- Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
- / ISBN・EAN: 9784105900182
感想・レビュー・書評
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『胸を締めつけられる、残酷な愛の物語。
15歳の少年ミヒャエルが経験した初めての切ない恋。
けれども21歳年上のハンナは、突然失踪してしまう。
彼女が隠していたいまわしい秘密とは……。』(裏表紙コメント)
血の通った、過去もしがらみもある一個の人格を持った人間として相対し、互いの人生に関わり合う際に生じ得るあらゆる感情。
それが、本作品で完璧に描ききられていると感じた。
残酷とか、悲劇とか、物語全体を第三者目線で決め付ける言葉は似合わない。
演出一切無しの、ただ当事者として読み手を「ぼく」に憑依させ、感情を溢れさせる文章が本当に秀逸。
<メモ>
・国の過去の歴史の責任は誰にあるのか?第三帝国崩壊後のドイツ国民。親の世代を裁く。
・ぼくと父親(哲学論者)との会話。相手の意志決定の、自由と尊厳を守るということ。
・あくまでも他者としてある、ハンナの圧倒的存在感。自ら語る口を持たない人間像。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
以前番組で紹介されていたものでちょっと読んでみたい作品だった。
冒頭部は確かに引き込まれる。
ナチス時代の戦犯が重いテーマとして絡んでいるので暗く切ないイメージがある。
再会したのは戦犯として裁判を受けているハンナ。それを傍聴席から見る法科の学生であるミヒャエル。
意外な展開ということでミステリーに近い小説とカテゴリー付けした。 -
書評が良くて興味を持ったのがきっかけで、
読みだしたらじっと読んでしまった本。
映画を見て、また読み返したくなりました。 -
映画『愛を読む人』(邦題)の原作。
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断捨離本。出版直後くらいに買って積ん読だったのだけど、映画「愛を読む人」の原作だと気づいて読んだ。ががが、なんだこれ。うじうじするだけで結局何もできないダメオヤジの徹頭徹尾自己陶酔ストーリー。帯の賞賛の句をよく見れば、すべて作者と同じ年代。おじさまは、こういうロマンスがお好きなのね。もしあるとすればだけど、彼女のほうに焦点を当てた小説のほうが好きだと思う。
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意外すぎる展開、涙なしには読めない結末――。
ベルンハルトシュリンクの非凡な才能と、経験があってこそ生まれた小説でしょう。
「ナチス」「年齢を超えた愛」「文盲」3つのテーマが絡み合い、連関しあい、感動の最終場面へ向かう一文字一文字を、時間を忘れて読み進んでしまう一冊です。 -
カレッジで歴史を勉強していたとき、過去に人々が犯してきた間違いについて考える機会がたくさんありました。
この本「朗読者」の中で、急に失踪してしまう主人公の恋人が持つ秘密も歴史的な「間違い」と関連しています。 -
再読。
やっぱりこの本、好き。
深い愛。 -
何回も何回も読み返している。読む度に解釈の度合いが深まり、違った見え方を成してくる。そして涙が止まらなくなる。