- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784105372071
感想・レビュー・書評
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話がどんどん膨らんでいく。あっちからもこっちからもストーリーが押し寄せてきて目が回るような読書体験。
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去年から積んでおいたV.やっと上巻読みました。相当集中しないと読めません。密度が濃い。
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ぶっ飛んだ話も非常に多い。鼻を整形手術する描写では、モゾモゾしてしまった。他に、地下水道でのワニ狩りとかつてそこでネズミ相手に布教活動をした神父の話、暴動を起こすのか絵画を盗むのかてんやわんやするフィレンツェの話が面白かった。
V.に関してきちんと解き明かされるのか?怪しい気がするが(ただの誇大妄想かもしれない)、それも含めて、下巻も楽しみ。 -
帯に池澤夏樹さんの「今さら「V.」について何か言うことがるだろうか。」との言葉がある。僕が「V.」について知ったのは、30年真に読んだ池澤さんの「小説の羅針盤」での書評と思う。いつかは読もうと思ってから随分時間がかかった。最近では松岡正剛さんの「方法文学」での紹介もあり、いい加減に手を出さないとと思い、本屋に注文した次第。
「V.」を探し求める話ということは耳にしたし、何が何だか判らないということも聞いた。兎も角、心して読み始める。
主人公の一人、プロフェインが聖夜に軍港に登場する。海軍仲間との莫迦騒ぎは、猥雑でパンクとしか言いようがない。彼は、何の感情もなく仲間たちの中に流されていく。やがて、地下道でワニ退治を務める。語られるのはネズミ達を改宗しようと励んでいた神父の話。神父はV.こと、ベロニカというネズミと魂を通わせたという。
(引用)V.は修道女になりたいと云う。その気持ちが伝えられたとき、私は、現時点で彼女が所属できるような公式の女子修道女がないと云った。
一体、僕は何を読まされているんだ、という気も嘘じゃない。しかし、ごちゃごちゃしてるのに、変に引き付けられる文章で、そこそこの文章量が苦にはならない。
判りづらいのは第三章である。
唐突にもう一人の主人公、ステンシルの父親の物語が始まり、その語り手が第三者であり、それが色事師のウェイター、レストランの下働きに駆り出されたアナキスト、落ちぶれた芸人、列車の車掌、馬車の御者、軽業師の泥棒、ビアホールの女給、とコロコロ変わる。しかも彼らが登場人物をしっかり把握しているわけじゃないから、何が何だかということになる。
以下は自分が読み返すときのための忘備録
サー・アラスター・レン:英国貴族
ビクトリア・レン :その娘
ミルドレッド :ビクトリアの妹、11歳ぐらい
シドニー・ステンシル :主人公の父、デブ、金髪、
ポーペンタイン :父の同僚、ツイードを着ている。段々顔の日焼けが酷く。
グッドフェロー :ポーペンタインの相棒。ビクトリアと恋仲。白髪
ボンゴ・シャフツベリー:ドイツ人
レプシウス :ドイツ人
でも、これは間違っているかもしれない。
最後の殺人シーンは誰が誰を殺したんだ。読み返したら、かえって判らなくなった。
父ステンシルの話は、探検家ゴドルフィン、その息子エヴァンへと続く。ボッティチェリの「ビーナスの誕生」の盗みと革命騒ぎが交錯し、ゴルドフィンの口から南極大陸のヴィーシューの氷の下の七色クモザルの死体が語られる。思わず、なんじゃそりゃ、と思う。
確かに面白いが、どう説明していいんだか判らない小説だった。その意味では予想通りなのかな。 -
世界最高峰ともいわれる著者のデビュー作。覚悟をもって読むべし。
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世界一周をしているような雰囲気に浸れる。
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4.16/471
『ヴィクトリア。ヴェロニカ。ヴェラ。……世界史の闇に? 遍在し? 暗躍する? 謎の女? V.。彼女は実在するのか? 聖なのか魔なのか? 謎に憑かれた男ステンシルとダメ男プロフェインの軌跡が交わるとき――。奇っ怪にして爆笑のエピソードを満載した天才の衝撃的デビュー作、20世紀文学の新古典が、30年の時を経てついに新訳!』(「新潮社」サイトより▽)
https://www.shinchosha.co.jp/book/537207/
原書名:『V.』
著者:トマス・ピンチョン (Thomas Pynchon)
訳者:小山 太一、佐藤 良明
出版社 : 新潮社
単行本 : 382ページ(上巻)
メモ:
・松岡正剛の千夜千冊 456 夜
・死ぬまでに読むべき小説1000冊(The Guardian)「Guardian's 1000 novels everyone must read」 -
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1回読んだだけだと主要人物が誰かということしかわからなかったので、感想は再読してから… でも触媒的な女性の描き方とか何故かモテる僕とか、ハルキぽくて好きじゃないんだ…