贖罪

制作 : Ian McEwan  小山 太一 
  • 新潮社
4.06
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本棚登録 : 295
レビュー : 40
  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105431013

感想・レビュー・書評

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  • 大好きなマキューアンの中でも本当に大好きで大切な一冊。
    読んだ直後の感想を発見したので貼っておく。

    これ、すごい。これこそ文学。
    まだ3月だけど、今年一番印象に残る本になりそう。
    これ読んでまた初めての読書体験してしまいました。上巻読んでいるとき、あまりの怒りで電車の中の見ず知らずの人にいきなり殴りかかりそうになり。(本そのものや作者への怒りは白石一文で経験済みですが)本の内容というか出来事にこんなに怒りを掻き立てられるなんて驚きだよ。あまりに頭に血が上ったので、電車の中で日能研の問題を解いてみたりもした。その勢いで下巻も一気に読んじゃった。1時30分に帰ってきてすぐ読み出して3時30分まで一気読み。
    わたしは小説を書こうと試みたことはないけれど、小説を書きたいと思う人はこういうのが書きたいのではないかしら?文学を志しているなら読んだほうがいいと思う。

  •  田園の屋敷の心温まる光景がじわじわと破局に向けて進んでいく展開が心苦しい。幸福を目の前にして引き裂かれる恋人たちのその後には第二部と第三部で2度胸を打たれた。小説家が登場人物を物語の中で幸福にするのは、それしか方法がないからだ、というのがとても切ない。〈神が贖罪することがありえないのと同様、小説家にも贖罪はありえない――たとえ無神論者の小説家であっても〉という一節が読み終わったあとにじんと来る。

  • (?)

  • 登録していなかったので、ブクログを始める前に読んだと思われる。
    新聞の書評を見て興味を持ったと記憶しているが、緻密な人物描写に圧倒された。

  • 艶かしい文章と緊迫した苦しみそして傷みを伴う物語。

    この本の著者イアン・マキューアンはイギリスのブッカー賞を受賞した作家。
    同じく私の好きな作家カズオ・イシグロもこの賞を受賞していて、その繋がりでこの作家を知りこの「贖罪」を読んでみることにしました。
    (実際の受賞作は「アムステルダム」だが、それよりも受賞を逃した「贖罪」の方が評価は高い。)

    物語は夢見がちな1人の少女がついた嘘(間違い)と、その嘘に人生が大きく変わってしまった人達の物語を描いている。

    こうやって私の言葉で説明をするとなんて軽い物語に見えてしまうんだろうと反省する。
    この物語は凄く重厚に作られていて愛や罪をテーマに深く…時々傷みを伴うぐらいに煮詰めて描かれている。一方的な愛と一方的な誤解、そして自分が正しいと優越に浸る自己愛。
    ただ…深すぎて私が持つ言葉では表現出来ない。

    物語は第一部と第二部にわかれていて、あまり重要じゃない登場人物が多すぎるという印象を持ったが、これが実は伏線で第二部で巧妙な役回りを果たしている。
    そしてそれがより物語の内容を深く重厚にして、この嘘をついた少女を追い詰め、彼女の罪が絡めた糸のように離さず許されない。

    凄く繊細で抽象的な人物たちの心が…なんというか、言葉に出来ない。
    独特な世界観を醸し出す物語だと言うしか私には言えない。
    この登場人物たちのように苦く痛みを伴わせ、そして読み手に同じ感覚を味遇わせるのが作家の思惑なら…私はこの作家の思惑通りになってしまったのだと思う。

    私の好きな本に入るかといったら凄く難しい。
    理由は最初の100ページ程が読むのに辛く、読み終えて全体を把握するとこの100ページ程は本当に必要だったのかと疑問に残ってしまうからです…。

  •  第一部は姉・妹・母親など視点がどんどん替わって、読んでいてやや疲れました。でもそこを越えるとロビーの第二部、ブライオニーの第三部、そして1999年。いきおいで読み切りました。長い、重い。でもこの作者の別の作品を読んでみたいという気になります。
     ところで『贖罪』で検索すると湊かなえさんの方が先に出てくるんですね。

    ※文庫あり

    (図書館で借りた本)

  • 西村玲子さんおすすめ。

    登場人物の心理や行動の描写が細かい。

  • 理解できなくて、母親に結末の意味を知ったとき泣いた。ぜひ再読したい作品。

  • 第一部の少々鼻に付く自意識ぶり、第二部の戦場の描写の生々しさ、そして第三部でそれぞれ別の視点から描かれた物語が収斂し…と思っていたら、何か白昼夢のような印象。3度繰り返され、上書きされる「贖罪」の意味。そして、最終章。

    何をもって罪となし、何によってそれは購い得るのか。
    罪を購うとは何なのか。

    登場人物たちの人生を囲っている二度の大戦は、このタイトルとテーマを包括するものとして配置されているように思えた。
    個々の登場人物の罪や後悔や自己欺瞞。それら無数の思惑や祈りが太く紡がれ、戦争という大きな罪として結実し、個々の傷みや罪として再び個に還っていく。
    マキューアンは、その「贖罪」を1つの回答として示してはいない。
    読後、重い何かが手渡されたような感触を持ったのは、その問いがマキューアンによって手渡されたからなのかもしれない、と思う。

  • 久々に読んだ海外小説。面白かったのでマキューアンいろいろ読む!

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