ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)

制作 : 沼野 恭子 
  • 新潮社
3.72
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本棚登録 : 1343
レビュー : 185
  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105900410

感想・レビュー・書評

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  • <font size=1>うーむ。
    最後のオチはまぁまぁよかったかな。</font>

  • ウクライナの作家。世界的にベストセラーになったのは、作品全体の出来もさることながら、やっぱりペンギンのミーシャの魅力に依るところは大きいだろう。現実的にはあり得ないけど、「ペンギンのいる生活」というのが妙にリアルに感じる。リアルなんだか不条理なんだか宙ぶらりんなストーリーが、ペンギンというこれまたリアルなんだか不条理なんだかわからない存在を狂言回しに進んでいく。傑作!とは言難いが、味のある作品かな。続編があるらしいので、それも一応読んでみたい。 (2005 Oct)

  •  白黒の鳥、飛べない鳥、二本足で歩く鳥。『ペンギン』という動物はとても愛嬌があり、皆さん大好きなのではないでしょうか? 動物園で見られるペンギンは、多くても十数羽くらいですが、実際に生息しているキングペンギンともなると、数万羽という膨大な群れで暮らすこともあり、写真を見ると圧巻されます。しかし、この話の中に登場するペンギンは、群れの中からはぐれてしまった、孤独なペンギンです。
     ヴィクトルはウクライナ・キエフ市内に住む小説家。小説家といっても、書くのはもっぱら短編。短編だけでは食べてゆくことのできない、しがないもの書きです。同棲していた女性が出て行ったのは一年前。一年前から代わりに、部屋に住んでいるのは一羽のペンギン。ペンギン・ミーシャは寂れた動物園から貰い受けた憂鬱症の皇帝ペンギンなのです。
     ある日、書き終えた短編を新聞社に持ち込んだヴィクトルは、一風変わった執筆を持ちかけられます。それは、まだ生きている著名人の追悼記事。通称『十字架』。『十字架』は当人が亡くなって、初めて掲載されるのです。『十字架』のキャストを探すため、様々な新聞を買い込み、ノートをつけるヴィクトル。しだいに『十字架』のキャストは編集長から渡される資料に書かれた人物になり、さらに資料にも赤線が引かれるように…
     物語は一貫として、陰鬱な雰囲気に包まれています。ことに、自分の身に暗い影が忍び寄る中でも、淡々と仕事をこなしていくヴィクトルの姿には、社会からはみ出てしまった、小説家という職業のもの悲しさ、孤独さを偲ばせます。彼は、成り行きで預かることになった4歳の少女ソーニャ、ベビーシッターのニーナ、警官セルゲイ、ペンギン学者のピドパールィ、そしてミーシャ… 様々な人(?)と関わるのですが、どの人もヴィクトルの心の隙間を満たす存在になれないのです。憂鬱な売れない小説家。部屋を街中をさまようヴィクトルの姿は、群れから取り残されたペンギン、そのもの姿のではないでしょうか。

  • ペンギンのミーシャの仕草の愛らしさが、我が愛犬のトイプーに重なって胸を打つ。
    ニーナという女性が無意識にふてぶてしくなっていく感じが印象的。
    もっと村上春樹っぽいかと思ったらそうでもなかった。
    いや、むしろその方が良かったと思う。
    いい小説です。
    新潮社クレストブックスは美しい。
    2006.01.18-22

  • ペンギンが好きだから。読み途中だけど面白い。タイトルとは意外にサスペンスでした。

  • ロシアが好きだ。

  • 憂鬱症のペンギンと売れない小説家の組み合わせ。擬似家族。ロシアの寒い空気。不条理。村上春樹やら別役実がよぎります。

  • ソ連崩壊直後のウクライナで憂鬱症のペンギンと暮らす売れない作家ヴィクトル。
    新聞社から頼まれた「まだ生きている人の追悼文」の
    仕事をこなすうちに、自分の知らないところで裏の世界に巻き込まれていく。

  • 今読んでいる本

  • 憂鬱症のペンギンと暮らす売れない小説家ヴィクトルが知らないうちに世の中の裏側に巻き込まれていく物語。

    外国の小説で感じることは、やっぱり思想や環境の違い。
    常識のずれから生じる違和感でしょうか。

    それでも、後半に行くほどドキドキ感が増して、最終的にはタイトルの絶妙さに納得させられる形になりました。

  • 憂鬱性のペンギンと暮らす売れない短編小説家がまだ死んでいない人物の死亡記事を書く事を依頼されて……という話。
    ペンギン・ミーシャの絶妙な存在感が好き。
    海外小説だけど読みやすいので良いのではないかと。ただちょっぴり単調?

  • まだ死んでいない人の「死を悼む記事」を書き溜め続ける売れない小説家と、憂鬱症のペンギン「ミーシャ」の物語。小川洋子の世界が好きな人なら好きかも。ペンギンと暮らす、といってもJRのCMのような可愛らしいものじゃなくて、ペシミスティックです。

  • 憂鬱症のペンギンと同居する主人公は、ぱっとしないもの書き。
    まだ死んでもいない著名人の追悼文を予め書いておくという、奇妙な仕事を頼まれる内に、国家規模の陰謀に巻き込まれていく…。
    なんともいえない不思議な印象の本です。しっかりとエンターテイメントの骨格をもっているのに、全編に漂う雰囲気は何ともいえない「憂鬱」。先の見通しのきかない閉塞間と、もやもやとした落ち着かなさ。けれど、結構重い話なのに読後感は不思議と爽やかです。やはりそれは、物語の中をぺたぺたと歩き回るペンギンのミーシャの愛らしさでしょうか。
    ウクライナの村上春樹と言われているそうですが、他にも私の好きな作家で、スペインの村上春樹と言われている方がおります。一体世界にはどれだけ村上春樹がいるんだ。

  • タイトルがいい。ロシアの鬱積した空気が伝わってきて、ペンギンのミーシャも気がかりだが、同居人の最後がどうなるか、一気に読んだ。

  • 新潮クレスト・ブックス。読むとペンギンが飼いたくなります。

  • あらすじ読んで、一目ぼれ。

  • 不条理(まんま)

  • とんでもないものに巻き込まれている感じが不気味に漂う。狙われている!
    日常も事件も自分から打破することなく、誰かの意思で流されるように過ごしてきた主人公が
    ペンギンに対してのみ意思的に動く。ペンギン・ミーシャは搭乗できるか?自らをペンギンと名のるドラマチック場面!
    エンディングにより、長かった前フリが実を結んだ。

  • 表紙につられて読みました。←そんなんばっかりかい
    きっとペンギンと主人公の心温まる日常のお話なんだ!と思っていましたが大間違い。最近想像と現実が違うことが多いです。(-L-)
    主人公がとある新聞に死亡記事を書く仕事をすることになった、という不況の世の中にもかかわらず、職がみつかるという明るい話題で始まります。
    定収入だしー。食うにこまらないしー。好きなことを生かした仕事だしー。


    と最初ホクホクしていたのもつかの間、仕事に疑問を持ち始めたとたん彼の人生は暗雲にのみこまれます。
    まだ死んでもいない人物の死亡コラムを書くなんて普通どう考えてもおかしい・・・。
    ソビエト時代の不安定な情勢の渦にどんどんと巻き込まれていく主人公が無力。
    これってマフィア小説になるんでしょうか・・・。
    何も知らず知らされず、無神経に裏社会に踏み込んでいく主人公。
    仕事が順調に進み、友を得、家族を得、すべてがうまくいきそうに思えたのもつかの間、彼の人生は相棒のペンギンが病気にかかった途端に転落の一途をたどります。
    ペンギンの存在は小説中ではマスコット的存在ですが、主人公の人生の節目にも影響を与えている道標的存在でもあります。これが小説の構成上うまいんではないかと。

    最後らへんは、彼が今までどんなに危険な場所に足をふみこんでいたのかが知れて寒いです。

    結局彼をこんなふうにしてしまったのは誰のせいなのでしょう。
    姿の見えない物体が彼をどんどん裏社会の闇に連れて行ってしまいました。
    うおー。怖い。面白かったけど、怖かったです。これホラー?

    この作品、ペンギンのその後が気になるという読者のために続編が出たらしいですね。わしとしてはすべてが中途半端なこの終わり方が気に入ってるんですが・・・。
    そういいながら続編が翻訳されればもちろん読みますよYO。

  • 憂鬱症のペンギンと暮らす売れない小説家が、新聞の死亡記事(でも、まだ生きているうちに)を書く仕事を依頼されることから話がはじまる。そのうち・・・。淡々としている、という訳でもなく、ひっそりと進む、とも少し違う。不安。このお話にはどこからともなくコソコソと不安の音がする。先が気になる!というより、早く読んでこのコソコソは終わらせようと。そんな感じが最初から終わりまで続く。 :::<a href="http://kyon.pepper.jp/about/archives/200501/10_1727.php" target="_blank">もっと読む</a>:::

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