- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784105191184
感想・レビュー・書評
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今年の「美しい装丁No1」になりそうだ。上下巻を並べて完成する絵柄、ターコイズブルーに金箔使い、物語中に出てくる動物たちのモチーフ。
アーヴィングはいつも読む楽しみを与えてくれる。流行りの奇想やミニマリズムではなく、「ユニークな登場人物、奇想天外なエピソード豊富、波乱万丈の運命を辿るおもしろい長編小説」というクラシックな枠組みで小説を書いてくれる。私の大好きなスタイル。
本書もそんなアーヴィング節が炸裂する。ゴミ捨て場のスラム、サーカス、教授という運命を辿る主人公は体の一部を損ない(やはり)、さらに大きな&小さな災難にあい、周囲の人々も不運な目にあって次々に死んでしまい、一方で謎めいた女性たちのとの性…読者に与えてくれる、切なくて愛おしい人生と死への思い。アーヴィングは老境にあるからか、いつも以上に死の色が濃いが、「驚きですらない」近しい死を描く。
メルヴィルの白鯨、ホーソーンの非文字、ディケンズのデイヴィッド・コパーフィールド、ハーディのキャスタブリッジの町長、「小説を書くことについて、この4作品から学んだ以上の何を私は知る必要があっただろう?」フワン・ディエゴのこの言葉はアーヴィング自身のスタンスだろう。
映画化するなら…少し若すぎるけど、メキシコ出身俳優、ディエゴ・ルナ?ガエル・ガルシア・ベルナル?ダンプキッドは魅力的なハンサムだ。どちらとも決めがたいぞ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
訳者あとがきにあらすじがまとめてある。助かります。
『サーカスの息子』読みたい。