僕の心の埋まらない空洞

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104722044

感想・レビュー・書評

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  • 「人の気持ちになって」考えるのは、良いことばかりではない、影響されたくないものも、心の中に忍び込んでくるのだ。
    まるで、前から自分が考えていたかのように。
    ちょっと怖い。

  • 斬新なストーリー展開。読んでいてざわつくテーマだけど面白かった!
    彼も彼女も甘いんだよ、と思うけど、その甘さ加減も一種のコミュニケーションだとは知ってる。でも本でも現実でも、やっぱ好きになれないですこういうの。

    心の中の絶対に埋められない空白。
    埋められないことがわかっていながら、埋めたいという衝動を常にかき立てるうつろな裂け目。
    そういうものに気づいたとき、どう対処するのが正解なんだろうね。

    と、ネタバレしない程度の感想を言いましたが、個人的に、すごく称賛したいところは、不倫相手となった女性のずるさをものすごく丁寧に書いてるところ!
    そしてそのずるさは、不倫・浮気をした男性の言い分(言い訳ではない)を緻密に書くからこそ浮き彫りになるもので。
    不義理をした人やそれに荷担した人、ついでにストーカーしそうになったことある人にぜひ読んでほしい。これを読んで、そういう人たちの気持ちがわかった気がした。わかっていいことではないかもしれないけど。

  • いつまで経っても
    埋まらないわ~~
    男って!

  • 容疑者と検事の重なる部分が巧妙に書かれている。人間の中にある欲望というものは立場関係なくみんなにあるものなのかもしれない。

  • *栄転を目前にした検察官が最後に手がけた事件は、社内不倫の果ての殺人だった。故意なのか、それとも事故なのか。「検事さんにだけは本当のことを知ってもらいたい」と、恋の始まりから終わりまでをねっとり語る被告の言葉が、真面目な官吏のおだやかな毎日を少しずつむしばんでいく。思わず我が身を振り返る心理サスペンス長編*
    可もなく、不可もなく。ストーカーってこうなのね、と淡々と読み進んだ感じ。題名は巧いと思った。

  • 初めて手に取った作家さんの本。
    読んでる途中これを女性作家さんが書いたのは凄いなと感心してしまったけど、読み終えて調べたら男性でした。
    やはり、男性でないと書けないような内容だなと思います。
    浮気、不倫、ストーカーをし、果てに殺人まで犯してしまった被疑者の男の供述と、それを聞く検事。
    被疑者の男の身勝手な考え方、偏執的な語り口による自己正当化が不愉快だけど、引き込まれるものがありました。相手の女性はもっと取るべき態度があったようにも思いますが、被疑者目線だとこうなってしまうのかな。
    検事は栄転を控え、受け持ったこの被疑者の話に多少なり自分の過去を重ね、そして感化されていきます。
    男性には少なからずこういった感情があるものなのだろうか。
    内容が内容だけに不快感や嫌悪感を感じる人も多いかもしれませんが、女性として心理状態が興味深かったです。

  • 先日この作者の作品が気に入ったので借りてきてみたけど、うーん、いまいちおもしろくなかった。
    読みながら、これはどういうラストが待ってるんだろうと興味を持ったが、ああこんな感じなのね…っていう、ちょっとがっかり感。

  • 読物としては充分楽しめますが、いまいちピンとこないですな。

  • ストーカー男の独白と、それに影響されていく検事のお話が交互に出てきて、これが結構面白い。検事のイメージが読み始めと読み終わりだとだいぶ変わってしまった。すこーしずつ変わっていって、気づけばすっかり侵食されている感じ。でも、理路整然とした文章で、ストーカーの嫌らしさがあんまり出ないかなと思った。

  • ストーカーの心理がわかる小説!? ストーカーって\イヤだ絶対別れない!/って感情的になって話が通じないのかと思ったら、自分の中ではきちんと論理的に筋が通ってるのに相手がそれを理解してくれない…って考え方になるのね。あくまで自分の中で…であってこれ彼女にしてみたらそりゃおかしくなるよ…。長文メール攻撃とか耐えられない…。しかも彼女は彼女、妻は妻って身勝手すぎて腹が立つ!!!!男ってやつはなんて身勝手なんだ!!!!ちょっと男子!本当にこんな風に思うのか読んで感想聞かせてくれ!!でもなーだから別れても俺のこと好きだろうとか勘違いするのかなー。

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著者プロフィール

平山瑞穂(ひらやま・みずほ)
小説家。1968年、東京都生まれ。立教大学社会学部卒業。2004年に『ラス・マンチャス通信』(角川文庫)が第16回日本ファンタジーノベル大賞を受賞してデビュー。著作には、『忘れないと誓ったぼくがいた』(新潮文庫)、『あの日の僕らにさよなら』(新潮文庫)、『シュガーな俺』(世界文化社)、『プロトコル』(実業之日本社文庫)、『マザー』(小学館文庫)、『四月、不浄の塔の下で二人は』(中央公論新社)、『午前四時の殺意』(幻冬舎文庫)、『ドクダミと桜』(新潮文庫)、『さもなくば黙れ』(論創社)など多数。評論に『愛ゆえの反ハルキスト宣言』(皓星社)、エッセイに『エンタメ小説家の失敗学』(光文社新書)など。

「2023年 『近くて遠いままの国 極私的日韓関係史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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