- Amazon.co.jp ・本 (621ページ)
- / ISBN・EAN: 9784105372101
作品紹介・あらすじ
1984年、夏。別れた妻をいまだ忘れられぬゾイド・ホイーラーは、今年もヴァインランドの町で生活保護目当てに窓ガラスへと突撃する。金もなく、身動きもならず、たゆたうだけの日々。娘のプレーリーはすでに14歳、60年代のあの熱く激しい季節から、どれほど遠くまで来てしまったことか-。だが、日常は過去の亡霊の登場で一変する。昔なじみの麻薬捜査官が示唆したあの闇の男、異様なまでの権能を誇り、かつて妻を、母を、奪い去ったあの男の、再びの蠢動。失われた母を求める少女の、封印された"時"をめぐる旅が始まった。超ポップなのに、この破壊力。作品の真価を示す改訳決定版。
感想・レビュー・書評
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あ、あ、あほうであるー!読書でこれだけ爆笑したのは何年ぶりだろ。TV番組や映画、音楽など無数の固有記号を散りばめつつハイテンションで突っ走っていく超ポップな物語。とにかく、シャブ中のドスケベジャップ、フミモタ・タケシと怪しい忍術を操るくノ一・DLチェイスティンのコンビが反則級なまでに笑わせてくる。言うもはばかる忍法奥義「チンピラ・ゴジラ」って何なんですか先生。こうした笑いに縦軸としてのアメリカの歴史を組み込んでいく辺りはさすがのピンチョンと言いたい所だけど、まずは単純に快哉を叫びながら楽しむべし。最高だ!
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いつものピンチョンらしく登場人物が多く、今誰の話なのかも不明瞭なところが一筋縄ではいかない小説なのですが、天邪鬼な私はこの手の小説に惹かれるのです。登場人物が俗語混じりで話すシーンが多く、映画を見ているような感覚で読めた。赤ん坊のプレーリーが可愛く描かれていたのが良かった。
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ものすごく面白かった。
場面や視点の変化が目まぐるしくて私の読解力では理解が及ばないところが多々あるのでまた読みたい。
アメリカのサブカルチャーに詳しければもっと楽しめただろうにと思う。
先が気になるのに、情報量が多すぎて疲れてしまい毎日少しずつしか読み進められない本だった。
個性的すぎる設定や登場人物たちのやりとりが軽妙で読んでいて楽しかった。
くノ一のエピソードが好き。かっこよすぎる。 -
トマス・ピンチョン著、550Pくらいある長編小説。60~80年代アメリカを舞台に、突き抜けたポップさ持つ人物達やサブカルチャーがこれでもかというほど詰め込まれている。数十年の規模で視点は揺れ動き、記憶のフラッシュバッグが現実に差し込まれ、時系列はかなり入り組んでいる。
どう評価したらいいのか迷ってしまう小説だった。おそらくこれはアメリカのオタク(日本的に言えば)による小説なのだろう。はっきり言って私はこういうポップな小説が好きではないのだが、これだけの濃さと重量で書かれると、あまりに突き抜けていてかえって嫌気も差してこない。ゴジラや忍者が出てきたり(日本ネタが結構多い)、大学で革命が起きたり、そこら中でロックンロールと麻薬が蔓延していたり、実名のまま映画やテレビ番組やロックの曲が乱発したり(まさに乱発としか言いようのないネタの量)、この時代の特徴を事細かに際立たせ、ギャグなんだか真面目なんだかよく分からない世界が展開している。全てのネタを理解することは日本人の私には到底不可能だった(訳者による分厚い解説があったおかげで、かろうじて六割ぐらいは理解できた)。それでもこの著者の持つ狂気のような下調べの情熱は伝わってくるし、異なる時系列をシームレスに並べる能力は独特だ。 -
単純に読んで楽しいというよりは文学っぽいテイストなのだろうけど、最後まで次の展開がまったく想像できないように巧みなストーリーテリングとヒッピー的な要素を大量に投下したキャラクターの型破りな会話の楽しさが重なって最高に楽しい本でした。
自分はアメリカのサブカルは詳しくないけれど、この本を読むとやはりすごい蓄積があるんだなーと今更ながら意識しましたよ。 -
2022.5.30
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熟読しても面白いけど、略読でも楽しめる。
しっかり理解しようと思うと難解、
乱読するなら、飲みながら軽く楽しめる、
非常にコミカルな作品。 -
やばすぎる謎の作家トマスピンチョンをこれから読みます。楽しみだ!
超ポップ、そして感動的。 -
場面転換が明示的ではないことが多いから,うっかりしているといつの間にか場面が変わっていて,そのせいか読んでてくらくらする.あと,関係ないけどニンジャめいた要素が出てきて頭の中で微妙に忍殺語に変換されてしまう.
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ピンチョンの描く「アメリカ」。それは、着色料たっぷりのケーキ。ネオンライトのカウボーイレディ。キャプテン・ビーフハートやフランク・ザッパ。
そんな、やりすぎちゃっているのに、どこかポップなカルチャー。これが、私は好きだ。
個人的には、ゾイドはデヴィッド・アレンみたいな風貌かもしれないと思い、ちょっと面白かった。
トマス・ピンチョンの作品






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