ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)

制作 : 沼野 恭子 
  • 新潮社
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本棚登録 : 1344
レビュー : 185
  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105900410

感想・レビュー・書評

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  • 悲劇を成立させるため、ミーシャはがんばってくれました。どうもありがとう。

  • たまに「何か面白い本ある?」と聞かれて、困ることがあるのだけど、いまならこの本を挙げます。

    20カ国以上で翻訳されているとかで、誰にでもおすすめできる読み易い本です。村上春樹の「羊をめぐる冒険」に似ているという訳者の言葉もあったけど、もうすこし抑えた感じです。

    舞台はウクライナ。憂鬱なペンギンと暮らす売れない作家の主人公に奇妙な仕事が舞い込み、すこしずつ歯車が回りだす。。。

  • 年齢を重ねる毎に、人生のカードは減っていく。更には、どのカードを手に取るかさえ、実は自分以外の何かに規定されている。そんな観念が頭をもたげることもあるだろう。

    この作品も、人生が何者かによって支配され、支配されている事実を少しずつ認識する物語である。

    ペンギンと暮らすしがない小説家は、生きている人の追悼記事を書いて生計をたてている。身の回りで起こる幾多の不可思議な事件をきっかけに、主人公は自分の仕事の裏に潜む巨大な陰謀に気がつき始める。しかし彼の手の中に、選択の余地は残されていなかった・・・。

    この世は残酷な現実に満ちていて、時に唾棄したくなる時もある。但し残念なことに、人間は残酷な現実を変える力も、受け入れる術も持ち合わせていない。その事実を認識した末に、不可能と知りながら変革を試みるのか、それとも認識に従い受容するのか。その葛藤こそが、正に人間の姿そのものではなかろうか。

    だからこそ、主人公が現実を認識したその後を丁寧に書いてほしかった。その点は是非とも続編に期待したい。

  • 売れない小説家ヴィクトルは動物園からペンギンを引き取り、ミーシャと名付ける。彼が得た仕事は新聞の追悼記事「十字架」の執筆。親しくなっては姿を消す人々。
    何か恐ろしいことが起こっているようだが、ヴィクトルはただ「十字架」を書き、淡々と日々は過ぎていく。
    そして怒濤の終盤。
    いろいろ放り出されたままで置いていかれた気分だけど、それでも何故か納得できる結末。

    世界情勢に疎い私は「訳者あとがき」を読んではじめて、そんな意味も読み取れるとは…と、思ったのでありました。
    なかなか深いのね。

  • ウクライナの雰囲気にぴったりマッチしたペンギンと主人公。頁をめくる手が止まらなくて一気に読んだけれど、またじっくり読み返したい気分。

  • 淡々と読んでいたら、急に胸痛く、戸惑う。
    再度、読みたい。

  • [ 内容 ]
    恋人に去られた孤独なヴィクトルは、憂鬱症のペンギンと暮らす売れない小説家。
    生活のために新聞の死亡記事を書く仕事を始めたが、そのうちまだ生きている大物政治家や財界人や軍人たちの「追悼記事」をあらかじめ書いておく仕事を頼まれ、やがてその大物たちが次々に死んでいく。
    舞台はソ連崩壊後の新生国家ウクライナの首都キエフ。
    ヴィクトルの身辺にも不穏な影がちらつく。
    そしてペンギンの運命は…。
    欧米各国で翻訳され絶大な賞賛と人気を得た、不条理で物語にみちた長編小説。

    [ 目次 ]


    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 売れない小説家ヴィクトルは、死亡記事を書く仕事をもらう。しかし、自分の仕事は何か大きなものに支配されているようだ。その本当の意味や目的は不明なまま。そして本物ではない脆い家族(ペンギン+友人の4歳の娘など)とともに過ごす生活。「この人生、なんだかしっくりこない」とヴィクトル自身が思うように、真実を知らない仕事+仮の家族との生活は、借り物の人生を送っているような気分にさせる。

    知らぬ間に物事が進んでいくなかで、ペンギンのミーシャの温かさだけが妙なリアリティを持っている。

  • ロシア文学を読んだのは初めてかもしれない。。。
    独特な雰囲気がすごくいい。

    ラストのシニカルな笑い、ユーモアがとても素敵♪

  • 秀逸。淡々とした何気ない描写にも不気味さがあり、どきどきしながら読める。ラストもとても良かった。それからペンギンが可愛い。

  • 個人が全く知らないところで、国家とか社会状況にじわじわ追い詰められてく恐怖や、からめとられていく切実さとか、すっとぼけた文章でも秀逸。

  • ペンギンとの生活に憧れてしまう。ラストにやられた。

  • 不条理な物語です。オチとかも結構シリアスだった気がしますがもうあんまり覚えてない。カバーがやわらかくて読みやすかったはず

  • 話題になっていたわりには、私にはちょっと分からなかった。非現実的な感じで、主人公の心の中とかはすごく分かりやすく表現されていて言い回しがおもしろかったりはしたが、淡々としていた。
    でも人と人のつながりみたいな所とか、気持ちの微妙な変化とかはおもしろかった。みんなやっぱり一人じゃ生きていけないし、何かしら人とつながっていたい。情ってやっぱりあるんだな、とかそういうはっきりとしないつながりを心温まる感じで書いていた

  • 可愛い表紙。
    不眠症のペンギンの歩く足音…ぺたぺた。
    バスタブで水のはねる音…ぱしゃぱしゃ。
    可愛いお話がはじまりそう。
    でもそうではありません。
    ヴィクトルもペンギンのミーシャもとても淋しさでいっぱい…
    新聞の死亡記事を書く仕事を引き受けたことから
    さらに悲劇が訪れます。
    最後のヴィクトルの言葉が悲しかった。

    全体のお話の雰囲気が大好きです。
    憂鬱症のミーシャの存在が、この本をすごく魅力的にしています。
    ペンギン、飼いたい。。

  • だだめやった…カバー買い題名買いだったのにダメだった読みきれなかった。途中で挫折。色が無いよ色が!(負け惜しみ)

  • 返却期限までに読めなかったので
    今度また借りようかとorz

  • スムーズに読む事が出来た。
    続編『カタツムリの法則』があるらしいので
    翻訳されたら、読もうと思う。

  • このままずっとずっと続けば良いと思える偽物の愛無き家族。
    次第に忍び寄る暗い影。
    ぞくぞくするくらいの不安感。

    終盤に向けてどんどん陰鬱になっていくのに、どうしてこんなのめりこんでしまうんだろう。

    そしてペンギンのミーシャの可愛いこと可愛いこと。

    ぺたぺた歩くところや膝頭に頭をすりつけてくるところやバスルームで冷水にはしゃぐところなど。

    今すぐ、動物園へ行ってペンギンに会いたい!いや、お家に持って帰りたい!!笑

    先日動物園でペンギンを盗もうとした男性の気持ちにほんのちょっぴり共感しちゃうくらい、物語の内容に関係なく五つ星つけたくなっちゃうくらい、ミーシャの可愛さに翻弄されました。

    周りの人間とよりペンギンとの絆が深くて何が悪いって思います。
    主人公は自分のことをとても孤独だと思っているけれど、
    ミーシャと通じ合っている主人公よりも、ソーニャやニーナの方がずっとずっと淋しく寄る辺のない存在に、私には思えます。

    ミーシャの後日談が知りたい。

    あらら、レビューがほとんどペンギンの話になっちゃった。笑

  • ブックオフで見つける。主人公の最後のセリフが好き。

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