- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784105014063
感想・レビュー・書評
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☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA73719366 -
カポーティは初読。
ははあ、これがニュージャナリズムの原点なのか。
物事を緻密に冷酷に描写すればするほど浮き上がってくる、哀しさ。
「どこが小説やねん」というクレームをものともしない、海外の長篇小説堂々の第21位。 -
トルーマン・カポーティ作品初読み。
起こった事件もさながら、死刑制度の是非や精神鑑定の真偽など深刻な問題を提起した作品。
この手の非道な犯罪を犯す犯人にありかちだけど子供・青年時代の不遇さが強調されているが、不遇な人生をおくっても犯罪者とはならず、まっとうな人生をおくる人と何が違うのだろうかと考えずにはいられない。 -
ちょっと言葉にならないくらいの凄い本。
田舎町で起こった一家4人殺人事件の、まさにすべてを書き尽くしている。被害者の暮らしぶりに始まり、事件当夜の詳細から、加害者の心象風景とその末路としての絞首刑の現場まで。しかも、ノンフィクションとは言いながらも、その語り口は、あくまでも物語であり、文学作品である。描写は微に入り細に渡る。その厚さゆえに、これはかなりの時間をかけなければ読めない本だな、と感じたものだが、読み始めたらぐいぐい惹きつけられてやめられなくなってしまった。
決して単なる事件小説なんかではない。ひとつの凄惨な事件を通して、人が生きていることの愚かさや切なさや素晴らしさをも感じさせてくれる名作だと感じた。 -
闇に独り放り込まれて、出口がみつからない。
映画『カポーティ』観たい。 -
こいつらは仮に今日本で生きてりゃニコ生とかでそれなりに承認される道もあったのではとか考えてしまう。読後、歪んだ妄想にも多少の受け皿を平和的に用意出来る現代社会の有り難みに少しばかり感謝した。芸術家肌と犯罪者的傾向のリンク性。不景気と劣等感と薄弱な意思が引き起こした度外れの残虐、その顛末。
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約半世紀前に執筆されたニュージャーナリズムの源流とされる作品で、徹底した取材によって膨大なデータを蓄積しそれを再構成する手法をとっている。そのために必要以上の煽情的な描写は抑制されているように思えた。法廷の場面はそれほど詳しくなく、被害者一家のひととなりや犯罪者の育ってきた環境のほうに重点が置かれていると感じた。
トルーマン・カポーティの作品





