罪と罰、だが償いはどこに?

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104703012

作品紹介・あらすじ

殺人を犯した人間が「人権」によって守られ、「金がない」というだけで被害者への賠償義務を免れる-この理不尽な現実を劇的に変える!"賠償監獄"での「完全賠償」を追求し、真の償いの道を示す究極の書。

感想・レビュー・書評

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  • のっけから、公開されない事件の真実の例に涙が出ました。そしてこの犯罪者たちを擁護し、一刻も早く世に放とうとするのか、弁護人に怒りを覚えました。12年前の本と、古いものですが、現状はそんなに変わっていないような。人権派弁護士と言うが、そもそもの人権の本質からかけ離れた現状が理解できます。更生の難しさ、被害者が置き去りにされている現状、もどかしさが私のわだかまりと一致し(いや、別に私は犯罪被害者じゃありませんが)もやっと感が晴れました。死刑容認派ですが、この本に書かれている償い方であれば(一部危険かとは言え)、死刑なしに納得できます。いつ巻き込まれるか分からない、犯罪への保険として、そう思いました。

  • 過去に犯罪を犯した加害者の生き方を、テーマにしている薬丸著『友罪』を先ごろ読んだのに関連し、あくまで被害者救済をメインテーマにした現役弁護士の本書を12年ぶりに再読。
    「人権」が、罪に問われた個人を国家から守るという成り立ちから、罪を犯した加害者に比重が置かれ、被害者の人権が疎かになっていると、著者は現状を憂いる。
    確かに、最近の特に悪辣な少年犯罪を見るに、加害者の人権ばかりが手厚く保護され、被害者およびその家族がマスコミの餌食になっっているのは、周知の事実。
    著者はそこで、犯罪被害者を制度的に経済的に救済するために新人権主義(民刑併合を復活させ、刑務所で、出所しても、一生を賭けて犯罪者に完全賠償させる)を唱える。
    短絡殺人が横行し、再犯率が増加の一途をたどる現在、被害者の泣き寝入りを防ぐためにも、傾聴に値するけっして古くない提言である。

  • 大きな殺人事件を起こした犯罪者が軽い刑で出所し、その被害者はどうしたらいいか、ということを問題にした本である。筆者が小説家でもあり弁護士でもあるので、どんどん読めるので、法律に関して、特に刑法についての素人でも読める。被害者についての認識、加害者についての認識が変わる本。

  • あつかった。
    正直、犯罪者に人権なんていらないとも思う。
    一部をのぞき、大体はクソな理由が多すぎる。

  • 根っからの悪人は存在するのであり、凶悪事件の供述調書に登場するのはそんな連中ばかりだ。
    (中略)
    それでも希望は人間にある。


    犯罪についてとか、法律についてなんにも知らないまま法学部の友人に借りて読んだ本。

    なんだろう、あたし何も知らなかったんだなーって思い知らされた。

    「人権」という言葉は場所によっては凶器になるんだと知った。
    何が守られて、何が放置されるのか、少しだけその片鱗を知ることが出来た。

    とても冷静な文章だけど、文章の端々に、筆者の怒りが見えてくる気がする。


    とても勉強になりました。

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著者プロフィール

1955年茨城県生まれ。早稲田大学法学部卒。ジョン・グリシャムの作品に影響を受けて小説執筆を始め、横浜弁護士会に所属しながら1994年『検察捜査』で第40回江戸川乱歩賞を受賞。現役弁護士ならではの司法界のリアリティと、国家権力の影を作品に取り込むスケールの大きいエンターテインメントで人気を博す。著書に『違法弁護』『司法戦争』『第一級殺人弁護』などがあり、本書は『検察捜査』『新検察捜査』に続き女性検事の岩崎紀美子が活躍する最新作である。

「2023年 『検察特捜 レディライオン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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