暗号解読: ロゼッタストーンから量子暗号まで

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (509ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105393021

作品紹介・あらすじ

最先端領域に宿る天才たちの壮絶なドラマ。歴史の背後に秘められた、暗号作成者と解読者の攻防-加速する情報戦争の勝者はいったい誰か?『フェルマーの最終定理』に続く世界的ベストセラー、待望の完全翻訳版。

感想・レビュー・書評

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  • 過去の暗号がいかに解読されてきたか、具体的に解説されており思わず引き込まれる。
    暗号解読によって戦争の趨勢が大きく変わる。
    エニグマ暗号の解読により日本人の多くの命も救われた。
    後半部分の公開鍵暗号(現実的に解読不能)から量子暗号(理論的に解読不能)のくだりはまさに秀逸。
    量子暗号は実用レベルには程遠いが、公開鍵暗号はまだしばらくは生き延びられそう。
    「フェルマーの最終定理」も「暗号解読」も本来難しすぎる内容だと思うが、素人にもわかるように面白く伝えるサイモン・シン&青木薫のコンビは素晴らしい。

  • さすがはサイモン先生らしい、過不足ない筆致。
    門外漢の頭を悩ませてなんぼの暗号、その歴史を(上澄みだけでなく原理まで)丁寧に書き起こしたら読者を選ぶものになるはずである、フツウ。本腰を入れて読む前にヴィジュネル暗号の表を見ただけで目がちかちかしたぐらいなのだから、ドイツ軍の最強の暗号機エニグマや現代のコンピューター暗号の話題になんて、ついていけるかと癇癪を起こしたくもなる。が、順を追って読んでいくと、ちゃんと分かる。前世代式の暗号よりも複雑な原理が登場してこちらの意識が飛びかける絶妙なタイミングを狙って「たとえば」「こう考えてみよう」と噛み砕く時間を与えてくれる。なるほどとこちらが膝を打つまでの時間配分が的確。そのおかげで暗号作成者と暗号解読者の永きに亘る闘いを終始一貫集中を保ちながら目撃できる。最新式の量子コンピュータと量子暗号の原理まで学び切ったときの高揚感たるや。
    サイモンの著書はどれも、登場人物たちの顔写真や肖像画を見るのが醍醐味だ。これこれの経歴を送ったのち学界に驚くべきパラダイムシフトをもたらした者と聞くと、その顔に何か納得がいったりする。顔写真こみこみで『暗号解読』でいちばん強烈な印象を残した人物を挙げるならクリフォード・コックス。誰かがヒイヒイいいながら辿り着いた結論を半時間で導き出して、しかもその重大性に気づかずに笑っている、清々しい軽さ。白髭のホイットフィールド・ディフィーや死神的風貌のデイヴィッド・ドイッチュも、功績と顔つきともども好きだ。学者に「推し」ができるとは滅多な経験である。
    ああ、サイモンの本はあらかた読んでしまった。新作が待ち遠しい。
    それを待つ間、本書の訳者、青木薫の手がけた書物を漁ろうかと思う。

  • 暗号とその解読について古代から順を追って説明されています。
    コンテンツの内容自体も大変面白いのですが、
    この本の一番スゴイところは、
    こんなにも難しいハズの内容をトンデモナクわかりやすく説明しているところにあります。
    マジ感激!サイモン・シン恐るべし!!
    必読の一冊です。

  • 暗号は何千年も前から研究され、時に決定的に人類の歴史を左右してきた。本書は、古代の暗号から現代のインターネット上の暗号、最先端の量子暗号まで、正確な技術的解説と共に、暗号研究にまつわる驚くべきドラマの数々を描き出す。

  • 暗号を制するものが社会を制する
    暗号の仕組みや暗号製作者と暗号解読者の戦いの歴史がわかる一冊

    解くのに2世紀かかった暗号も驚きだし、
    解読者視点の推理はめちゃめちゃおもしろい

    理屈はわかっても、気が遠くなるほどの作業と、頭の回転や閃きが必要で、心折れずに続ける努力と才能が必要だ
    自分の一生をかけて暗号を解く、なんてロマン!

  • 骨太な一冊。過去からの暗号の歴史と今後の展望に至るまで、理論とそのわかりやすい説明、実際に使われた場面とそこにあった物語。
    暗号を通して語られる人間ドラマが面白く、読み進める原動力になった。

  • 暗号解読の歴史。全部網羅している感じ、どこかにフォーカスしていた方が読みやすいかも。エニグマの話は面白かった。調査力はすごいと思えた本。暗号自体は知らないので理解が行き届かない。

  • シーザー暗号、DES暗号、RSA暗号、量子暗号…暗号の歴史とともに、それにまつわる物語がわかりやすく書かれていた。チューリングがエニグマ解読をしていたなんて全く知らなかった。暗号化を学ぶ上での必読書かもしれない。専門的でありがら入門である一冊。

  • おそらく統計やらアルゴリズムなんかの問題を扱っている本な割には知識をあまり必要とせず、読みやすいものであるし歴史をなぞってくれることでそもそもどういう意識のもとでこの暗号を創りだそうと考えたかがわかるのがこの本にのめりこみやすくなるポイントだったと思う。

    個人的にはやっぱりⅠ~Ⅲ章までのアルファベットの暗号化を解いて更に強いものに変えて・・・となる変遷が一番興味を引かれた。

    あといわゆる学問の方向性としてこういう分野があるんだって言うのは知っていたが、どういう風に評価されてきたのかとを大まかに知ることができたのは良かった。

    ノンフィクションってあんまりよまないけど歴史のロマンっぽい側面が出てるいい本だと思う。

  • 物性研の所内者、柏地区共通事務センター職員の方のみ借りることができます。
    東大OPACには登録されていません。

    貸出:物性研図書室にある借用証へ記入してください
    返却:物性研図書室へ返却してください

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著者プロフィール

イラストレーター

「2021年 『世界じゅうの女の子のための日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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