雪のひとひら

  • 新潮社
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (109ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105018030

感想・レビュー・書評

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  • 森博嗣のスカイ・イクリプスで引用文をみかけたので。雪のひとひらを主人公とした綺麗なファンタジー。なのにリアルで一人の女性の生々しい一生の物語とも読める。神様の存在が絶対という宗教的な臭いも感じた。

  • ある寒い冬の朝、空の高みで生まれた雪のひとひら。雪だるまにされたり、水車の中をめぐったり、風に乗ってあちこちを旅しやがて愛する人と出会い、家族をもうける。1人の女性の一生を雪のひとひらに託した静かで美しい物語。

  • 美しいとよべるほどの雪のひとひらの一生のなかに、時々感じる「なぜ?」の答えや憧れが描かれていました。宇宙には調和があって、みんなにそれぞれの一役があるんだよ。

  • シンプルなひとひらの物語の中に、選びぬかれた、純度の高い言葉たちが集まって結晶化しました。とてもとても美しい寓話です。
    雪のひとひらは、白くかぼそく、はかなげなイメージを抱かせます。彼女は流れる運命のままに生きて、死んでいくしかありません。だけど、その時起きる出来事に対して、必死に、積極的に、受け身をとり続けているのだと思います。長いこと受け身をとり続けているうちに、次第に体は痛み出し、彼女は蝕まれていきます。出来事を受け入れ続けるということは、消耗すること。でも、そうやって一生に起きることのすべてをその身に引き受け続け、やがて消えてゆくひとひらをあたたかく見つめている、つつみこむように優しいギャリコの視線を感じます。

  • 擬人化ばんざい

  • 斬新

  • 冷たい夜に雲から舞い降りた雪の結晶の話。
    雪から雫にかたちを変えてめぐる水脈を雫の一人称で話す珍しい語り。

著者プロフィール

1897年、ニューヨーク生まれ。コロンビア大学卒。デイリー・ニューズ社でスポーツ編集者、コラムニスト、編集長補佐として活躍。退社後、英デボンシャーのサルコムの丘で家を買い、グレートデーン犬と23匹の猫と暮らす。1941年に第二次世界大戦を題材とした『スノーグース』が世界的なベストセラーとなる。1944年にアメリカ軍の従軍記者に。その後モナコで暮らし、海釣りを愛した。生涯40冊以上の本を書いたが、そのうち4冊がミセス・ハリスの物語だった。1976年没。

「2023年 『ミセス・ハリス、ニューヨークへ行く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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