STARTUP(スタートアップ):アイデアから利益を生みだす組織マネジメント
- 新潮社 (2017年8月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784105070410
作品紹介・あらすじ
UCLA、コロンビア大など全米70校が「アントレプレナーシップ」の教科書に採用! コンサル会社を辞め、念願の起業を果たしたオーエン。だが事業は失敗。膨大な借金を抱え、あとは破産を待つだけに。彼は一体どこで間違えたのか。起死回生の一手はあるのか? 起業家の挫折と逆転の物語を読み進むことで、スタートアップという新しい時代の経営手法を「実体験」できる、新事業や新商品開発のための必読書。
感想・レビュー・書評
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「STARTUP」
1.著書
アメリカSTARTUP企業を研究するカウフマン財団研究員。
2.購読動機
組織のなかで新しい事業を始める場合とSTARTUPは類似であるため。
顧客ゼロ、検証これからの状況をどのように打開するのか?知りたかっため。
3.著書からの学び
①原則
STARTUPが資金を焦がさないうちに営業キャッシュフローを獲得していくには、
【顧客をみつける】
【顧客のジョブ、重大な困りごとをみつける】
【事実/裏取りの確認を行う】
である。
②顧客とは?
誰でもよいわけではない。
仮説設定のセグメント、ターゲット条件に合致する企業または個人となる。
③ジョブをみつけるには?
直接聴く、教えてもらうこと。
さらには、オーブンクエスチョンで、かつ誘導質問をしないで教えてもらうこと。
④購買してもらうには?
いま、どんな方法で、いくらで解決しているのか?
どの範囲のジョブが解決できていないのか?
それは、重要度どのくらいなのか?
将来、解決できる場合、いくらまでなら払ってくれるのか?
著書の基本を実行すること。
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この本は面白かった。伝えたい内容は単純(顧客がすべてということ)だが、抽象的な記述ではどうしても人は正常性バイアスがかかってしまって実践ではなかなかうまくいかないところを、本書では小説仕立てで上手く内容に練りこんでいるのでグイグイ読めて腹に落ちてくる。ここが本書の面白いところですね(「The Goal」と同じ)。一つだけ、邦題に組織マネジメントとありますが、本書のポイントは組織の話ではありません。あくまでCEOがビジネスを始めるときに留意すべき大事な点としての顧客志向を説いた本です。
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当たり前だけど忘れがちなことを、物語形式で記憶に残る構成で書かれている。一気に読み進めることができた。
ポーカーをメタファーにしているのは著者の趣向を反映しているが、ポーカーを知らなくても、相手や状況を観察して冷静な判断を下すことと、運とチャンスへの向き合い方など、多くの点で起業との共通点があることで、ストンと腑に落ちる。
中でも「オールイン」「ティルト」という言葉は起業家が陥りがちな状況を表す便利な言葉として印象に残った。手元資金が少なくなってきて、焦りからもう後がない状態に冷静な判断を下せないティルトの状態になると、プレーヤーはスキルよりも運に頼ろうとして全ての財産を賭けるオールインの勝負に出てしまう。そして必ず勝負に敗れて全てを失う。それで、何もしなくても徐々に体力を削られてブラインドアウトに陥る。
この進んでも引いても負ける状態は、私自身も事業運営の中で何度も遭遇してきた。結局のところ、近視眼的な考えがそのように見せているだけなのだが、それは本人には気づかない。
そう言った精神の揺れ動きと、起業のために必要なテクニックが詰め込まれた本書は、今後の起業家の必読書になりそう。
原著
All In Startup: Launching a New Idea When Everything Is on the Line -
ポーカーがしたくなる本です笑
読みやすさはあるが、スタートアップ初心者向き -
小説部分がやや冗長な気もするが、エッセンスは非常に勉強になった。
価格が問題であるかどうか検証する唯一の方法は、見知らぬ人から話を聞くこと。見知らぬ人といっても誰でもいいわけではない。あなたが想定する顧客層に合致している人から話を聞かなければならない。
やってはいけないのは、『~しますか?』で終わる質問。このように問い掛けるのは最悪のやり方。質問で『はい』か『いいえ』の回答を求めてはいけない。インタビュー相手が自分のストーリーを自由に語ってくれるように工夫することが何よりも大事。相手が質問に正面から直接的に回答するようでは、本当の気持ちを語っているとはいえない。本当の気持ちは質問に対する直接的回答の中にあるのではなく、相手が語るストーリーの中にある。相手が未来について語ることも無視していい。価値があるのは、現在と過去における相手の行動と感情のみ。
顧客が商品を欲していると証明できるまで何をやっても無意味なのである。 -
HBSのクリステンセン教授のジョブ理論を薄く薄く伸ばしたような本。読みやすく、「顧客の切実な課題」を見つけることの重要性、スタートアップの順番について、さらに理解できた。
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内容がとしては新しくビジネスを始める上で重要な考え方がたくさん載っておりとても参考になる。ただ、話の進め方がストーリーにそった内容になっていて小説っぽかったのが個人的には読みにくかった。内容は良かったと思う。
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新規事業アイデアをビジネスに昇華させるためのステップが良く理解できる。特に、顧客インタビューにおいて、仮説を証明していくプロセスの具体的手法について理解が深まる。
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スタートアップのノウハウを小説形式で紹介。
小説だから読みやすく、起業するつもりがなくてもスッと頭に入ってきた。
「スタートアップの目的は商品を作ることではなく、顧客を見つけること」。そしてスタートアップが作るべき商品とは「顧客が抱える"偏頭痛級"の問題を解決するもの」であるべき。こうやって考えるのと目から鱗。
"偏頭痛級の問題"って言い回しがハイセンスで癖になる。