百億の星と千億の生命

  • 新潮社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105192044

感想・レビュー・書評

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  • #3397ー62ー14ー220

  • 著者は米国の惑星探査計画の多くに携わった人で、ボイジャーに宇宙人むけのメッセージを乗っけたりした。ポピュラーサイエンス的な本を多く書いており、これが遺作。

    三部構成の第一部「数量化の威力と美」は、巨大数、指数関数的増加、他の恒星系の惑星探査など、普通の科学エッセイ。

    第二部「保守主義者は何を守っているか」は、オゾン層破壊、地球温暖化といった環境問題について。この本が書かれて15年以上経つ。最近はフロンの話題をあまりメディアで見かけることもないが(代替フロンの生産停止まで確かもう10年もない?)、ここまで手を打ってきた結果の評価はどんなものなのだろう?→<a href="http://www.data.kishou.go.jp/obs-env/ozonehp/9-0kankou.html" target="_blank">フロン濃度は徐々に減少に転じて、オゾン層破壊の速度も一応は低下しつつあるっぽい。</a>

    最近、読んだ「リスク意思決定論」にあったリスク分類、ピュティアやカッサンドラが出てきた。セーガンが使い出したのか?

    第三部も第二部からの流れで、人工妊娠中絶の倫理問題や、軍拡を憂うなどの内容。セーガンは現在ではやや古臭く感じるタイプの理想主義者。しかし、スケールの大きい天文学をバックグラウンドに真正面から理想論を説かれると、単に古臭いで片付けられない説得力がある。なお、ロールズ、サンデル的なアメリカ臭を感じる。

    最終章は自身の闘病の記録+夫人によるエピローグ。アインシュタインの言葉を引用している。<blockquote>私は、自分の創り出したものを褒めたり罰したりする神や、我々自身と同じような意志を持つ神を想像することはできない。人間が肉体的な死後も生き残るということも信じられないし、また信じようとも思わない。(中略)私は、生命が絶えることなく伝わって行く神秘にふれたり、この世界の驚くべき構造を垣間見たり、自然の中に現れる真理の一端を、それがどんなに小さくとも、理解しようと一心に努力することだけで満足だ。p.284</blockquote>

  • 数字で見る地球、世界環境、科学、医療。幅広い問題関心から科学的に「何が心地良いか」ではなく「何が真実か」という視点を以てしても生きることは楽しいという瀕死の科学者のメッセージ。

  • 著者は天文学者だが、その知見は他の科学分野にも幅広く及ぶ。
    道を究めた人の言葉はとても重い。
    勉強になります。

  • すごく偉い(賢い)学者さんの随筆集。

  • 最終章には、ただただ、涙。

  • 本物の知性を感じます。

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