君たちが知っておくべきこと: 未来のエリートとの対話

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 393
レビュー : 56
  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104752102

感想・レビュー・書評

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  • 【数十年後の未来に】作家の佐藤優が灘高生の訪問を受けて交わしたやり取りを収めた作品。エリートとは,その使命感とは,そしてエリートがなさなければならないことは何なのかを語り尽くしています。


    語り手としての佐藤優氏の知をめぐる議論が興味深いことは論を待たないのですが,佐藤氏に質問を入れ,時に挑戦する灘高生たちが,(意図せずしてか)対話を一層有意義なものに引き立てている様子が伺えます。月並みな言い方になりますが,佐藤氏のような知的なメンターがいたらどれだけ良いだろうか(ただちょっとメンターとしては重いか?)と考えてしまいました。

    〜人にはそれぞれ育ってきた文化による拘束性がある。それがあるから,他人の気持ちを理解することは口で言うほど簡単なことではないのです。〜

    大人が読んでも十二分に面白いです☆5つ

  • 【洗脳】
    恐ろしく頭がいい天才もいますが、エリートになる秀才には教育(洗脳)が必要と思います。

    世の中を良い方向に導く必要がある政治(政治家という意味ではない)などは、天才ではできません。
    エリートが行うものです。

  • 超難関高校生たちに伝授する世界基準の勉強法、知識の使い途、そして人生哲学。誰も教えなかった〈エリート帝王学〉講義を完全収録!
    雑誌などで短い寄稿は度々読んでましたが、佐藤さんのまとまった1冊の著作を読んだのは初めてじゃないかなぁ。高校生に語ってるので言葉遣いは平易で読みやすいけど、中身は全然平易じゃなかった(笑)この話についていける灘校生ってやっぱりすごいわ。ウクライナ情勢、アベノミクスの話が個人的にはすごく面白かった。あと反知性主義の話。最近まともに本も読んでなくて情けなくなってきたけど、分野に縛られず知ること、学ぶことの意味を感じた。もっと歴史を勉強したいなあ。

  • どうしたらそれだけの大きな知識の土台を作れるのか。スポーツや理系の勉強をしたうえで、多数の本を読んでいるのか。

    振り返ってみると、漫画を漫然と繰り返し読んでいたりしたので、その辺を少しでも読書に振り向けておけばなあと反省。いまからでも、できることはやろう。

    土台があれば、それと拾える情報を合わせて、正しい確率の高い判断ができるようになる。

    「中学、高校の生徒がなんでそんな質問にポンポン答えられるのか」と笑ってしまった。なにごとも中央値から外れている人々は面白い。

  • 灘高生はそれなりに著作を読み予習はしているが、歴史はどうにかなっても、政治経済や宗教の話をしても太刀打ちできるハズもなく玉砕している印象。最初は灘高生が持ちネタ披露して会話形式で始まるが、次第に佐藤優がひたすら自論を展開して黙って聞いているだけになる。で、一息ついたところで「僕たちこれからどうすればいいんしょう?」と高校生らしい将来不安への問いをしたところで、佐藤優がこれまで見てきたエリート達の成功・失敗を語り始めるというパターン。佐藤優は受験勉強肯定派だし、学歴至上主義的な所があるので親和性の高いやりとりとなる。学校の先生にはデキナイ話なのでこの辺が他著にはない肝となる部分かな。
    印象的なのは「技術(テクネー)職は奴隷」という所。。専門バカはダタの奴隷、弁護士も医者も奴隷であると。他方、自由人(リベラル)が身につけるものが教養(リベラルアーツ)。じゃあ教養でメシが食えるのか?という話で、アカデミズムの道に行くしかないんだが、そこが自由な世界かというと疑問なわけで。著者のようにモノ書きでメシが食えれば言う事なしなんだが。ま、食う為に専門性を持ちつつも、自由人であるために教養も身につけておけという事なんでしょうけど

  • 灘高生の希望で実現した佐藤優と灘高生の対談集。
    著者は一貫して反知性主義に陥りつつある日本の現状に警鐘を鳴らしている。反知性主義=知的権威やエリート主義に対して懐疑的な立場をとる主義・思想。他の言葉でいえば「細かいことはいいから、俺の言うとおりにやれ!」と声のデカい人が物事を決めていく傾向。
    反知性主義に陥らないために、反知性主義的な言説がなぜ出てくるかを上から目線で俯瞰することをアドバイスする。そのために身に着ける教養として1.学校の勉強を絶対に馬鹿にしないこと(学んだことを大学入学以降にコロッと忘れないこと) 2.系統的に本を読むこと 3.外国語力をつけていくこと。
    大学入試の勉強以外のことも学べる灘高生の容量の大きさが羨ましい。
    印象深い言葉の備忘録。ヒューミント(人的ネットワークから入手した情報による分析手法)において信頼関係を作る際のエッセンス。「約束を守り、出来ない約束をしないこと」。言われてみれば至極もっともだが、なかなか難しい。

  • 佐藤氏の本はよく読んでいるが、この本は若者向けというタイトルに反して、難しい。国際情勢の基本的な構造が分かっていないと話が追えず、また、氏の著作を読み込んでいることが前提なので、宗教・哲学系の話はなかなかついていけなかった。これが本当に中高生との対話だとしたら、本当に凄い。とはいえ、教養本として、特に大学生で将来を考えているくらいの人が読むには丁度良いと思う。著者の自慢話を除けば、役立つアドバイスも多いと思う。

  • この話についていける灘校生のレベルの高さ…。
    すぐに「自分にはこれは意味がない」と決めつける人も多い中、エリートだからこそ、分野を絞りすぎず、幅広く余地を残しておくことは共感できる。

  • <学生コメント>
    「すざましい」経歴を持つ著者と灘高の学生たちとの対話(表記上は講義)で編成されている。
    真のエリートとはいったい何なのか。
    著者の経験をもとに語られる「エリート帝王学」から目が離せなくなる。

  • 面白い。文字サイズが大きいので一気読みしてしまった。
    本書は日本のエリートである灘高生と佐藤氏とのゼミナール形式の対談本である。

    佐藤氏の広い見識はこれまでの書においても示されていたが、対談本という事でより読みやすくなっていた。
    さらに、国家を担うエリート高校生に対して非常に思いやりのある暖かいやり取りを感じた。
    本書の冒頭で灘中に入るメリットとして以下のようなことを挙げていた。
    クラスメイトにこいつには絶対にかなわないと言う凄い奴がいる。そういう人との出会いが若いうちにあると、努力すれば何とかなるという幻想から抜け出すことができる。

    エリート、天才とは世間一般では持て囃されているが、実態は茨の道である。単純に能力があるというだけで、その中身はまだ純粋無垢な若者だ。最近読んだ東大首席のタレント?のように暗記力と根性だけがあるエリートはその人生を誤りやすい。そのためには教養が必要だ。

    本書の中でトップエリートがアプリを作って1億儲けて会社を立ち上げてしまう事を嘆いていた。たったそれっぽっちの額ならばパチンコ屋でも町工場でも稼げるだろうに、と。近年の大学発スタートアップへの視点として新しく感じた。確かに、日本のトップエリートが数億程度の金額に目が眩んで学業を辞めてしまうのは国家的損失だろう。しかしアメリカ留学も含めて、それを可能とするのは相当な資産家に生まれないとそういった思考に至らないのではないだろうか。

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著者プロフィール

作家・元外務省主任分析官。1960年東京都生まれ。85年同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。在ロシア連邦日本国大使館勤務等を経て、本省国際情報局分析第一課主任分析官として、対露外交の最前線で活躍。2002年背任と偽計業務妨害罪容疑で東京地検特捜部に逮捕され、512日間勾留される。09年、最高裁で上告棄却、有罪が確定し外務省を失職。05年発表の『国家の罠』で第59回毎日出版文化賞特別賞を受賞。翌06年には『自壊する帝国』で第5回新潮ドキュメント賞、第38回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。

「2020年 『イスラエルとユダヤ人 考察ノート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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