろうか――と警鐘を鳴らす一冊。具体事例を多く取り上げる。西洋医学に基づいて行われた薬物療法でも症状が改善しないケースなども取り上げるなど、そこまで公平さを欠く印象はなかった。

  • 読み始めてすぐ、書かれていることに一貫性がなく、文章が下手という感じがして、真剣に読む気がしなくなる。狭い了見で書かれている印象。結局、読むに堪えないので、ざっと眺めて終わりにした。

  • 将せ-12

  • タイトルで医原病を扱った本かと思ったが、代替医療やいわゆる擬似科学に対する批判が中心であった。人の脳や心は摩訶不思議な存在也。

  • 「うつ病には○○の摂取が有効」「漢方もいいらしい」「脳トレで認知症は治る」…、精神疾患の治療と称し、罷り通る数多の妄説。しかしその「まやかし」が、取り返しのつかない重篤な患者を大量に生み出している。代替医療というペテン、薬物、そしてカウンセリングの罠、さらには診断基準の陥穽まで、不実と偽りのその実態。シリーズ第四弾。

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著者プロフィール

昭和大学医学部精神医学講座主任教授(医学博士)。1959年、神奈川県生まれ。東京大学医学部卒業後、都立松沢病院などで臨床経験を積む。東京大学医学部精神医学教室助教授、埼玉医科大学准教授などを経て、2012年より現職。2015年より昭和大学附属烏山病院長を兼任、ADHD専門外来を担当。精神疾患の認知機能障害、発達障害の臨床研究などを主な研究分野としている。著書に『他人を非難してばかりいる人たち』(幻冬舎新書)、『精神鑑定はなぜ間違えるのか?』(光文社新書)等がある。

「2020年 『医者も親も気づかない 女子の発達障害』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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