複雑系

  • 新潮社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (524ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105331016

作品紹介・あらすじ

今、米国サンタフェ研究所に驚くべき科学革命が進行している。なぜ、ソビエト連邦は劇的に崩壊したのか。なぜ、1987年10月、株式は暴落したのか。なぜ、恐竜は絶滅したのか。なぜ、アミノ酸は生命と化したのか。なぜ、人口問題は防げないのか。なぜWINDOWSは圧倒的なシェアを握ったのか。生命とは何か。進化とは何か。精神とは何か。全ての鍵は「複雑系」にある。

感想・レビュー・書評

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  • 1996年刊行。

     物理から生命現象、経済、気候現象など文理を問わず広範なテーマに関して影響を与える「複雑系」。
     本書は、それについて、キワモノ扱いされてきた「複雑系」が、戦後しばらくして学問として成立していく過程から説き起こしていく。そして、気鋭の研究者が集うその場所はサンタフェ研究所。

     関係者の素描も多く読み応えのある一書である。

  • 2016/05/26 読了

  •  床屋の帰り道、駅前の中古本屋の店外スペースに置かれていた本である。雨ざらしだったのか紙面に水濡れシミがあり、手にするとホコリだらけだった。表題に興味をもち購入する。

     重い500ページのホコリだらけの本を毎日めくて、最先端科学?複雑系について知ろうとするのだが、内容がサンタフェ研究所の博士たちがうんたらかんたらとだらだらつづくには辟易された。本書で知りえたのは訳者のあとがきに記載がある「自然が単純を好むとは静的な世界でのこと、ダイナミックな創発の場は自発的に自己組織化、進化することで自然は複雑を好むようになる」(P522参照)それで?だからなんだってのと突っ込みを入れたくなるとっても分厚い本であった。

  • サンタフェ研究所の生い立ちが良くわかる本

  • 様々な分野の専門家が分野をまたいで創発していくストーリーがわくわくさせる。既存のオーソリティから異端扱いされていた学者が異分野の仲間と出会い自らの方向性を再確認するのは現実の仕事のシーンにおいても勇気づけられる。

  • 還元主義に基づくいわゆる「科学」とは、「生きている」ものを一旦「殺し」、ばらばらにして冷静な視点で分析することが基本原則だったといえる。それは今でも一定の成功を収めている。ただ、その手法は当然ながら万能ではない。しかも世界中で、ひたすらに細分化する「理論」たちはいわばタコツボにはまって、科学全体の状況(社会科学、人文科学も含めて)はカオス状態に陥っているという、なんとも皮肉な状況らしい。いわばその「カオス」に対応すべく起こったのが、「複雑系」の一連の動きということだ。その動きで特に有名なのが、サンタフェ研究所の活動らしい。そこではタコツボにはまらず、軽やかに異分野科学(たとえば経済学と物理学)の知的交歓を行う優秀な科学者たちの物語が描かれている。文系学部生の自分が読むと、正直プログラミングとかコンピューテーションの話などは意味が理解できず、何が問題なのかがわかりにくかった。しかしそこは我慢して読み通しても、知的刺激は多くあり、大変考えさせられる。静的な「死の法則」に対応するもの、それは動的な、いま直面する「生」である。それとどう向き合うかがいま、そしてこれからもずっと問われているのだ。本書では人間面にスポットを当てているため、複雑系の詳しい考えかたについては、自分の関心に即した専門的複雑系本を読むといいだろう。

  • アメリカ:サンタフェ研究所で進行している科学革命…なぜソビエト連邦は劇的に崩壊したのか?なぜ1987年10月株式は暴落したのか?「第7章 ガラス箱の中の経済 株を売買するコンピュータ」を読むだけでもはまりそう…

  • 本自体の構成も
    個々の研究者をエージェントに見立て
    それぞれが独自に見解で行動した結果
    サンタフェ研究所が自己組織化していく
    ように書かれている。

    たまたま分野的に興味もあって
    最後まで楽しんで読めた。

    ただ、よく登場する日本人。
    アメリカの安定を脅かすもの。
    としてたびたび登場する。

    中国といいアメリカといい
    あんまり良く思われていない無いみたいだ。

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