真夜中の五分前five minutes to tomorrow side-A

著者 :
  • 新潮社
3.37
  • (92)
  • (170)
  • (490)
  • (45)
  • (7)
本棚登録 : 1235
レビュー : 191
  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104716012

作品紹介・あらすじ

小さな広告代理店に勤める僕は、学生時代に事故で失った恋人の習慣だった「五分遅れの目覚まし時計」を今も使っている。その五分ぶん、僕は社会や他人とズレて生きているようだ。そんな折り、一卵性双生児の片割れ「かすみ」と出会う。かすみは、双子であるが故の悩みと、失恋の痛手を抱えていた。かすみの相談に乗り、彼女を支えているうち、お互いの欠落した穴を埋め合うように、僕とかすみは次第に親密になっていく-。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 「僕は頷いた。僕等の暮らす世界には飢餓もない。
     内乱もない。独裁者だっていない。
     生きている姿なんて見たこともない獣の肉を食べられる。
     首都も知らない国の映画が見られる。
     ネズミが踊る遊園地だってある。
     もちろん、大丈夫に決まっている。
     問題なんて、どこにもない。」

    死んだ恋人が、好んで遅らせていた部屋の時計。
    五分間。
    それ以上遅れたら、世間に追いつけなくなるような微妙な時間。

    毎日を淡々と、冷静に過ごし「なんの問題もない」とする主人公。
    大丈夫、大丈夫、自分はなんともない。
    そういって平静を装いながら、壊れていく人がいま世間にはたくさんいるだろう。その典型。
    その「大丈夫」が、自分を壊す。
    気づけない、自分の異常に。

    双子の姉と妹は、同時に名前を呼ばれることが多かったために、
    お互いがどちらであるかを忘れた。
    どうにか違うことを感じたい。
    何か違うものを選びたい。
    でないと、「わたし」の存在意義がなくなってしまう。

    双子の姉と、
    主人公。
    二人が出逢ったときに、
    二人を救う恋が生まれたように思えた。

    Side-Bがあるということが、私を不安にさせますが。。。
    とにかくラストがよかった。

    ラストのかすみの台詞。
    破滅的に美しい。


    「言って。」
    ああ、と僕は呻いた。
    「言うのよ。」
    彼女は言った。
    くずれて、そこから生まれたものに、僕は名前を付けた。
    「愛してる。」

  • side-A、side-Bともに再読。
    もっと評価されてもいい作品だと思う!!

    厳しくて誰もが異動願いを出してしまうほどの上司とも
    うまくやっていくことができる、ちょっと変わり者の僕。
    ある日、僕はプールでかすみから声をかけられる。
    彼女には一卵性双生児で
    両親も見分けがつかないほどの妹:ゆかりがいた。

    全体的に気障だけど
    そこがまた僕をうまく表してて良いと思うのよ。
    「この、変わり者め!///こっちが恥ずかしいわ!」みたいな。笑

    みんな不器用で頑固。
    もっと流れに身を任せてしまえば生きやすくなるのに。
    頭ではわかっててもどうにもならないことは確かにあって
    それを思い出しながら読んでいました。

    この本を前に読んだのは高校生?くらいだったと思うけど
    社会人になって思うのは
    僕みたいにひょいひょい生きていくのはとても難しいということ。

    最近、何かが足りなくて
    謎の欲求不満だったんだけど、
    この本読んで泣いたら、
    「泣きたかったんだー自分」って少しわかった。

  • 自分を目の敵にしている同僚に恋をしている十年間。
    自分と全く同じ遺伝子を持った妹の恋人に恋をしている三年間。
    眩暈を通り越してげっぷが出そうだった。

    小さな広告代理店に勤める僕は、学生時代に事故で失った恋人の習慣だった「五分遅れの目覚まし時計」を今も使っている。その五分ぶん、僕は社会や他人とズレて生きているようだ。そんな折り、一卵性双生児の片割れ「かすみ」と出会う。かすみは、双子であるが故の悩みと、失恋の痛手を抱えていた。かすみの相談に乗り、彼女を支えているうち、お互いの欠落した穴を埋め合うように、僕とかすみは次第に親密になっていく―。


    ラストのワンシーンの表現に衝撃を覚えた。

  • 読み易かった。

  • 恋愛モノの小説でおすすめないかなってネットでいろいろ検索して見つけたやつ。このテのやつは、普段は全く手に取らない分野だし苦手です。それでも自分の読書範囲を広げたくて読んでみた。まずはside-Aから。この終わりはなんだか良かった。

  • 【315】

  • なんかめんどくさい話し方するやつだな

  • 一卵性双生児。遺伝子的に全く一緒というのは、うれしくもあり、また時に辛いことなのかもしれない。
    初めて主人公とかすみが喫茶店に行った時のやりとりが好きです。

  • ミステリーかサスペンスだと思っていたら恋愛小説だった模様(¯―¯٥)
    淡々とし過ぎていまいちテンポが合わない。。。

  • かなり昔に読んだけど、
    切なかったことを覚えてる。

全191件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

本多 孝好(ほんだ たかよし)
1971年、東京都生まれ。弁護士になるため慶應義塾大学法学部に入学したが、大学4年生の時、同じ学部の金城一紀に小説執筆を依頼されたことがきっかけで、作家を選択肢に入れる。弁護士になるか迷っているさなかの1994年、「眠りの海」で第16回小説推理新人賞を受賞し、作家となることを決心。
以降、1999年『MISSING』で単行本デビュー。
2008年短編集『FINE DAYS』に収録された『イエスタデイズ』が映画化されたのを皮切りに、『真夜中の五分前』、『ストレイヤーズ・クロニクル』、『at Home』など映画化された作品多数。その他代表作として、『MOMENT』など。

本多孝好の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

真夜中の五分前five minutes to tomorrow side-Aを本棚に登録しているひと

ツイートする