世界終末戦争 (新潮・現代世界の文学)

制作 : 旦 敬介 
  • 新潮社
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レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (732ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105145040

作品紹介・あらすじ

19世紀の末、大旱魃に見舞われたブラジルの奥地に、突如現われた流浪の説教師。世界の終末と人類の滅亡を説く男は、たちまちにして貧困や飢えに悩む人々の心をとらえる。やがて、預言者を中心に安住の地カヌードスにたてこもる宗教的熱狂者の集団と政府軍の過酷な徹底的闘争が始まる。著者の円熟さを示す壮大な野心的大作。

感想・レビュー・書評

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  • 19世紀末、ブラジルの辺境の地で起こった反乱に取材した歴史小説。
    中央と辺境、進歩と伝統、共和制に基づく近代的な政治システムと素朴な原始的共産社会・・・。
    単にヨーロッパ的な近代化を模倣するだけで、果たしてそれが本当に国の進歩を意味するのか。
    叛徒とされた張本人たち自身は、単なる貧乏人や社会からのつまはじき者ばかりで何ら政治的な意図をもっていたわけではなく、純粋に自分たちの幸福を信じてグループを形成していたのだが、彼らの行動とそれに対する激しい拒否反応を示した中央政府との間に生じた軋轢は、ブラジル共和国のそれ以降の方向性を大きく左右する歴史的な大事件だったと分かる。

    もちろん、話としても非常に面白く、多数登場する英雄的人物、反乱をとりまく醜い政争、恋愛、復讐、そして戦闘と、およそ歴史小説としての楽しみを構成する要素がふんだんに盛り込まれている。
    また、著者後年の作だけあり、登場人物の緊張、混乱、興奮、幻滅がこちらまでひしひしと伝わってくる臨場感あふれる文章も話を盛り上げる。

    かなり長大な作品だが、それに見合った充実した読書時間を提供してくれる。
    ただし、現在ではかなり入手困難な模様。

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