ハリネズミの願い

制作 : Toon Tellegen  長山 さき 
  • 新潮社 (2016年6月30日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105069919

作品紹介

親愛なるどうぶつたちへ。きみたちみんなをぼくの家に招待します。……でも、誰も来なくてもだいじょうぶです。ある日、自分のハリが大嫌いで、つきあいの苦手なハリネズミが、誰かを招待しようと思いたつ。さっそく招待状を書き始めるが、手紙を送る勇気が出ない。もしクマがきたら? カエルがきたら? フクロウがきたら? ――臆病で気難しいハリネズミに友だちはできるのか? オランダで最も敬愛される作家による大人のための物語。

ハリネズミの願いの感想・レビュー・書評

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  • 自分に自信がないハリネズミ。突然みんなを自宅に招待しようと思い立つ。せっかく書いた招待状を出さないまま、もしみんなが訪問してきたら…妄想と不安は広がっていく……。

    久しぶりに苦戦した読書だった。
    人を招待するのって難しい。部屋を綺麗にするのはもちろん、お菓子の用意から食器を選び、座ってもらう位置、会話の内容、考えただけで緊張する…だから訪問を不安に思うハリネズミくんの気持ちよくわかる。だけど、ちょっと妄想が長いよ。1章が短いとはいえ、59章…。

    カメさんとカタツムリさんの章はよかった。そこが1番言いたかった事なんだろうな。訪問するとかしないとかじゃなくて気の合う友達がひとりでもいればいい。私の友達ならスイートポテトとポテトチップスがあればそれだけで1日楽しく過ごせる(*≧艸≦)

    ハリネズミのただ可愛い話ではない。内容はちょっと哲学っぽいところがある。とにかく長い。それを踏まえた上で読んだら楽しく読めると思います。

  • なかなか苦戦しながら読みました。
    臆病なハリネズミ。誰かを家に招待したいけど、来てほしくない。
    そして、いろんな動物たちがやってくる妄想が続く。

    なんとなく理解できる部分もあるかな。

    カメとカタツムリのコンビの妄想が面白かった。

  • オランダ人作家による、大人向けの絵本小説。
    とある一匹のハリネズミが自宅に森の動物たちを招待しようと手紙をしたためる。

    どうか遊びに来てください。ーーでもやっぱり、だれも来なくても大丈夫です。

    矛盾しているようだが、私にはまさにこのハリネズミのジレンマというやつが分かってしまった。
    かまって欲しいけど、かまわれると嫌になる。
    愛して欲しいけど、愛されると重く感じる。
    卑屈で、自意識過剰で、被害妄想のはげしいハリネズミの脳内では次から次へと動物たちが彼の元に訪問してくるが、そっけなくあしらってしまったり、しどもどともれなく気まずい雰囲気になってしまう。
    仲良くなりたいのに、なれない。
    自分以外の者を追い出し、自分の殻に閉じこもり、ひとりぼっちになることは、とても安全なことだ。
    孤独と絶望は、とても心地いいのだ。
    でもそれじゃいけないことは分かっているけれど……というネガティブループが延々と繰り返されています。
    ちょっと長すぎでは?さすがにいい加減イライラしてきた、なんて思ってしまったけれど、だからこそ最後の章のあっけないほどの端的な希望には驚かされたし救われた。
    そうだ、こんな簡単なことなんだ。ただ、ほんのわずかの勇気があればいい。
    コンプレックスはコンプレックスであると同時に、個性でも誇りでもある。
    どれだけ優柔不断に迷い迷っても、自信がなくても、それだけは確かなこと。
    自分の子供にも、そういう風に人間関係について教えていけたら素敵だなと思えました。

  • 【親愛なるどうぶつたちへ。きみたちみんなを僕の家に招待します。……でも誰も来なくてもだいじょうぶです。
    ある日、自分のハリが大嫌いで、つきあいの苦手なハリネズミが、誰かを招待しようと思いたつ。さっそく招待状を書き始めるが、手紙を送る勇気が出ない。もしクマがきたら? カエルがきたら? フクロウがきたら? ――臆病で気難しいハリネズミに友だちはできるのか? オランダで最も敬愛される作家による大人のための物語。】

    寓話、なのだけど、道徳的教訓のようなものはなく、ただただハリネズミの妄想がグルグルと描かれている。

    ああなったらどうしよう、こうなったらどうしよう、そしたらああなって、こうなって、ああなるかもしれないし、こうなるかもしれないし…、ああ、それはイヤだなあ、それは困るなあ、じゃあやっぱりやめよう、とか。みんなは僕のハリのことをどう思うかな、ああ思ってるんだろうな、こう思ってるんだろうな、とか。
    そうして手紙は何度も書き直されたり、なにか付け加えられたりして、引き出しにしまわれたまま、けして出されることはない。ハリネズミも結局また毛布をかぶってベッドの下に隠れる。だけど最後には何か大切なことがわかったような、わからないような…。

    ハリネズミがネガティヴすぎて可笑しい。あまりにネガティヴで呆れてしまうんだけど、わかるなぁって、全面的に共感。ハリネズミは私だ!私はハリネズミだ!
    途中途中に登場するカメとカタツムリも忘れてはいけない。彼らのエンドレスな言争い(?というかカタツムリが一方的に怒って言いがかりをつけてるんだけど)は、もはや出口のない共依存関係。まるでベケット演劇のよう。完全にブラックユーモアなんだけど、いやになるくらいリアルで笑っちゃう。

    出版社ホームページによると、「いかにも内気そうな、ちょっと上目使いでこちらをじっと見ているハリネズミは、祖敷大輔さんが描いてくださった日本版オリジナル」とのこと。このイラストがなんとも可愛らしい。この子じゃなかったら、ハリネズミのことをもっと「ウザい」と思ってしまいそう。挿絵はぜんぶで12枚で、個人的にはいちばん最後のリスといっしょのハリネズミがベスト。もう、この子たちときたら!

  • 臆病が度を超えてちょっと笑えてきたけど、こういうことあるよなあと思った。前評判がめちゃめちゃ良かったので最初のハードルが高すぎたみたいで思ったよりは普通かもと思ってしまった…
    友人に誘われてないから自分も誘わないんだ、みたいな描写があったけどこれって自分にも言えるなあと思いました。人と会いたいなら受け身じゃなくて自分から誘わないと進展はないんだと思いました。

  • 臆病なハリネズミが手紙を出して、ほかの動物を自宅に招こうとするお話。でもコンプレックスのはりが、なかなかその勇気を出させない。
    想像の中で訪問した動物を考えては、悩む
    想像力の豊かなで、いろんなイメージを持ちながら読める本だった!

  • いまさらながら2017年本屋大賞翻訳小説部門1位作品を図書館より拝借。予約もなく余裕で借りられたってことは、翻訳部門はそんなに影響ないってことなのかな、毎年。苦手な翻訳本に自信をもつにはいい作品でした。ふと考えた。世の中に、なんだかいつも誘う側の人と、どちらかといえば、自分か何にもしなくても周りから誘われてばかりいる人がいる。これ、しかたないけど事実。自分はどちらかといえば前者で、ふと、本当に考えることもある。自分から誘わなかったらどうなるんだろう、って。自分が誘うことをやめたら、だれも自分のことなんか誘わないんじゃないかって。それは少しさみしいことだけど、自分を知るにはいい機会かも、なんてまさに、ハリネズミの心境ぢゃないですか。まあハリネズミほどの妄想はしないけどね。ハリのことぐらいは考えるかもしれない。このハリは、自分にとってなんなんだろうかってね。ラストは意外にあっけない感はありましたが、なんだろう、生きてく上の妄想や悩みや思い込みって、あまりにもフツーで、素朴なことや存在に、いとも単純に救われるものかもしれません。

  • 臆病なのにプライドは高い、ネガティヴな想像にとらわれてなかなか行動に踏み切れない、そんな気持ちをハリネズミがひたすら吐露していますが、森の動物達の個性豊かなリアクション(それもまたハリネズミの想像世界の中でのリアクションなのですが)にくすりとしながら、ああ人間世界でも日々こんな悩みの繰り返しだな、と思います。著書はオランダの医師で動物を主人公とした本を50冊以上刊行しているそうです。翻訳されている作品は少ないですが、機会があればまた他の作品を読んでみたいです。

  • 行動あるのみだ!ハリネズミ!

  • 本屋大賞翻訳小説部門に選ばれた話題の本。
    図書館で予約、5ヶ月待ってやっと回ってきた!

    他の動物を家に招待したいハリネズミ、ネガティヴだし色々考えすぎちゃう。動物たちが訪問してくることを本当に望んでいるのかも分からない始末。
    ハリネズミの頭の中でたくさんの動物が訪問してくるけど、結局は招待状を出すか迷ってるいつもの孤独な場面に戻ってくる。

    物語に波がなく、淡々と続く文章、でもその中に何か深いものを感じる。
    ハリネズミが自分のコンプレックスと向き合ったり、先のことを考えすぎて動けなくなる感じは、ちょっと自分と重なったかなー。

    可愛らしい表紙や挿絵とは裏腹に、哲学的な要素もあり、何か難しい本だった。

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