張り込み姫 君たちに明日はない 3

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104750030

感想・レビュー・書評

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  • 「君たちに明日はない」第三弾

    ターゲットは英会話学校、旅行会社、自動車業界
    出版社でした。

    リストラ請負人の真介が今回は何げに良い言葉を言っていて4編それぞれの主人公も興味深い。

    中でも「みんなの力」が良かった!

    「後悔のない人生なんてありません。でもその時々の信念や気持ちを信じて行動していけば、後悔はあっても、後を振り返ったとき、納得はできる。」

    このシリーズ面白い!

  • 企業のリストラを代行する会社に勤めるクビ切り面接官 村上真介シリーズ3作目。
    垣根さん体調不良で休筆されてたんですね。復帰なにより。

    今回はクビを切られるのは英会話講師、旅行代理店社員、自動車ディーラーのメカニック、写真週刊誌社員。

    桐野夏生さんの作品を読んで気分がどーんと落ち込んだ後なので、クビ切りながらも希望があるこちらの作品で気力補充。

    メカのことはサッパリわからないけど「みんなの力」は良かった~。分かってる人は分かってる。


    そろそろ「ロクデナシ2号」の山下や、真介の美人アシスタント美代ちゃんにも焦点を当ててほしいなぁ。

  • 「君たちに明日はない」シリーズの第3弾。リストラ請負人&再生を目指す真介が親身になって対応し、仕事や人生のあり方を教えたり、学んだり。中でもFile3の「みんなの力」にはホロリと涙も出てきます

  • 「みんなの力」がよかった。好きな車のためにはメンテナンスにお金をかけることを厭わない人々。それに応える丁寧な仕事をしてきた山下。彼が退職を決意したとたん、固定ファンが店舗物件を探してくる。
    心に残る一言がさりげなく入っているのがよい。

  • 第一話、「ビューティフル・ドリーマー」に登場する英会話講師の武田優子
    真介の言葉に今の若者を表す言葉が…

    >結局さ、今の若い奴らはロマンチストじゃないのよ。ネット、テレビ、チャット、DM。溢れすぎる情報で、みんな世の中のことの大半を知っている気になっている。たいした体験もしないままに、自分のほどが分かったつもりになっている。だから自分に期待もしないで、植物的になっていく。

    まさに、その通りですね。
    実際に、やってみなければわからないのにそれを実行できない。
    まあ、これって若い人だけじゃないんですけれどもね。
    年配の方々も、俺がもう少し若ければ・・・と言いつつ、何もしない。過去の経験則でものを言う。それでも、一応は経験してるんで、今の若い奴らが年配になった時よりはいいかもしれないけど・・・(百聞は一見にしかずですかね)

  • 相変わらずさらっと読めて面白い。
    そんな中で心にひっかかった部分。

    日常に連なった事実の中にある、真実。たぶんそれは石ころのようにさりげなく道端に転がっている
    だから気付かない。人から教わっても見聞きしても、結局一番大事なことは時間をかけて自分で感じ、発見するしかない。
    自分の中の真実も時とともに常に変化していく。

    その都度の気持ちを信じて行動するしかない。決断するしかない。

    たぶん後悔のない人生なんて、ありません。でも、その時々の信念や気持ちを信じて行動していけば後悔はあっても、それでも後を振り返ったとき、納得はできる。

  • 君たちに明日はないシリーズを読み進めている。
    仕事や人生に真摯に向き合う登場人物達に好感がもてる。
    リストラ請負人の主人公。辛い仕事とは思うが、彼も仕事に真摯に向き合っている。
    組織から離れてしまうと、一気に生活が変わってしまう状況のなか、しっかり人生、仕事を送ってる登場人物には、また新しいステージが待っている。
    人生の前向きさを教えてくれるシリーズだと思っている。

  • プロとしての仕事。人の役に立つ仕事。なかなか面白かった。

  •  リストラ請負会社に勤める村上真介のクビ切り稼業を描く連作短編集。シリーズ3作目で、File1.~4.の4話からなる。

          * * * * *

     1作目で山本周五郎賞に輝き、2作目で映像化。プレッシャーのかかる3作目だが、とてもよかった。

     「山下」という新たなキャストを用意したことが広がりを生んだ。真介とはまた違った魅力を持つキャラだと思う。
     だから自分としては、表題作より「みんなの力」の方が強く印象に残った。

     それから「やどかりの人生」のスマートな出来栄えもすごく好みに合いました。

  • ふらふらと何かを探しつづけるもの
    自分の中で何かしらの柱を持っているもの
    好きを仕事として続けたいと思うもの
    望まないことの中からやりがいを見つけるもの

    仕事に対しての考え方を、仕事を辞めるというとこから発見するお話たち。

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著者プロフィール

1966年長崎県生まれ。筑波大学卒業。2000年『午前三時のルースター』でサントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『ワイルド・ソウル』で、大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞の史上初となる3冠受賞。その後も05年『君たちに明日はない』で山本周五郎賞、16年『室町無頼』で「本屋が選ぶ時代小説大賞」を受賞。その他の著書に『ヒート アイランド』『ギャングスター・レッスン』『サウダージ』『クレイジーヘヴン』『ゆりかごで眠れ』『真夏の島に咲く花は』『光秀の定理』などがある。

「2020年 『信長の原理 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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