オラクル・ナイト

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制作 : Paul Auster  柴田 元幸 
  • 新潮社 (2010年9月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105217143

作品紹介

重病から生還した34歳の作家シドニーはリハビリのためにブルックリンを歩き始める。不思議な文房具店を見つけ、そこで買ったブルーのノートに新しい物語を書きだすと…。美しく謎めいた妻グレース、ダシール・ハメットのエピソード、ガーゴイルのように動き出す物語の渦。ニューヨークの闇の中で輝くものを描き出す、感動の長編。

オラクル・ナイトの感想・レビュー・書評

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  • 返却期限が迫っていたためちゃんと読めなかった。オースター好きの人が面白いと絶賛していたので文庫になってからもう一回ちゃんと読む。

  • オースターの本って、読んでる間はすごい集中して読むけれど、読み終わるとふっと話の筋を忘れてしまうことがあります。リアルな夢を見ていたけれど、起きたら忘れてしまった、みたいな感じです。でも私にとっては、この集中する感じ、この独特の世界に浸れるのが、オースターの良さです。
    彼の新作は必ず読むことにしているので、読めて満足。

  • めくるめく物語とはこのような話を言うのだろうか。物語の中の切れ端がまた次の物語を紡ぎだし、紡がれた物語がまた別の話を拾い出す。
    心と体の均衡が元通りではない病み上がりの主人公シドニー・オアそのもののように。
    退院してニューヨークの街を当てもなく外出し始めたシドニーが、妙に気を引かれた文具店でたまたま手にしたポルトガル製の青いノート。
    そのノートを買ったことをきっかけに、書くことによって引き出された雑多な話が現実とあいまって、複雑に絡まりながらも最後には一本の筋となって静かに収束するさまはさすがに上手い。
    シドニーから見た現実とも虚構とも思えるような物語や場面の数々が、内奥の反映として存在したのだと思えば、これはなんと胸の詰まる物語だったのだろうと、そんなふうに感じてしまったオースターの一冊だった。

  • 何度目かの通読。入れ子構造の重層物語、丁寧なのに粘着質でない描写、柴田元幸さんの名訳。何度読んでも味がある。
    言葉は、物語は、私たちの現実世界を写す鏡どころか、現実を変容させるきっかけ、力となりうるのか。テーマだなー

  • 作家が主人公の物語であるが、その中にいくつかの物語が組み込まれている。
    言葉の持つ力、それを使って物語を書くことへの著者の誇りが感じられる。
    ニューヨーク三部作と比べると、かなり現実的かつ具体的なストーリーで、最後まで読ませる展開になっていて驚いた。

  • 読んだこと忘れて2周目に入ってしまったことは秘密。

  •  病み上がりの小説家、主人公・シドは、ある日ポルトガル製の青いノートに出会い、躁病的に物語を、溢れ出す言葉を書き付ける。姿が見えなくなったり、電話のベルが聞こえなくなるほどに。しかし、物語内の主人公を密室に閉じ込めた状態でピタリとペンが止まってしまい、妻の妊娠、M.R.チャンとの不思議な邂逅、空き巣、親友ジョン・トラウズの死など、シド自身の人生の歯車が狂い出す。

    『言葉は現実なんだ。人間に属するものすべてが現実であって、私たちは時に物事が起きる前からそれがわかっていたりする。必ずしもその自覚はなくてもね。人は現在に生きているが、未来はあらゆる瞬間人のなかにあるんだ。書くというのも実はそういうことかもしれないよ。過去の出来事を記録するのではなく、未来に物事を起こさせることなのかもしれない』
     偉大な小説家ジョン・トラウズは云う。まさに「啓示の夜」。この世に存在する物語に加えて、人々の頭のなかで描いている妄想、疑念、あらゆる思考など目に見えない物語は無限近くある。すでに啓示は与えられていることを、誰が証明できる?誰が否定できる?言葉があるから人間、そして世界が存在しているんだということを、改めて感じ入った小説だった。

  • 生死を彷徨い、医者に匙を投げられたにも関わらず病気から回復した作家が主人公。彼は青いノートを手に入れ再び物語を書くようになる。何か大きなものが上から落ちてきて、本来なら自分に衝突すべきものだったのにそうはならず助かった瞬間、新たな人生を歩み始める人物の物語などを。ノートに記し始めた日から、作家の周囲の人たちの人生の歯車が狂い始めたように作家には思える。そして親友の言葉を思い出す。「私たちは時に物事が起きる前からそれがわかっていたりする。」書く行為は「過去の出来事を記録するのではなく、未来に物事を起こらせることなのかもしれない」と。

  • 物語の中に物語が出てくる不思議な本。
    ストーリーがいろいろと折り重なっている。
    病み上がりの主人公の頭の中から出てくる物語や実生活上の気持ち、様々な思いが交錯するせいかよりレイヤーが重なっているように感じた。
    不思議な本。

  • 久々すぎるポールオースター


    大学の頃に1、2冊読んで
    あんまり好みじゃないなぁ
    と思い敬遠していた。

    よく言われることだけど、
    本って読む時々で違う表情を見せてくれる。

    若い学生の頃にマイナスの印象だったものが今どういう表情を見せてくれるか興味があって読み始めた。


    一言、ストーリーがおもしろかった。
    読後感はすっきりしたような…グレーな気分。

    色々暗喩と思わしきものもあって、もっと掘り下げると文学的に語って違う楽しみ方も出来そうだけどしない、いやする気にならない

    昔はストーリーで楽しむってのを若気のいたりでか嫌がってたけど。

    …年をとってから得たこの感想は、

    どうやら深く考えないようになったってことなのかな?
    グレーな部分をグレーのまま受け止められるようになったのかな?

    まさにグレース^o^

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