贖罪

制作 : Ian McEwan  小山 太一 
  • 新潮社
4.06
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本棚登録 : 296
レビュー : 40
  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105431013

感想・レビュー・書評

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  • 幼い少女の純粋さ、愚かしさ、全能感、すべてが安全だという感覚、新しい世界に触れたときの眩暈がするような驚き。
    そういった「一人の繊細な少女」を形成する要素のひとつひとつが、肌で感じられるくらい近くに描かれていて、冒頭の幸福な劇準備の様子から、やがて彼女が引き起こす罪まで一気に読ませられました。

    ここまでの事を引き起こしてしまった後では、どんな行為も贖罪にはなり得ないと思いながらその後を読み進めていましたが、最後の最後に、今まで読んできたものがなんだったのかを理解したときに、過ぎ去った彼女の年月の重さ、抱えてきた思いが、堰を切るように一気にこちら側に流れ込んできて、呆然とするとともに胸を打たれました。

    彼女の「贖罪」が正しいことかはわかりませんが、年月を経て、すべての人々がいなくなった後にも残るだろう彼女の贖罪の姿には、せつなさと、祈りにも似た思いと、ある種の美しさを感じます。

  • 出だしなかなか古めかしい世界になじめず、挫折しそうになった。おもしろいといえば、おもしろいけど〜

  • 2010.1.30読了

  • 久々にずっしりくる読後感。しばらくその世界から離れられなかった。物語をめぐる物語であり、その意味ではっきりと現代文学でありながら圧倒的なリーダビリティがある。恋愛ものであり、戦争物であり、成長物語でありながら、そんな枠にはおさまっていない。構えの大きな小説だ。

  • 「つぐない」という映画の原作で、イギリスでは2001年の発表、日本では2003年発行。
    13歳の少女の誤解から姉と幼馴染みの恋が無惨に壊されてしまう。
    空想的で感性はあるが思いこみの激しい少女と、周りの人間の抱えている性格的な弱さや置かれた立場による苦しみがどう作用したか。
    真実に迫ろうとする筆致は迫力に満ちています。
    大戦によってまた人は翻弄され…一生をかけた償いという意味は次第にわかってきます。
    作者は76年作家デビュー、98年の作品「アムステルダム」でブッカー賞を受賞してます。

  • マキューアンの乾いた文体からつむぎだされる少女のみずみずしさから一変し、大人になった時世界がどれほど違って見えるか。
    映画も、原作も共に素晴らしい。

  • 洋物は苦手ですが、なんとかよみきりました。
    第1部はあたまでっかちな青年、少女がわんさか出てきて読みづかれ。
    でも2部3部とひきこまれていきます。

    そして最後にあかされるしかけに絶句。

  • 最後に、陳腐な救いがないのがいい。真ん中あたりの、敗走兵の記述に圧倒される。これを読んだ後、どんな言葉や態度で謝っても無駄とさえ思う。してしまったことに、一生かけて償うしかないのだ。

  • 映画「つぐない」の原作ということで読んでみました(映画は観てませんが…)。重厚な文章で綴られていく物語。正直なところ、タイトルのわりにあまり罪の意識を感じてないようで、ブライオニーの高慢さにちょっとイラッとします。彼女は「作家である自分」にずっと酔い続けているだけなんじゃないかと、そんな印象を受けました。/(2008.03.22読了)

  • 読み始めてすぐに偶然にも映画を見てしまいました。(もっともアカデミー賞がらみで映像を見せられ続けたら、嫌でもイメージが固定してしまいますね。)まあ、映画はエッセンスを取り出してよく映像化したと思います。自分としてはどちらも好きな作品です。印象的な言葉は‘愛と忘却’です。うーん、神さまにはこの二つしかなのでしょう。人間が人を宥すことの難しさを、小説を離れて考えてしまいました。

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