言葉と物―人文科学の考古学

制作 : Michel Foucault  渡辺 一民  佐々木 明 
  • 新潮社
3.53
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本棚登録 : 694
レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (474ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105067014

感想・レビュー・書評

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  • 人間はどのようなフィルターを通して世界を認識しているのか。まず、16世紀(古典主義時代)における知の構造が説き明かされる。簡潔に言って、ここでは言語も貨幣も動植物も【面】として捉えられていた。18世紀あたりになると、この面に高さや奥行きが生まれてくる。労働や生命の概念が導入され、知の体系が【立体】となるわけだ。

    何というか。巨大建造物が建てられていく様を、早送りで見学しているような読み心地だった。最初は何を造ろうとしているのか分からない。何だか、凄そうなことをしているのだけは伝わってくる。土台が出来あがり、柱が立ち、全体の骨組みが明らかになったあたりで、「おお」となる。完成間近で中に通され、ひと通り案内してもらった後、「ここがあなたのいる世界です」と告げられた感じというか。外がどんなところだったか、具体的にはもう思い出せないのである。

    函入り、4500円也。上下二段組み、びっしり400頁超の大著で、読破するのに10日もかかった。消化しきれてない部分も当然多い。でも、元は取れた。はず。なので、満足している。労働・生命・言語に関しては言うまでもなく、現象学や精神分析が誕生した経緯等々、大いに勉強になった。八章、九章、十章あたりはこれから何度も読み返すことになると思う。値段と難解そうなイメージからずっと入手を躊躇ってきたものの、思い切って購読してみて本当に良かった。

  • フーコーがいう「生きる権力」という人間の社会適応に向けた規格化は、現代の日本の若者世代にとっては、複数のコミュニティに対する適応に向けた規格化による自己分断と内省の浅薄化につながるということが理解できる。

  • 初フーコー。購入日は思い出せないが10年以上前。二日前に最後の章は読み終えていたが、その後の固有名詞及び事項索引で更に二日を費やす羽目に。最後の最後まで手を焼かせてくれる書物だ……。ニーチェの系譜学を範とし、人文科学の考古学と銘打たれたこの一冊。しかしながらニーチェとは似ても似つかぬ堅い文章の上、凄まじい勢いで手札を切っていく博覧強記のフルコースゆえ、特に第六章の経済学に関する箇所などは何度も読む手が止まってしまった。有名な掉尾の文章を肝に銘じつつ、これが最後のフーコーにならぬことを切に願うばかりである。

  • セルバンテスの『ドン・キホーテ』は言葉によって作られた世界、記号、象徴、現実等の関係を知るには超重用文献。
    詳しくは、ミシェル・フーコーの『言葉と物』を読んでもらうと分かるんだが

  • 難しくてなにが書いてあるのかわかりません。だからこれからも読みつづけると思います。

  • 文学研究講義にて使用。

  • 難儀しました。難しかった...
    養老先生や池田先生が引用されていたから気になって読んでみた。

    第一部は時代によってものの知り方が違うということの分析。昔の人と僕らではそもそも根本的なところで感じ方や考え方が違っているんじゃないかと思っていたから、それを細かく分析されていたのでへぇ~と感心した。

    第二部は19世紀から現代に至るまでのものの知り方の深層の詳しい分析。養老先生がフーコーさんの問題意識と似たものを持っていらっしゃると書かれていたのが気になって読んだ本なので、まぁ、ぼんやり何となくだけれども、この辺りかなぁ~と思われるところがあったのでよいことにしよう。どうも僕たちは「いったい人間ってどういうものなんだろうか?」というような知り方をしようとしているようである。

    知り方のモデルに生物学、経済学、言語の研究という3つが挙げられていて、それぞれに説明があったのでごっちゃごっちゃに考えていたから、これらを分けて考えるといいのだなとためになった。ただ、養老先生は言語の研究ではなく脳の研究でやったほうがいいんじゃないかと思われているそうである。

    しかし、まぁ、複雑だこと。世界も人間も複雑だから単純じゃいけないんだろうけど、ものを知るのも大変な精神力がいるんだな。身体も必要だから、結局体力か。。。ともかく理解はできていないのだけれどなんとなく雰囲気を掴んだ感じ。まぁ、何の役にも立たないんだろうな。とほほ...

    Mahalo

  • 恐らく20世紀で最も有名な哲学書の1つです。
    フーコーの言う「エピステーメー」・・・認識観、知の枠組みを扱った内容で、時代毎の変遷について語られます。
    そして、今の私たちが思う「人間」という考え自体も、この「エピステーメー」に依存するものであり、近代以降の産物に他ならず、今後の変化によっては「人間」が存在しなくなるということも・・・と仄めかしちゃったり、しなかったり。
    各時代の人々の認識観を扱っているため、文化史に興味がある方も、読んでみるといいですよ。

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著者プロフィール

1926年フランス・ポワティエ生まれ。高等師範学校で哲学を専攻、ヨーロッパ各国の病院・研究所で精神医学を研究する。1969年よりコレージュ・ド・フランス教授。1984年没。主著に『精神疾患とパーソナリティ』、『狂気の歴史』、『臨床医学の誕生』、『言葉と物』、『知の考古学』、『監視と処罰』、『性の歴史』がある。

「2019年 『マネの絵画』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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