雨恋

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 187
感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104733019

感想・レビュー・書評

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  • もうこの世にはいない人物からの、現実では聞き入れようの無い真実を頼りに、主人公が不慣れながら真相をたどっていく様子はなかなか面白く、読みやすかった。

    しかし読み進めていくと、当然残りのページの束が気になるわけだけど、恋愛に発展させるのがあまりにも急で、完結させるには短すぎるのではと不安になる束の薄さだった。

    千波との間にまったく恋の予感がないわけではなかったし、実際2人の距離は確実に縮まっていて、好意を抱ける環境は充分にあったと思う。

    でもこの事件には守山の存在が大きいわけで、本人も作中で言っているけど、渉が千波のことを好きでも、千波は果たしてそういう感情を持てるのかという勝手な焦りを感じてしまった。

    曽我部とのメール内容を読んでしまった千波の胸の内をなかなか聞けなかったことも焦った理由としてあるかもしれない。

    結果的にこのメールがきっかけでだいぶ遅いが、両想いだとわかったわけだけど、気付いた頃には事件の真相まで急激に加速して、千波の顔がわかったと同時に儚く恋が終わってしまったわけだけど。

    読み終わって考えてみると、幽霊との恋だからこそこの終わり方でよかったんだなと思えてくる。
    勝手に感情移入しちゃって千波がまだしばらく居てくれるような気がしちゃって、変に幸せな結末を期待したから、ページの残りの少なさや解決までの進みに物足りなさを感じてたのかもしれない。

    後日談みたいなものも相手が幽霊では叶わないけど、渉と千波の恋愛模様がとてつもなく読みたいのでショートでもいいから、パラレルでいいから、2人の恋人としてのストーリーを読みたい衝動に駆られている。

  • 松尾由美さんの猫が登場する作品だったと思います。再読したいです!

  • 面白くなかった…

    千波と渉の気持ちの変化もなんだかよくわからなかったし。どのへんでお互いに惹かれていったのかもよくわからない。

    事件の真相も捻りなし。

    残念。

  • 帯が煽りすぎだと思う。
    この作品に限らず、最近の帯は煽り文句が大袈裟で、逆効果に感じることも多々。

    ラスト2ページは確かに感動的ではあるけれど、絶賛するほどには心に響かなかった。
    登場人物達があまり魅力的ではなかったからかもしれません。
    雨の日に声だけ聞こえる幽霊。
    彼女の死の真相に近付く度に少しずつ姿を表すというのが、あくまで生者と死者という二人の決定的な立場の違いをより浮き彫りにしている。
    次第に変化する刹那的な心の揺らぎが巧く表現されているように思う。
    それにしても足だけ見えるとか、想像するとシュール(笑)

  • 女の子がはなについてしまった。
    教育テレビとかでやっているドラマのようなお話。
    人物描写が浅い。
    キャラの魅力がみえてこない。
    スタイル抜群なだけで、あとは可愛げのない女の子にしか思えなかった。
    そんな女の人に対して性欲を抱くの?
    むしろ性欲くらいしか抱けないってことなのかしら。
    登場人物意外に多いけど、
    誰に対しても感情移入しきれない…
    もてあましてない?なんて。

    期待していたので、辛口になってしまった(・_・;

  • 〈内容〉世界がずっとこのままであればいい。ぼくは雨が永遠に止まないことを祈った、静かに深く彼女とつながりながら…。心を濡らすラブストーリー。

  • この著者の作品の多くと同じように、非日常や非現実をちょっとした驚きの後に受け止める主人公が登場する。
    キセキが、謎解きの後に彼に、そしてみんなに訪れたらいいのに、そう思って読み続けた。
    訪れたものは、優しく切なく。まるで猫との邂逅。

  • しっとりした恋愛ミステリー。
    大人の女性向けかも。
    この作者の作品は全体的に女性向け。

    なかなか解けない謎がじれったかったけど、
    小さな謎が解ける度に現れる不思議は面白かった。
    ドキドキした。
    ミステリーなんだけど、
    恋愛要素も強く、キャラクターも立っていた。
    猫たちがいい脇役?っぷりで微笑ましかった。
    最後は切ない感動。
    好きな人のことを考えてしまった。

  • 一言で書くと、30歳男性と、女性幽霊との恋愛小説。

    Podcast番組、新刊ラジオパーソナリティ石橋さんおすすめの本。図書館で借りて、すぐに読んでしまった。

    登場人物それぞれが織り成す、人間ドラマ。ないようでありそうな、あるようでなさそうな、ついつい引き込まれるストーリー。

  • 雨の日になると部屋に現れる女性の霊と、その部屋を借りる僕と、2匹のネコの物語。
    女性を殺した人物を探っていく過程はミステリーだが、その真相はラブストーリーであり、一度で二度おいしい作品だった。

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著者プロフィール

一九六〇年、石川県生まれ。会社勤務を経て作家になる。八九年『異次元カフェテラス』を刊行。九一年「バルーン・タウンの殺人」でハヤカワSFコンテストに入選。主な著書に「ニャン氏の事件簿」シリーズ、『おせっかい』『ピピネラ』『九月の恋と出会うまで』『嵐の湯へようこそ!』など。

「2022年 『おいしい旅 初めて編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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