国防

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104737017

感想・レビュー・書評

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  • 「軍事オタク」としても名高い元防衛庁長官による「国防論」。軍事とか国防に疎い私ですが、それでも本書で得られる新たな知見はあまりありません。ただ、一般的に「タカ派」と目されている氏ですが、その主張はいわゆる強硬派とは一線を画しており、ただ純粋な国防論というより国防に関して政治は何をすべきかという視点から書かれています。それにしても、よほど「軍事オタク」呼ばわりされるのが嫌なのか、随所でそれを否定する記述がありますが、否定すればするほど「軍事オタク」っぷりが散見されて微笑ましいです。

  • KiKi には自分が平和教育の申し子的な人間であるという自覚があります。  憲法第9条は守らなければいけないと漠然と考えていたし、自衛隊は違憲ではないか?と漠然と考えてもいました。  とは言っても「漠然」というほどムード的に考えていたわけでもありません。  論理的には「武力」を持つことの意義を認めつつも、その行使権を持つ人間(個人的に誰それということではなく)を信じきれない以上、力を持つことに懐疑的だった・・・・・というほどの意味で、そういうスタンスをとってきました。

    でも、世の中はどんどん変わりつつあり、集団的自衛権行使を可能にする閣議決定があり、武器輸出三原則も様変わりし、日本を取り巻く近隣国との間の緊張関係はあり、日本からは距離的には遠く離れてはいるものの原発事故を起こしてエネルギー依存度がさらに高まりつつある中東情勢はきな臭い・・・・・となってくると、そうそういつまでも「理想の平和主義」にどっぷり浸っているわけにもいくまいと考え始めるようになりました。

    随分前、ベルリンの壁が崩れ冷戦時代が終わったとされた時期にも、一度だけ、そしてほんの少しだけ、世界のパワーバランスが変わった以上、第二次大戦以降どっぷりと浸ってきたこの平和を守るためにも「国防」について考えるべきかもしれないと思ったことがあったのですが、それでもその時は今ほどのきな臭さもなく、ついでに自分のことで手一杯だったということもあって、思考を先送りしてしまったという自覚もありました。  でも、今の KiKi はとりあえずダーリンの入院とじぃじ & ばぁばの介護のことだけ考えていればいいようなところもあるわけで、そろそろ本腰を入れて学ぶべき時期なのだろうと考えました。

    さて、だからと言って即、何かを結論づけることができるほどには思考も知識もない KiKi のこと。  とりあえず「とっかかり」となる何かを探していたのですが、そんな時ふと図書館で目に留まったのがこの本でした。  政治の中で KiKi が一番注意を払ってこなかったのがこの「防衛庁(省)」という組織だったし、石破さんがその長官だった時代のあれこれは記憶にも新しい・・・・・ということで、とりあえずはこの本を読んでみることにしました。



    思想的に同意できるか否かは別としてこの石破さんという人、少なくともTVなどでご意見を拝聴する限りでは、実に論理的に巧みな話し方をされる人だという印象がありました。  どこまで真実を語っているのか、どこまで多面的に物事を見ておられるのかまでは察することが難しいのですが、それでも比較的ある種の「良識」のようなものを感じさせる話し方をされる人だとも感じていました。  いたずらに危機感を煽るというような煽動的な部分も感じさせませんし、一部の強硬派の人たちに感じるような胡散臭さも比較的薄い・・・・そんな印象がありました。

    だからと言って、石破氏の言っていることを素直に鵜呑みにするほどの信頼感があるわけでもない(だからこの本で書かれていることも100%信用していいとまでは実は思っていない・・・・。 苦笑)のですが、何故日本があのイラク戦争当時ああいう選択をしたのか、他国(特にフランス)がどうしてああいう選択をできたのかに関してはなかなか説得力のある解説を読むことができたなと感じました。  あの戦争自体を KiKi 自身がどう考えるかはとりあえず置いておくとして・・・・・。

    KiKi の好きな海外ドラマに「ザ・ホワイトハウス」という番組があります。  大統領とその側近たちを描いたドラマでそこかしこに「アメリカ的」な臭いを感じる番組なのですが、その中でバートレット大統領が語るセリフの中に1つとても印象深いものがあります。  詳細までは記憶していないのですが、とある判断を迫られた大統領が語るセリフで

    「こうした場合、正直なところを言うと私は国民の意見なんてどうだっていい。  こういった問題には軍事・外交といったあらゆる事柄が複雑に絡み合っている。  国民がそれらのすべてを熟考したうえで意見を述べているとは思えないからだ。」

    というような趣旨のものがあります。  もちろんこれは聴き方によってはとても危険な考え方だし、特にアメリカの大統領のような絶大な権力(力)を握っている人の発言だと考えると恐ろしさも感じるのですが、じゃあ振り返って自分がそれに反論できるほど物事を深く多面的に考えているのか?を省みると、実はさほど真剣に多くを考察したうえで物を言っているわけではない(≒ そう言われても仕方ない)ことに気がつき、愕然とするのです。

    少なくとも憲法改正とか国防に関しては、現段階の KiKi は自分の意見を述べられるほどには現状を理解していないし、多面的に物事を考える素地さえできていないことを、この本を読んで改めて再認識しました。  と同時に、この問題こそ、「モノ言う国民」としてもっともっと真剣にそして可能な限り多面的に考え、自分なりの意見をしっかりと持つべき問題であることを強く感じました。

  •  軍事について考えることは危険思想で、国防に関心を持つ政治家は危険な人物か。楽観して楽観して、国民をギャンブルにかけ、何かあったら責任をとらない政治家でいいのか。日本の政治家は日本の安全に責任を負う。安全保障に携わる以上、軍事がどう動くかを念頭におきながら外交政策を組み立て、心配して心配して、結果として何事もなかった、それでいいのだ。

    『きっと戦前のような状況になったら、真っ先に腰抜け呼ばわりされると思います。でも合理的な判断をすればそういうことになるのです。現実的な防衛を知れば知るほど、骨太な平和主義が必要になります。知らない人は何だって言えます。』151頁

  •  やはりこの人の本は読みやすい。
     2004年当時、日本の防衛がこの程度のものだったというのは恐ろしい話です。

  • 石破氏による国防論。2005年刊行です。

    著者が小泉政権時に担当していた防衛庁長官を退任した後に、本書が出版されています。

    「はじめに」にあるように、本書は、日本が直面している危機、その危機から国と国民を守るためにすべきこと、を分かりやすく説明したものです。

    平易な言葉で説明されているため、途中でつまづくこともなく読み進めることができました。また、話題毎に章が分けられており、とても分かりやすい構成となっています。

  • 石破茂氏が、防衛庁長官時代のことを回顧録的にまとめた国防論。

    2期続けた防衛庁長官時のイラクへの自衛隊派遣などの問題を2004年時の国防論を含めてまとめた本。いまとなっては、若干古い話も多いが、石破氏の国防論の基本がわかると思う。

    この後、防衛省の大臣を務めて、総裁候補にもなるが、軍事に関しては日本国を少しずつでも進めてほしいと思う。

  • 5-4-3 現代政治(実践)

  • 国防について考えてみるにはよい本だと思います。しかしこの手の話に限らず右に寄ったら戦争だとか左に寄ったら売国だとかそういう揚げ足の取り合いで核心を避けてお茶を濁し続けて衆愚政治一直線。右でも左でもいいけど無関心が一番怖いですね。

  • 第65代防衛庁長官

  • 石破茂の安全保障の考えや、防衛庁(当時)、自衛隊のこと等色々なことが平易な言葉で書かれていて読みやすかった。
    最終的には皆それぞれの価値観で判断すればいいんだけど、熟考した方がより良いよね
    そしてやはり民主主義は非常に大切なものだと思う。

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