巡礼者たち (新潮クレスト・ブックス)

制作 : Elizabeth Gilbert  岩本 正恵 
  • 新潮社 (1999年2月発売)
3.47
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  • 23レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105900076

作品紹介

表舞台とは無縁の人々に突然訪れる「人生の一瞬」。アメリカの新人文学賞をダブル受賞、インターネット書店アマゾン・コムの読者採点でも満点続出の、希有な短篇集。

巡礼者たち (新潮クレスト・ブックス)の感想・レビュー・書評

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  • 私は読書が好きだが、読書以外にもしたいことがたくさんある。だから長編小説を読んでいて、「あ、ダメだ。文体が嫌いだ」「内容が薄いな、好きじゃないな」 と思ったら、その先はもう読まない。自分にとって重要でない本を読むのに費やす時間はない。
    だが短編小説の場合はその見きわめが難しい。ある作品を読んで 「つまらない」 と思っても、「次の作品はおもしろいのではないか? ここで読むのをやめるのはもったいないのではないか? まだ読んでいない最後の 2 篇が、もしかしたら大好きな作品かもしれない」 というもうひとりの自分の声に誘惑されて、なかなか 「もうやめた!」 と踏ん切りをつけられないからだ。
    この本についていえば、最初の 「巡礼者たち」 は好みではないけれどエネルギーがあって 「読ませる」 かんじ。「東へ向かうアリス」、「撃たれた鳥」、「トール・フォークス」、「あのばかな子たちを捕まえろ」、「デニー・ブラウンの知らなかったこと」 はそれなりにおもしろく、悪くない。でもその後の 「花の名前と女の子の名前」 と 「ブロンクス中央青果市場にて」 がなんとも退屈でどうしても読み続けることができなかった。バスルームに 2 週間置いてみたけれど、どうしてもこの本を手に取る気にならず、他の本を読んでしまう。このまま読み続けるのは苦痛でしかないので、もったいないけれど途中でリタイヤすることにした。
    なにがダメなんだろうなあ。いまや翻訳小説か字幕の世界でしか生きていない古風なセリフまわし? 悪い作品ではないと思うんだけど、どうしても好きになれない。エリザベス・ギルバートは 「食べて、祈って、恋をして」 の評価も高いので読みたかったんだけどなあ。こんなに好みに合わないなんて残念。翻訳者が別の人ならひょっとして読めるかもしれないけど、当分彼女の作品は手にとりたくない。

  • 2017/10/11

  •  “棕櫚の葉もてる巡礼者は異境を求めて行かんと冀う―”

     この世には人の数だけ人生があります。だけど私たちが知るのはそのごく一部。体感できるのはたったひとつだけです。それはあまりにももったいない。E・ギルバートによって書かれたこの本はその中の幾つかを紹介してくれます。

     『東へ向かうアリス』

     町へ向かう主人公が出逢ったのは、トラックが故障しひまわり畑で立ち往生する兄妹。二人との会話が思い出させる忘れかけていた辛い過去と向き合うべき現実。死ぬことと死にかけることの違いとは。

     『花の名前と女の子の名前』

     ありし日の祖父が一目ぼれし虜になった女性歌手。彼女を画に描こうと本人に逢いに行くが。やがて当時の祖父の大叔母と現在の彼の姿が溶け合い、最後に残るのは全ての花の中でもっとも痛みを抱えた名前だけ。

     『華麗なる奇術師』

     人には分からない強い絆で結ばれたオーナーとマジシャン。泥棒や兎に振り回される悲哀に満ちた数奇な運命を辿る彼ら。数々の涙の末に、魔法のごとき奇跡を起こす小さな奇術師の姿を見ることができます。

     その他『撃たれた鳥』『あのばかな子たちを捕まえろ』等、表題作を含む全12編の物語。老いも若きも、男性も女性も、平凡すぎて世間に埋もれた無数の生き方だからこそ、時には触れてみる価値があるのだと思います。

     そんなお話。

  • 12本の物語が収録された短編集です。
    海外での評価も高いということで、期待して読み始めました。でも、最初は物語が唐突に終わる感じで、がっかりしました。それでも読み続けていたら、中盤以降かなり面白くなりました。
    全作通して、描かれている場所の様子や空気が伝わってくる描写力が凄いです!

  • 新潮クレストブックス。
    市井の人々の悲喜こもごもを鮮やかに描いた短篇12篇。

    「あのばかな子たちを捕まえろ」に笑い、「最高の妻」にほっこり。
    そして一番のお気に入りは「デニー・ブラウン(十五歳)の知らなかったこと」。

    みんな苦労もあれ、滑稽に見えれど、自分の人生を精一杯生きているなあ。

  • 巡礼者たち/エルクの言葉/東へ向かうアリス/撃たれた鳥/トール・フォークス */着地 */あのばかな子たちをつかまえろ/デニー・ブラウン(十五歳)の知らなかったこと */花の名前と女の子の名前 */ブロンクス中央青果市場にて/華麗なる奇術師 */最高の妻 **

  • 短篇集。
    とてもおもしろい。

    いくつかお気に入りの短篇作品あり。
    アメリカの片田舎のどこにでもありどうな人々の物語。
    描写がよい。

  • 以前、小川洋子さんがラジオで取り上げていたので読んでみた。アメリカの様々な場所にある、様々な人生。美しかろうが醜かろうが、誰にも唯一無二の舞台が用意されている。『華麗なる奇術師』、原文で読んでみようかなと思わせた。

  • 「食べて、祈って、恋をして」の作者の短編集ということで、手にとってみた1冊。

    人生のある数ページをトレーシングペーパーでさらっと描かれたように自然で、でも余韻が残る雰囲気がよい。前述のノンフィクションとは文体が全然違うので、まるで別の人の本のよう。

    中でも気に入ったストーリーは「デニー・ブラウン(15歳)の知らなかったこと」「華麗なる奇術師」。彼女の人を見る目は温かく、それがよくにじみ出た作品だと思った。

    ただ、アリス・マンローの短編集「小説のように」を読んだ後だったので、★4つ。深みとストーリー展開はマンローのが好きだな。そして「食べて、祈って、恋をして」の方が好きだな!

  • なんでもない日常や仕草が寄り集まって、最後に結実するような面白さがある短編集だと感じた。一回目はよく分からなかった話も、二回三回と読むうちに別の見方が出来てきて、あるところでふわっと面白さを感じることがあった。
    翻訳小説のような古めかしい雰囲気も自分好みだったので、最高評価。

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