国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 693
レビュー : 100
  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104752010

作品紹介・あらすじ

「背任」と「偽計業務妨害」容疑で、東京拘置所での勾留生活512日。第一審判決懲役2年6カ月、執行猶予4年。有能な外交官にして傑出した情報マン-。国を愛し、国のために尽くしたにもかかわらず、すべてを奪われた男が、沈黙を破り、「鈴木宗男事件」の真実を明らかにする。

感想・レビュー・書評

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  • 日露平和条約締結に邁進した著者。外交というのは相手国の文化・歴史・思想をよく知ることでここまで重要だと知らなかった。様々な交渉・対談を行う中でのそれぞれの思惑や駆け引きや根回しは、本当にやっていた人だからの迫力を感じました。この事件発生当時、自分は低俗なマスコミが報じるワイドショー報道だけで鈴木宗男を悪者に思っていたことが恥ずかしい。 しかし初めて聞いたけど『情報家』って、すごい人なんだな~

  • なかなか読ませる本。一読を勧める。

    (言及文献)
    日本聖書協会 共同訳聖書 旧約続編・引照付き聖書 (プロの牧師が使う。銀座の教文館で売っている。)
    外務省国内広報課 われらの北方領土
    和田春樹 北方領土問題 朝日新聞社
    ボルフガング・ロッツ スパイのためのハンドブック ハヤカワ文庫
    内藤国夫 悶死 中川一郎怪死事件 草思社
    宗男の言い分 飛鳥新社
    ヘーゲル 精神現象学
    太平記 長谷川端訳 新編日本古典文学全集54~57巻

  • 「国策捜査」という言葉については大まかなイメージはあったけど、この本を読むことでそれが明確になった気がします。
    取り調べ中に著者が検察官と論じ合う国策捜査論が展開される部分は非常に刺激的です。
    国策捜査とは「国家の意思」に基づき検察が「作り上げる」犯罪捜査。
    では「国家の意思」とは何か?
    実体のない擬制的な存在であるはずの国家が意思を持つとは如何なることか?
    結局それはポピュリズムに重なっていくのではないか…

    最近の例を挙げれば、防衛省の守屋前事務次官の事件。
    この本を読むと守屋事件も国策捜査だったんだろうなと思わざるを得なくなります。
    タイミングだって小池百合子との一悶着があって有名になった直後だったしね。
    マスコミから流れる容疑事実や捜査状況に関する情報だって、検察側からのリークだと考えなきゃ説明がつかない。
    ワイドショーで語られる人物像を鵜呑みにしてるだけじゃ真実は見えてこないということ。
    あ、だからといって守屋に非がないと言ってるわけじゃないですよ。
    国策捜査のターゲットになることは、その人が法律的に無罪であることに必ずしも直リンクしないのです。
    冤罪と国策捜査の違いについてはこの本でも詳しく説明されています。
    スピード違反の例で説明されると非常にわかりやすい。

    著者のようなパーソナリティを有した人物がターゲットにならなければ、国策捜査がこのような形で広く公になることはなかっただろう。
    そう考えると何か皮肉めいたものを感じてしまいます。
    そしてもう一つ。
    この本が多くの人に読まれたことが、鈴木宗男という一人の政治家の名誉回復に一定の寄与をもたらしたことは間違いないように思います。
    今でも政権中枢からはかけ離れたところにいる彼ではありますすが。

    それとこの本は”獄中記”としてもなかなか興味深い。
    獄中の生活を記述したものでは、この本でも一部登場する山本譲司元衆議院議員の「獄窓記」を読んだことがあります。
    我々は簡単に「刑務所にぶちこんでしまえ」などと言ってしまいがちですが、”塀の中”がどんな様子なのかはドラマなどで創られたイメージしか持っていない。
    著者の場合実刑判決は受けていないので、記述されているのは刑務所ではなく拘置所での様子のみですが、こういった生の体験を読む機会はなかなかないので貴重だと思います。

  • "佐藤優さんの著書。ときどき読むようにしている。外務省職員であった彼が逮捕され、保釈となるまでの1年半の出来事の手記。一読の価値あり、とくに
    第5章「時代のけじめ」としての「国策捜査」
    は、現在進行形の報道と照らして考えながら読んだ。
    政権与党(民主党)の幹事長である小沢一郎氏の起訴という報道がある。今の時代は何にけじめをつけようとしているのだろう。"

  • 図書館の除籍本

  • 鈴木宗男事件繋がりで、初めて佐藤優さんのことを知りましたが、当初はマスメディアの”外務省のラスプーチン”という悪名のみを知るのみで、あまり関心ありませんでした。
    しかし、何気に書店でとったこの書籍を読んで、佐藤さんや鈴木宗男さんに対する印象が大きく変わりました。
    佐藤さんは、いい意味での”ラスプーチン”でした(笑)

    拘置所という自由の利かない閉所空間での生活を差し引いても、非常に綿密な描写で読めば読むほど引き込まれました。

    「国策捜査」 恐るべき検察および国家権力。
    そして、現地現物を地でいく一級品のオフィサー。

    感動の一冊でした。

  • 佐藤優の初刊行本。・・・のはず。佐藤優の記憶力の凄さに驚いた。

  • 2005年刊行。鈴木宗男の元で対露外交に奔走した著者の自叙伝。本書で叙述される内容から推察される著者の記憶力には驚嘆。特に、特捜検察による取り調べ、勾留とその再現に彼の力量が如実に現れている。また、鈴木宗男対田中真紀子のバトルの内幕も開陳されている。国策捜査という言い方は、個人的には共感を感じないが(犯罪事実がなければ、国策も何もない)、取調べの内幕など、余り窺い知ることの出来ない事情が暴露されている。参考になる一書(ただし、本書が全容を開陳していない可能性も残るが)。

  • 2016年12月31日読了

  • 外交官時代の佐藤優さんの仕事ぶりが伝わってきたし、国策捜査とか検察に対することや拘置所のことなど初めて知ることも多く勉強になった。

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著者プロフィール

1961年東京生まれ。埼玉で高校まで過ごす。同志社大学神学部および神学研究科修士課程修了。外務省にて活躍。鈴木宗男事件に連座して最高裁まで争う。現在は作家。

「2019年 『Ai時代の大学論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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