君たちが知っておくべきこと: 未来のエリートとの対話

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104752102

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  • 【数十年後の未来に】作家の佐藤優が灘高生の訪問を受けて交わしたやり取りを収めた作品。エリートとは,その使命感とは,そしてエリートがなさなければならないことは何なのかを語り尽くしています。


    語り手としての佐藤優氏の知をめぐる議論が興味深いことは論を待たないのですが,佐藤氏に質問を入れ,時に挑戦する灘高生たちが,(意図せずしてか)対話を一層有意義なものに引き立てている様子が伺えます。月並みな言い方になりますが,佐藤氏のような知的なメンターがいたらどれだけ良いだろうか(ただちょっとメンターとしては重いか?)と考えてしまいました。

    〜人にはそれぞれ育ってきた文化による拘束性がある。それがあるから,他人の気持ちを理解することは口で言うほど簡単なことではないのです。〜

    大人が読んでも十二分に面白いです☆5つ

  • 【洗脳】
    恐ろしく頭がいい天才もいますが、エリートになる秀才には教育(洗脳)が必要と思います。

    世の中を良い方向に導く必要がある政治(政治家という意味ではない)などは、天才ではできません。
    エリートが行うものです。

  • 超難関高校生たちに伝授する世界基準の勉強法、知識の使い途、そして人生哲学。誰も教えなかった〈エリート帝王学〉講義を完全収録!
    雑誌などで短い寄稿は度々読んでましたが、佐藤さんのまとまった1冊の著作を読んだのは初めてじゃないかなぁ。高校生に語ってるので言葉遣いは平易で読みやすいけど、中身は全然平易じゃなかった(笑)この話についていける灘校生ってやっぱりすごいわ。ウクライナ情勢、アベノミクスの話が個人的にはすごく面白かった。あと反知性主義の話。最近まともに本も読んでなくて情けなくなってきたけど、分野に縛られず知ること、学ぶことの意味を感じた。もっと歴史を勉強したいなあ。

  • どうしたらそれだけの大きな知識の土台を作れるのか。スポーツや理系の勉強をしたうえで、多数の本を読んでいるのか。

    振り返ってみると、漫画を漫然と繰り返し読んでいたりしたので、その辺を少しでも読書に振り向けておけばなあと反省。いまからでも、できることはやろう。

    土台があれば、それと拾える情報を合わせて、正しい確率の高い判断ができるようになる。

    「中学、高校の生徒がなんでそんな質問にポンポン答えられるのか」と笑ってしまった。なにごとも中央値から外れている人々は面白い。

  • 灘高生はそれなりに著作を読み予習はしているが、歴史はどうにかなっても、政治経済や宗教の話をしても太刀打ちできるハズもなく玉砕している印象。最初は灘高生が持ちネタ披露して会話形式で始まるが、次第に佐藤優がひたすら自論を展開して黙って聞いているだけになる。で、一息ついたところで「僕たちこれからどうすればいいんしょう?」と高校生らしい将来不安への問いをしたところで、佐藤優がこれまで見てきたエリート達の成功・失敗を語り始めるというパターン。佐藤優は受験勉強肯定派だし、学歴至上主義的な所があるので親和性の高いやりとりとなる。学校の先生にはデキナイ話なのでこの辺が他著にはない肝となる部分かな。
    印象的なのは「技術(テクネー)職は奴隷」という所。。専門バカはダタの奴隷、弁護士も医者も奴隷であると。他方、自由人(リベラル)が身につけるものが教養(リベラルアーツ)。じゃあ教養でメシが食えるのか?という話で、アカデミズムの道に行くしかないんだが、そこが自由な世界かというと疑問なわけで。著者のようにモノ書きでメシが食えれば言う事なしなんだが。ま、食う為に専門性を持ちつつも、自由人であるために教養も身につけておけという事なんでしょうけど

  • 灘高生の希望で実現した佐藤優と灘高生の対談集。
    著者は一貫して反知性主義に陥りつつある日本の現状に警鐘を鳴らしている。反知性主義=知的権威やエリート主義に対して懐疑的な立場をとる主義・思想。他の言葉でいえば「細かいことはいいから、俺の言うとおりにやれ!」と声のデカい人が物事を決めていく傾向。
    反知性主義に陥らないために、反知性主義的な言説がなぜ出てくるかを上から目線で俯瞰することをアドバイスする。そのために身に着ける教養として1.学校の勉強を絶対に馬鹿にしないこと(学んだことを大学入学以降にコロッと忘れないこと) 2.系統的に本を読むこと 3.外国語力をつけていくこと。
    大学入試の勉強以外のことも学べる灘高生の容量の大きさが羨ましい。
    印象深い言葉の備忘録。ヒューミント(人的ネットワークから入手した情報による分析手法)において信頼関係を作る際のエッセンス。「約束を守り、出来ない約束をしないこと」。言われてみれば至極もっともだが、なかなか難しい。

  • アナロジーから未来を予測することの重要性は、筆者がかねてから述べていることである。筆者は「民主主義的な制度下における政治的な混乱というのは、必ずフランス革命のパターンを取る」と考えている。ジロンド派が特権階級の財産を市民に配ったように、最初は「不要」だと思えるところからお金をとってくる。だが、その限界が見えたとき、政策は帝国主義的なもの、つまり国外からの収奪が行われる。筆者は民主党の政権奪取をフランス革命と重ねて説明している。

  • 灘高の生徒との対談形式。


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著者プロフィール

1960年1月18日、東京都生まれ。1985年同志社大学大学院神学研究科修了 (神学修士)。1985年に外務省入省。英国、ロシアなどに勤務。2002年5月に鈴木宗男事件に連座し、2009年6月に執行猶予付き有罪確定。2013年6月に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―』(新潮社)、『自壊する帝国』(新潮社)、『交渉術』(文藝春秋)などの作品がある。

「2023年 『三人の女 二〇世紀の春 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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