ブルックリン・フォリーズ

制作 : Paul Auster  柴田 元幸 
  • 新潮社
4.16
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本棚登録 : 508
レビュー : 62
  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105217150

作品紹介・あらすじ

傷ついた犬のように、私は生まれた場所へと這い戻ってきた──
一人で静かに人生を振り返ろうと思っていたネイサンは、ブルックリンならではの自由で気ままな人々と再会し、とんでもない冒険に巻き込まれてゆく。9・11直前までの日々。
オースターならではの、ブルックリンの賛歌、家族の再生の物語。感動の新作長編。翻訳は柴田元幸氏。

感想・レビュー・書評

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  •  31年間勤めた保険会社を定年退職して妻と別れ、静かに死ねる場所を探すうちにブルックリンにたどり着いた「私」と、その周りの人たちが織り成す、おかしくて切ないお話です。

     人間の不完全さや愚かさに対する作者の優しい眼差しを感じます。

     古書店経営者のハリー・ブライトマン、いい味出してますね。ホテル・イグジステンスは美しい夢想だなあ……

  • ニューヨーク3部作のような雰囲気を期待していたらそうではなかった。オースター作品ってなんかもっとクールで都会的なイメージだったんだけど、これはなんだか温かみがある。オースターの書く人間喜劇かな。ラストの畳みかけるような感じが良い。柴田元幸さんの翻訳はほんといいなぁ。2013/180

  • 美しいNYの風景。
    映画化されたら素敵だと思う。
    ブルックリンに住む個性的な人々の群像劇なんだけど、どの登場人物も愛すべきキャラクター。
    人生に不器用ながら成長していく過程に、
    ウィットに富んだ会話に、こちらまで元気づけられるし、読んでいて楽しかった。
    何よりも作者のブルックリンを見つめる眼差しが温かい。
    誰でも文学的なことを考えるときって、多かれ少なかれ、主人公みたいな心境になること(主人公は人生こんなハズじゃなかったと感じてる平凡な中年)が多いので、作者の目の付けどころにもやられた感がある。

  • ポールオースター「ブルックリンフォリーズ」http://t.co/TvmpjZtn 読んだ、良かった。。。オースターには、無機質でひんやりと沈んだ世界と、温かく前向き(でもウェットさは無い)世界との2つがあると思うけど、これは後者。楽天的ってすばらしい。(つづく


    辛い経験や酷い事件や悲しい出来事もあるけれど、全体は暢気。人が生きていく力強さを感じる。「本の力をあなどってはならない」には本無しの生活が考えられないわたしにはぐっときた。で、そのまま終わるのかと思いきや、最後に、ある驚きが。落とされる影に、しばし考え込んでしまった(おわり

  • なぜだろう。本に引き込まれる。
    死に場所を求める60歳の男と期待はずれの甥。
    彼らをとりまく物語。
    生きるとは愚かな行いの連続なのかもしれない。
    その中にこそ、希望や幸福が見出せるのかな。

  • ブルックリンに死に場所をもとめてやってきた初老の男が甥っ子に再開し、彼や近所の住人とちょっとした冒険を経験し、やがて幸せを取り戻していく。

    前向きに人生を切り開いていく主人公は、街から大きな力をもらっている。

    もちろんパラダイスみたいな描きかたではなくて、姪っ子はひどい有為転変をくぐり抜けるし、他のひとも多かれ少なかれ挫折を味わっている。最後に9.11が言及されるのも、楽園が恐ろしい暴力にいつも取り巻かれていることの自覚なんだろう。

    それでも、オースター作品のなかでは、ポジティブで楽天的なトーンがめずらしく支配している。
    作者はこの街が好きなんだな、というのが伝わってくる。

    オースターだから退屈はしないしなかなかいい話だとは思うけど、初期作品にあった、あのドキドキするような不安な輝きはやっぱりこの作品にもない。この後の作品もおんなじなんだろうか。3.5点です。

  • 「静かに死ねる場所を探して」ブルックリンにたどり着いた主人公ネイサン、文学青年としての明るい将来を捨ててタクシードライバーを経て古書店員になった甥のトム、そしてトムの雇用主であり、詐欺で投獄経験のあるハリー。このいかにもイケていない男たちをめぐる再生の物語。
    ただでさえ、オースター作品は読む手を休められないのだけれど、この物語での語り口は、彼にしては軽快で喜劇的なものだから、寝不足と引き換えに二日で読み切った。
    堕ちてゆく男たちについては、これまで何度か取り上げられているが、本作での目線はこれまでになく暖かい。まだまだイケるよ、と背中を押しているかのように。実際、ネイサンは確実に成長した。根っこが蝕まれてさえいなければ、誰でも再生できるチャンスがあるんだよ。そう語りけているかのような、人間への、いや、もっと言うと、中高年への応援歌にも読める。
    ところで、この物語では伯父ネイサンと甥トムが完全に同士になっている。そこには目上・目下の感覚はなく、互いを尊重しつつ目の前の問題に取り組んでゆく。こういう素敵な関係が日本で書かれるのは簡単でないだろう。

  • 久しぶりに小説。面白かった。たまにはね。

  • 面白かったです。ポール・オースター結構読んでるけど、その中でもかなり読みやすくて、オースター初めての方にもおすすめ。
    映画「スモーク」が好きならこれも好きなはず。
    読み終わって、登場人物とお別れするのが少し寂しいほどに、ブルックリンライフに浸れました。いいなーNY!

  • やっぱりポール・オースターだなぁと思った一冊です

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