朗読者 (Shinchosha CREST BOOKS)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105900182

感想・レビュー・書評

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  • 映画を見てから読んだ。
    本は2度読むべきと書いてあったが、確かに1回ではあまり心情などが伝わってこなかった。
    映画の方が、ハンナの文盲がどんなに彼女を不幸にしていたかや、ミヒャエルの苦悩がより伝わってきた気がする。
    また同じ場面で、映画と翻訳が違う部分もあり、ちょっと消化不良気味。原作を読めて、映画を字幕なしで観れるほどの語学力が欲しいとつくづく思った。

  • 数年前に読んだ作品を再読。以前読んだときは作品中の言葉に強く共感したのを憶えている。今回は作品そのものに心打たれた。切ない恋だね。思い出に焼き付いてしまったものは、墓場まで持っていくことになるのでしょうね。歳をかさねて、そんなことがわかるようになった気がした。

  •  学校帰りに気分が悪くなった15歳のミヒャエルを助けてくれたのは、通りがかりの年上の女性。元気になり、母に言われるままにお礼を言いに女性の家に出かけるミヒャエルだったが、いつしか21歳も年上の彼女ハンナに夢中になっていく。
     ハンナとつき合うことで、自信をもち、たくましく成長していくミヒャエル。ハンナもまた、ミヒャエルを愛し、穏やかな時間が流れていく。ミヒャエルが本を朗読し、それをじっと聴くことを何より好んだハンナ。しかし、そのハンナが突然何も告げずにミヒャエルの前から姿を消してしまう。
     数年後、大学生に成長したミヒャエルは、思わぬ場所でハンナと再会する。教授に言われ、ゼミの研究のために公判に出かけた学生と、アウシュビッツの収容所で囚人たちを見殺しにした被告人として…

     
     前半は21歳も年の差のある男女の恋愛、そして後半は再会した2人のその後を…。
     いくらでも言い逃れできるはずなのに、あえて自らの不利な証言をしていくハンナ…過去の姿と重ねながら、ふとその理由に気づいたミヒャエルは、迷い、悩み、苦しみます。そして、考え抜いた彼の決断とは…
     読後は…うまく言葉になりません。ハンナの尊厳を何よりも大切にしたミヒャエルの選択は、ハンナにとってはどうだったのか…。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「ハンナの尊厳を何よりも大切にした」
      悩むところですね、、、生き長らえたら、もっと苦しい毎日だったかも知れないし。ミヒャエルが尽くす事で別の...
      「ハンナの尊厳を何よりも大切にした」
      悩むところですね、、、生き長らえたら、もっと苦しい毎日だったかも知れないし。ミヒャエルが尽くす事で別の人生があったかも知れない。判らないコトです。
      きっと、ミヒャエルの選択は正しかったのでしょう。でも私なら違う行動に出たような気がする(それが正しいかどうかは別として)。。。
      2012/07/19
  • 苦しい。愛…。これは愛。

  • 映画を観てて,原作を読んだ。ハンナシュミッツの生涯。15のときに出会った大事な人。その人の秘密と罪。ネタバレは是非なしで読むことをおすすめします。

  • ハンナはミヒャエルに対して、どんな気持ちで抱いていたのか。若い頃に行った行為への贖罪の気持ち?だが、裁判の光景から、収容所の女性に対する態度と変わりはなく、どちらも抗えない行為であり、彼女の意思がより、人生を受動的に受け止めてきた結果ではないか。

  • もう一度読みたい❗️ゆっくり1行づつ
    味わって理解して読んでみたい。

  • 学校の帰りに気分が悪くなった15歳のミヒャエルは、母親のような年の女性ハンナに介抱してもらい、それがきっかけで恋に落ちる。そして彼女の求めに応じて本を朗読して聞かせるようになる。ところがある日、一言の説明もなしに彼女は突然、失踪してしまう。彼女が隠していたいまわしい秘密とは何だったのか…。数々の賛辞に迎えられて、ドイツでの刊行後5年間で、20以上の言語に翻訳され、アメリカでは200万部を超える大ベストセラーになった傑作。
    原題:Der Vorleser
    (1995年)

  • 以前、大学のゼミでお世話になった教授から「愛を読む人」という映画が「教育」を考えるうえで大変参考になるし、映画としても面白い作品だ、と聞いたことがあって気になっていました。
    その映画の原作が本書です。

    恋愛小説のひとつとしてネットで紹介されていましたが、この本が語るテーマは様々で、とても奥深い作品だと思います。
    恋愛に没頭する思春期の青年の昂ぶり、周囲の目を意識して恋人を「裏切る」ことへの罪悪感、家族からの自立、生涯の恋人との別れ、ナチス支配下でのユダヤ人迫害をめぐる裁判と「罪」と「許し」の意味、教育を受けることの意味、本当の意味で「個人を尊重する」とはどういうことか。
    なにを求めて、どのような人生を歩むのか、非常に考えさせられる作品でした。

    前半部分は性行為の描写も少しあるので、中学生には少し薦めにくい本ではありますが、大学生や大人向けの小説としてぜひ多くの方に読んで欲しいと思える作品です。

    人生の中では「後悔」することは多々あるのですが、それを「乗り越える」のではなく、その思い出とともに生きてゆくこと、そしてそのことを受け入れることこそが人生なのだと示されたように思います。

  • 九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
    https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/484112

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著者プロフィール

ベルンハルト・シュリンク(ドイツ:ベルリン・フンボルト大学教授)

「2019年 『現代ドイツ基本権〔第2版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ベルンハルト・シュリンクの作品

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