雪のひとひら

制作 : Paul Gallico  矢川 澄子 
  • 新潮社
3.68
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本棚登録 : 120
レビュー : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (109ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105018030

作品紹介・あらすじ

心にやさしくふりつもる「愛」の余韻。美しい日本語でつづった珠玉のロングセラー、新装版。

感想・レビュー・書評

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  • 世界のすべてがいとおしくなるような、美しい物語です。

    ある寒い冬の日、はるかな空の高みで生まれた雪のひとひら。
    小さな村里に舞い降り、世界をバラ色に染める日の出をうっとりと眺め
    学校に遅れまいと急ぐ村の少女の橇に轢かれたあとは、
    ぎゅうぎゅう固めて雪だるまの鼻にされ、見る人の心を和ませる。

    春になって太陽の光を浴びて解き放たれると、せせらぎの一部となって
    野の花をうるおし、蛙を憩わせ、魚を泳がせ、
    人々の日々のパンを作るためにくるくると水車を回す。
    やがて雨のしずくという優しい伴侶を得て、可愛らしい4人の子どもたちにも恵まれ、
    家族5人、いたわりあい、寄り添って旅を続け、都会では力を振り絞って火事を鎮める。
    やがて訪れた夫や子どもたちとの別れを静かに受け入れ、ひとりぼっちで海に出て。。。

    この世に生まれ落ちたその日から、
    わたしはどこからきて、どこへ行くのだろう?
    すべては何を目当てになされたことなのか? と問い続けながら
    その時その時を懸命に生き、宇宙の調和に思いを馳せる雪のひとひらに
    ひとりの女性としての来し方行く末を、しみじみ考えさせられます。

    章が変わるたびに添えられる雪の結晶のイラストに、ひとつとして同じものがないのが
    この世界の誰ひとり、何ひとつとして無意味なものはないという
    ポール・ギャリコの思いをキラキラと映しているようで

    真っ白な背景に型押しで銀色の雪の結晶が3つだけ浮かぶ表紙も
    タイトルの文字の色に合わせた水色の栞も
    言葉遣いも、描かれた物語も、すべて心洗われるように美しい
    ずっと手もとに置きたい1冊です。

    • だいさん
      雪 岩波新書 中谷宇吉郎/著
      日本人の研究者で結構有名みたいです。
      雪 岩波新書 中谷宇吉郎/著
      日本人の研究者で結構有名みたいです。
      2013/01/21
    • まろんさん
      だいさん☆

      不勉強なので、ネットで調べて初めて知りました。
      かなり前から読み継がれてきた名著なのですね。
      こんな本までご存じとは、さすが勉...
      だいさん☆

      不勉強なので、ネットで調べて初めて知りました。
      かなり前から読み継がれてきた名著なのですね。
      こんな本までご存じとは、さすが勉強家のだいさん。
      教えてくださってありがとうございます。
      2013/01/23
  • 女の一生を、雪のひとひらの誕生から蒸発して消えるまでを擬人化してファンタジー形式で綴られている。

  • 雪のひとひらで、女性の一生を表現した素敵な本。

  • 森博嗣のスカイ・イクリプスで引用文をみかけたので。雪のひとひらを主人公とした綺麗なファンタジー。なのにリアルで一人の女性の生々しい一生の物語とも読める。神様の存在が絶対という宗教的な臭いも感じた。

  • ある寒い冬の日、空の高みで生まれた雪のひとひら。やがて“雨のしずく”という伴侶と出会い、子どもにも恵まれ・・・女性の一生が、雪のひとひらの姿と言葉を借りて語られる、童話のような物語。まるでサイレント映画を見ているよう。読み手の年齢や性別によって、幾通りもの解釈があるように思います。

  • 雪のひとひらの話。なぜか感動した。さいしょはただの詩のようなものだとおもったけれど途中から引きこまれて、雪のひとひらの女性らしさがけなげなのと、自然ってこんなきらきら煌めいてきれいなんだなあって思い出せて、いたく感動した。原書もぜひ読みたい

  • 原文の素敵さもあるのだと思いますが、柔らかな言葉の訳が印象的です。
    昔に読んだはずなのですが、本屋で見つけたらまた読みたくなりました。

  • ある寒い冬の朝、空の高みで生まれた雪のひとひら。雪だるまにされたり、水車の中をめぐったり、風に乗ってあちこちを旅しやがて愛する人と出会い、家族をもうける。1人の女性の一生を雪のひとひらに託した静かで美しい物語。

  • 雪の一生の本。守るべき家族。やんちゃなこどもたち。祝福の光がぱーっと射してる愛あふれるいとし本。

  • 一滴の水を女性の人生にたとえた物語。

  • 高校入学祝いに従兄からプレゼントされた一冊。
    雪は女の一生だと思った。
    雨の粒と逢い、子供と川の分岐点で別れ海に行き、天に帰る。
    私もまだ、川の途中。海に出るまでどんな事があるかな。

  • 解説にもあった言葉だと思うけど、これを書いた人が男性だということ自体が私の救いになります。

  • 某ライトノベルに触発されて読んだ本←

    変わっているのは主人公が雪のひとひらであるということくらい

    それ以外は本当に普通の女性の物語

    だからこそ美しいと思う

  • 美しいとよべるほどの雪のひとひらの一生のなかに、時々感じる「なぜ?」の答えや憧れが描かれていました。宇宙には調和があって、みんなにそれぞれの一役があるんだよ。

  • シンプルなひとひらの物語の中に、選びぬかれた、純度の高い言葉たちが集まって結晶化しました。とてもとても美しい寓話です。
    雪のひとひらは、白くかぼそく、はかなげなイメージを抱かせます。彼女は流れる運命のままに生きて、死んでいくしかありません。だけど、その時起きる出来事に対して、必死に、積極的に、受け身をとり続けているのだと思います。長いこと受け身をとり続けているうちに、次第に体は痛み出し、彼女は蝕まれていきます。出来事を受け入れ続けるということは、消耗すること。でも、そうやって一生に起きることのすべてをその身に引き受け続け、やがて消えてゆくひとひらをあたたかく見つめている、つつみこむように優しいギャリコの視線を感じます。

  • 女性の一生を雪のひとひらにたとえて綴られた話です。
    読みやすく、訳がですますで書かれているせいか優しい、やわらかい文章でゆっくり文字を追っていくのが楽しかったです。
    ポール・ギャリコが男性だと思えないくらい女性の心情などがうまく描かれていてびっくりしました。
    とても好きな作家さんになりました。

    090726

  •  2001年10月13日登録

  • 擬人化ばんざい

  • 原文では読んでいないけど、矢川澄子の日本語訳が美しくてするすると染み込んでくる。

  • いつまでも、雪のひとひらが心に残る本。

  • 斬新

  • 冷たい夜に雲から舞い降りた雪の結晶の話。
    雪から雫にかたちを変えてめぐる水脈を雫の一人称で話す珍しい語り。

  • 白い表紙に銀色の雪の結晶…表紙に魅かれて手にした一冊の本。ひとひらの雪に託された女性の一生が美しい風景とともに描かれた…絵のない大人の絵本です。

  • ギャリコさんの作品は好きで何冊か読みました。 このお話、まるで女性の一生みたい。 読み終えたとき、なんだか厳かな気持ちになります。

  • 自分の存在する意味を誰かに問う。答えはない。
    自分が存在していてよかったと誰かに感謝する。返事はない。
    けれど自分の心はあたたかくなるだろう。
    その気持ちを忘れずにいたい。

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