脳と仮想

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 305
レビュー : 49
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104702015

作品紹介・あらすじ

数量化できない微妙な物質の質感=クオリアをキーワードとして、意識の問題に切り込み続ける気鋭の脳科学者が提示した新しい概念「仮想」。心とは何か。どこから生まれてくるのか。小林秀雄を出発点として、漱石、一葉、ワグナー、柳田国男、三木成夫…幾多の先人の痕跡を辿りながら、近代科学が置き捨ててきた「心」の解明へと迫る、脳科学の最到達点、画期的論考。

感想・レビュー・書評

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  • 「クオリア(数量化できない物質の質感)」をキーワードに、茂木健一郎が「心」について考察した小林秀雄賞受賞作。科学的世界観の視点では人間の主観的経験に対して本質的洞察を提供できないということに注目し、脳という空間的限界から解放された「仮想」について考察されています。「私たちは、脳内現象としての世界全体を引き受けているのである」…読み終えると、今まで当たり前だと思っていたことが奇跡のように感じられるはず。茂木健一郎の著書は数多くありますが、これは間違いなく必読書です。

  • なるほどこいつぁ偉い奴だ。
    単にロマンチックなもじゃもじゃじゃないんだな。

    神や魂や未生の記憶といったテーマを、いちリットルの脳からなるべく飛び出さないように、丁寧に考えていく。
    それでいて気がついたら素晴らしい飛躍を遂げている。

  • この本は前から気になっていた。一気にではなく1章1章時間をおいて読んだ。じっくり吟味して読んだということではない。書いてあることが一つ一つわかったという訳でもない。漠然とした読後感から思うことは、ひょっとしてこの人も自分と同じ発想を持っているのかもしれないということだ。

    浅はかながらも大学時代に思い至ったことがある。読書から人が感銘を受けるということはどういうことなのか。それは本を読むと作者の考えや表象がそれを読む自分にそのまま伝わるという訳ではあるまい。読者は作者の意図したものそのものからダイレクトに影響をうけることはあり得ないと。読書から感銘をうけるということはむしろ既に形成された自分の中のものを刺激することに他ならないのではないかと。

    とりあえずこの本を読み終えて今印象にあるのもこのことだ。茂木健一郎は「断絶の向こう側の他者の心」と表現している。日頃我々は人の心は容易にわかるものだと錯覚している。世の中もそういう錯覚のもとに出来上がっている。しかしいったん突き詰めて考えると自分と他人の考えを共有させることを保証するなにものも存在しない。

    それにも関わらず人と人は共感し合えることがある。それななぜなのか。クオリア(質感)という考えはそのあたりから発生するものなのだろうか。

  • 読んでいると没頭してしまう本と、気づいたら全然別の事を考えてしまっている本があるけど、この本は全く頭に入ってこない。

  • 脳科学、数学、文学、哲学‥あらゆる学問が目指すところが仮想である。

  • たぶん面白かった気がする。2004年か。

  • これまで科学が切り捨ててきた数字で表せない「仮想」がいかに大事か、という本。

  • 既存の学問の体系に猛烈な反感を持っていたという、小林秀雄の講演での発言をいくつか引用している第一章が一番おもしろかった。

    文体や言葉の選び方がかっこいいので参考になった。

  • これ初めて読んだときは茂木さんすごいと思ったのにな。

  • 話は上手ですらすらと読めるんだけど、「あたり前のことを面白おかしく言っているだけじゃね?」という気がしてならない。へーそうだったんだ、という驚きと無縁のまま読了。脳、なんてわけかわんないびっくり箱みたいな題材を扱っていながらこれはないんじゃないの。もう一冊読んでみようか迷う。

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