ケプラー予想

制作 : 青木 薫 
  • 新潮社
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本棚登録 : 93
レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105454012

作品紹介・あらすじ

1590年代末、新世界への冒険の船旅に乗り出そうとしていたひとりの英国貴族の問いから、ある疑問が生まれた-船倉にもっとも効率よく丸い砲弾を積み込む方法とはどんなものだろう?1611年になって、大科学者ヨハネス・ケプラーがその問いに答を出したかに見えた。いわゆる「ケプラー予想」である。だが、それを数学的に証明するためには、以後400年近い歳月が必要となったのだ…。「フェルマーの最終定理」に並ぶ超難問として知られ、1998年に若き天才数学者トマス・ヘールズが最終証明を果たしたことで数学界に衝撃を呼んだ「ケプラー予想」をめぐる、4世紀にわたる数々の有名数学者達の苦闘と、彼らのユニークな横顔を描く、興奮の数学ノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • その昔カール・セーガンの「コスモス」で、ケプラーが正多面体をこねくり回している姿を見た記憶があるが、数学の未解決問題に挙げられているとは知らなかった。ピタゴラスの定理の証明などは、読んでわかって納得する感じが楽しいが、最適化問題として計算機で証明される定理というのは、理解可能かどうかはおいておいて、読んで楽しいのかどうか。そのうち問題提起から証明まで全部コンピュータで行われる時代がやってくるに違いない。数学の進歩という観点からみれば、きっと喜ばしいことなのだろう。

  • 「ケプラー予想」とは、「球をできるかぎり高い密度で詰め込む方法は、八百屋がオレンジやトマトを積み上げる方法と同じである」という予想です。これは惑星の公転運動で有名なケプラーが1611年に予想したことで、直感的には分かりやすいですが、証明するのが意外に難しく、約400年もの間、様々な天才数学者が格闘した挙句、ようやく1998年に証明された、という物語です。ニュートン、ガウス、ヒルベルトなどの有名人があの手この手で関わった歴史も興味深いですが、このような幾何の証明問題(「○○を満たす方法はこれが最良である」の証明)はこれまで考えたことが無かったので、そのアプローチの仕方も新鮮でした。1つの球の周囲に12の球を付ける方法が無数にあるとか、そのうちの1つ「ダーティー・ダズン」の可能性を排除するのが最大の難関であったとか、蜂の巣は3次元では最適(最小表面積)な形ではなかったとか、意外な面白さもありました(...と言っても何のこっちゃですね)。最終的にコンピュータでしらみつぶしに計算した結果を用いているところは私も少しすっきりしない印象を受けましたが、果たして今後それを解消する数学者が現れるのでしょうか。。

  • 教員からのコメント:ケプラー予想が解かれるまでの物語

  • 「球をできるだけ高い密度で詰める方法は、オレンジやトマトを積み上げる方法と同じ」経験でわかっているこの考え方が、数学において証明されていなかったという事実にとても驚いた。
    400年近く証明不可能であったこのケプラー予想が証明されるまでを解説した本。

    高校生の時に読んだ。実力試験で円の問題が出たが、解説の中で数学教師もこの本読んでたことがわかった。結構好きだった先生だったから嬉しかったのを憶えてる。

  • 高次元充填問題

  • 「球の最も密な充填構造は六方最密充填である」という予想が正しいことを,トム・ヘールズが約400年ぶりに証明した(1998年)。四色予想と同様,コンピュータを用いた証明である。
     格子状の球配置に限ったケプラー予想はガウスによって証明されていたが,不規則な球配置を許容したときに,六方最密充填より密な充填ができないことを示すのは非常に難しかった。
     ほとんど自明に思える,円の最密充填(どの円にも6個の円が接する格子状の配置)についてさえ,証明されたのは20世紀の中ごろである。ケプラー予想では,最密充填に起こりうる局所的パターンが多くあり,それらをすべて数え上げ,それぞれについて計算し検証する必要があった。そのため,コンピュータの使用が不可欠であった。

  • あまり興がのらず,途中でやめてしまった.

  • 八百屋の店先に積み上げられたメロンは、一個の回りに十二個が接している。八百屋の主人は当然知っていて、物理学者にも自明のことだが、数学者はそのことの証明に400年を掛けた……。

    17世紀にケプラーが予測し1998年にトマス・ヘールズが証明した数学界の難問「ケプラー予想」を、その発生から解法の歴史を辿った物語。同じく数学界の難問を扱ったサイモン・シン著の「フェルマーの最終定理」を彷彿とさせる本です……というか、著者自身がシンの影響を言っています。

    きっかけとしては、シンの著作を訳している青木薫氏の訳だから、という理由で読み始めました。果たしてシンの著書が読みやすいのは、原文が平易なのか訳者が優れているのか……結果、その双方であることが確認できました。本書は、訳者の頑張りは見えるし、著者も頑張っているのでしょうが、やはり元の説明、解説が難しい。

    ということで、ある程度本書を楽しむためには、それなりに数学を学んでいなければ厳しいです。少なくとも、高校の中頃で諦めた、代数、微分、積分が分からないワシではかなり厳しかった。

    また、数学者たちの人間ドラマも、少しわざとらしいというか、演出過剰に書かれているんじゃないかな、と感じました。さりげなさがない。シニカルな言い回しなどは面白いのですが、それもちょっと鼻につきました。

    総論としては、400年を閲した問題なのでそれを巡る様々なドラマは面白いんですが、少し書き方に残念なところがある。また数学的説明自体も難しく、問題そのものに迫るにはそれなりの知識が必要。ということで、悪くはないけどなー、という感じでしょうかね。

    (2007年読了)

  • ちょっと難しい…第11章からはだんだんわくわくしてきましたが。

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