「弱くても勝てます」―開成高校野球部のセオリー

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 245
  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104738045

感想・レビュー・書評

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  • ここに書かれている球児たちの気持ちはすごく共感できる。
    進学校で野球をしていた人間は近い感覚があるのでは。

    そうなんよね、弱者が強者が行うようなセオリーをしてもしゃあないんですよ。
    いかに相手を想定して自分ができることを明確にしそれを実行するか。

    また野球の指導がしたいものだ。

  • 大変面白い!
    『マネーボール』➡『スローカーブをもう一球』➡『弱くても勝てます』➡『もしドラ』の流れだな
    o(^_-)O

  • この本をスポーツノンフィクションと読む人、あるいはスーパーエリート校の青春群像記と読む人もいるだろう。僕は「草野球必勝法」と読んだ。舞台は開成高校野球部。謂わずと知れた東大合格者数31年連続日本一を誇る超進学校。こちらの野球部、弱い。にもかかわらず勝っている。昨夏の全国高校野球選手権大会東東京予選ベスト32。この「矛」と「盾」を著者は丹念に追いかける。弱いことを自覚した上で戦略を練るのは東大野球部出身の青木監督。コンセプトは「ドサクサに紛れて勝つ」。1番打者から強打者を並べ、ひたすら打ちまくって一気に大量得点を奪い、コールド勝ちを狙う。エラー率7割を減らすことには目もくれず、ただただ打撃練習に励む。そう開成高校では「練習」を「実験と研究」と称する。監督は選手には基礎ができていないので、簡単なことを習熟するのにも時間を要する。毎日の練習は実験と研究の場と化し、どうすれば「ドサクサ勝ち」できるかを考え、試行錯誤を繰り返す。そこから生まれた仮説は「無闇やたらに振る」。そうすることで大雑把に大胆になれ、それまでかすりもしなかった生徒が打てるようになると言う。大胆極まる仮説と検証。以下はドサクサ勝ちに導く5大方針。
    ①守備練習はしない。
    ②打撃は球に合わせない。
    ③塁に出たら即盗塁。
    ④サインは出さない。
    ⑤投球に緩急をつけない。
    読みながら、ノムさんの一説が頭に浮かんだ。「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」である。弱くても勝てる唯一の方法があるとすれば、それは失点を抑える守りの野球ではなく、得点しまくる野球しかない。なぜなら高校野球予選にはコールド勝ちがあるからである。ゆえに打撃という一芸を磨き上げる。本番では萎縮せず強振することのみに精神を集中させ余計なことは一切考えさせない。弱点を認識はするが、その克服を目指さない。ひたすら強みを磨き上げ、「一点突破」を狙う。決してこの戦略は汎用できではないが、コールド勝ちというルールを念頭に、開成高校流「弱者の兵法」を野球を通じて「実験と研究」を行っている。

  • とても面白かった。
    部員たちの、意外に冷静な自己分析と、監督も冷静なんだが、その熱い叱咤激励がどこと無くコミカル。ボク自身に通じるところもある気がした。
    場面場面の描き方がとても生き生きして良いのだが、通して読んだ後で、それで?と思ってしまうのはなぜ。

  • いや〜実に面白い
    なんだこのジャンルは
    この著者の他の本も読みたくなった

  • 実はこれ、昨年末に読んだ本。
    名だたる進学校開成高校野球部の話なのだが、これが実に面白い。
    (作者の文章の面白さでもある)

    彼らは甲子園をめざす東東京大会でベスト16(5回戦まで勝ち進んだということらしい)になったこともあるというのだ。
    練習は週1回、雨でも降ればグラウンドでの練習は中止、テスト前になれば当然練習はないから、いったいどれだけ練習できるの?といった環境のうえ、勉強ではエリートの彼らもこと野球に関してはエリートとは言いがたいようなのだ。
    そんな彼らをいかにしてベスト16に導いたのか、そのユニークな指導法に思わず「な~るほど!」と納得。
    監督は甲子園常連校が普通じゃなくてうちが普通なんですと言われているが、その通りだと思う。

    おりしもスポーツの世界での体罰が問題になっている昨今、開成高校野球部はその真逆をいっている。
    彼らに「黙って俺について来い!」といっても誰もついていかず、黙ってやめちゃいそうだ。
    得意とはいえない(あるいは下手な)野球に彼らなりに取り組んでいるその姿はなんだか飄々としていて、それもまた良しなのだ。
    選手達へのインタビューを読むと、彼らが活躍するのはやはり『知』の分野だろうと思うけれど、グラウンドでの勝負は彼らが成長するうえですごくいい経験になると思うなぁ。

    頑張れ、高校生!

  • 本を読んで吹き出したのは久しぶり。僕は生徒側の視点で読んで、あるあるがたくさん。かえって筆者の当惑ぶりが面白かったなあ。

  • 開成高校の野球は緻密で戦略的でクールだと想像している人、大ハズレです。この本を読むと普通の高校生とはかなり異なる開成ナインの生態と野球への想い、そして日々奮闘する監督の考えと滑稽な罵声を知ることができます。とても面白かったです。なんだかドカベンの個性豊かな登場人物たちにシンクロする部分もありますが、リアルに存在するチームのことを綴っているので、まさに信じられない驚きの連発です。西日暮里に行ってみようかなぁ、でも週に一回しかグランド練習で使わせてもらえないという話ですから、それにしてはよく勝てていると思います。

  • お、おもしろい!
    大真面目でドサクサ野球に取り組む、あの「開成高校」野球部のドキュメンタリー。
    要は己を知り、その己を生かす野球を目指しているんですが、頭の良さが空回りする様子に、スポーツは心と体の連携がミソなんだ、と悟った気がします。
    監督のゲキが傑作です。ダブルプレーは分不相応だから狙うな。来た球だけを取れ。投げられたら振れ。バットにボールが当たるかより、よく振れたかどうか問題だ!・・・みたいな。
    川原泉のまんがが好きな人なら、まんまんなかストライクだと思います。

  • とにかく、筆者の素材の目の付けどころに感服する。タイトルも。
    言わずと知れた開成高校野球部がどのような練習をしているのか、どのような理論を持って試合に臨んでいるのかを描いたルポルタージュ。
    書店で見かけて、なんやろうと思って手にとって、おもしろそう!と思って大学図書館で借りてみた。
    内容と言えば、本当に、ただただ野球部の日常が描かれているだけである。単調と言えば単調。
    でも、そのなかでも普通の人の目から見たら、そんな見方するんや!?と思うような行動があったり、妙にクールな部員の姿があったり。
    別に笑いを取ろうとしているわけではないと思うんですけどね、滑稽やなあと思える本です。

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著者プロフィール

ノンフィクション作家。1961年、横浜市生まれ。東京外国語大学モンゴル語学科卒。テレビ番組制作会社勤務を経て、作家に。開成高校野球部の奮闘を描いた近著『弱くても勝てます』がベストセラーに。
『ご先祖様はどちら様』で小林秀雄賞受賞。

「2015年 『損したくないニッポン人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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