チェーホフ・ユモレスカ

  • 新潮社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105052713

感想・レビュー・書評

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  • 読んでいて思ったのは説明が無く内容が理解できないと言うこと。当時のロシアの風俗など確認するのは楽な作業ではない。文体も若干固めに感じられ、軽々しく読むことができない。前回読んだチェーホフが素晴らしく感じられただけにホント残念。もし自分が学生で文学を愉しみたいというならば、お勧めする事は出来るが、時間の限られている自分には無理だ。一行一行追って味合うなどという余裕はない。その時間があれば他の本を読みたい。しょーもないレビューになったがこれくらいで。

  • チェーホフ初期の超短篇64編がおさめられている。

    「ユモレスカ」とは、ロシア語で「ユーモア小品」を意味し、この中には音楽の「ユモレスク」も含まれるそうで、ユーモア溢れるチェーホフのショートショート集が本書ということになる。

    チェーホフはショートショートを多く書いており、この新潮社のシリーズも本書から続いて、2,3~と刊行されている。

    ショートショートなので、1つ1つがすぐ終ってしまう物語で、ページをめくるたびにワクワクするような面白い話が次々と現れる。

    主人公たちはヒーローでもヒロインでも王でも億万長者でもなく、そこらへんにいる普通の人たち。
    当時のロシアの世相が反映されているもののごくふつうの日常生活を原稿用紙数枚に切り取ってユーモアたっぷりの物語が紡がれている。

    質問が四つ書かれていて、答えがさかさまに書かれていたり、
    題名と本文の間に ここに収入印紙を貼ってくださいという貼付欄があったり、
    フローベールの『紋切型辞典』のように、ロシア外来語辞典を風刺してみたり、
    戯曲風だったり、
    など、単なるショートショートだけでなく短い物語に工夫を凝らしてチェーホフならではの演出も楽しい。

    「小説のなかで一番たくさん出くわすものは」という超短篇があって、これが面白い。
    短篇というか、タイトルどおり、チェーホフが小説のなかで一番たくさん出くわすものを列挙してるだけという作品。

    むかしの美人のおもかげを偲ばせる伯爵夫人、美しくはないが感じのいい魅力的な人物、タンボフ県のおばさん(タンボフ県がどこか知らないけれどなんだか可笑しくて、そのおばさんにも勝手に想像力が湧く)、口がきけないだけが人間とちがっている犬、おうむ、うぐいす、大発見のきっかけとなる思いがけない立ち聞き、
    気づかわしげな顔つきで患者の危機の去るのを願っている医師←この石は握りのついたステッキをを持っていたり禿頭だったりすることがよくある  との注釈付。
    チェーホフ自身医師でもあった。

    細やかな心理描写とユーモアのなかに見え隠れする人生のペーソスがたまらない一冊である。

  • ユーモアがいまいちスッとなじまなくて、読むのに苦労した。わかる人がうらやましい。

  • 2011年1月12日読み始め 2011年1月14日読了。
    買ったままずっと積んでいた本ですが、きっかけがあってやっと読むことに。短編やショートショートが64篇収録されています。読みやすいし、話も結婚、恋愛、家庭など身近なテーマで日本人でも身近に感じられます。
    しかし、中にはロシア語独特のニュアンスが面白いんだろうな、という話もあるし、ショートショートゆえに、少ない情報量から察しにくい話もありました。短い文章の方が、翻訳は難しいんだろうなと思いました。
    表紙もかわいらしく、チェーホフの中では手に取りやすい本です。

  • シニカルな視線の中にも、人間に対する確かな愛情と尊敬を感じます。いきいきとした人間描写の豊かさはさすが。表紙がチャペックなのが嬉しい。

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