- Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
- / ISBN・EAN: 9784105900441
感想・レビュー・書評
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主人公ヘンリー・ネフの造形が見事。
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主人公のヘンリーとラグーティンの姉を挟んだ関係、そして時折見えるドイツの姿がよかった。
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ラジオドラマの雰囲気が好きで読んでみたんだけど、うーん…私には合わなかったな…珍しく挫折しました。
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タイトルと表紙に魅かれて読んだが、想像していた話と違った。
もっと物にまつわる話を期待していたんだけど・・・。 -
「自己実現」や「自分探し」などという言葉の対極にあるような主人公の生き方が微笑ましい。遺失物に込められたエピソードも必見。
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とってもとってもあったかい
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2月9日読了。
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巨匠レンツの最新作。
遺失物管理所で起こる出来事をほのぼのと綴った感じです。 -
主人公の行動に、あまり思い入れができなかった。話の展開がおもしろくしてあるのはわかるが、好みではなかった。
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今回読んだのはわしイチオシのクレストブック。
職場の友達に「結構面白いよ〜。主人公が意外だけど。」という不可解な勧められ方をして読みました。
何が意外なのかと思って読みましたが、ああ〜・・なるほど。
遺失物管理所に勤める主人公とは思えないほどの軽さ。わしも題名から想像して、結構老成した男の人が主人公かも・・・と思って読み始めたのですが、まったく違いました。
主人公は24歳の青年なんですが、特に将来の計画もなく、ただ毎日を楽しく過ごしたいというだけの男だったのです。出世欲なし、行動力なし。うわ〜・・ナヨい。
こんな軽いやつが鉄道職員でいいの?
そんな彼が軽薄さ全開で職場の既婚女性に無神経にアタックしたり、遺失物を勝手にあさったり姉の手をかりて競り落としたりと見ていて道徳的にこいつはどうかと思わされっぱなしです。
仕事なめてんのか。
しゅ、主人公に感情移入できない・・・好きになれない・・・
最初まずったなあ〜と思ったんですよ。こんないやな主人公の本読み始めちゃったよ〜みたいな。
でも後半から、遺失物を通して知り合った研究者の男性との交友によって主人公の新たな面が見えてきます。
へろへろのなよなよで調子のいい男かとおもいきや、友人が人種差別的な発言をされたことに対し本気で怒りを覚える主人公。体を傷つけられ、言葉によって心も傷つけられてしまった友人を心から心配し、我が事のように嘆く主人公。
最後には職場の友達を救うため暴走族の中に突っ込んでいったりもします。
彼は決然と、友達を救うため、バイクの群れへと歩いていく。
なんか句読点多くすると北方謙三みたいになる罠。(o ̄∀ ̄)イヒ
そのシーンはお、男らしい・・・。惚れますYO。
ここらへんまで来ると主人公のイメージがわしの中で激変。
彼は他人に対して愛情深く親切で、悪く言うとお人よしですが、正真正銘イイヤツなのです。人を押しのけてまで出世したいと思わず、同僚の変わりに自分がクビになればいいと思うくらいイイヤツなのです。面倒な仕事はゴメンだといいながら、結局は面倒ごとを自ら作り出したり解決したりして、自分のためではなく、他人のために仕事ができるデキるヤツなのです。
前半と後半でこんなに主人公に対する認識が変わる小説も珍しい。
つきあえば付き合うほど味の出る青年なのですね。もっともっと付き合っていたいと思わせられる男でした。
当然作品自体も素晴らしかったですよ。
仕事を通じて彼が成長する・・というお話ではありません。小説を読み進めていくうちに彼の内面をわしらが知っていく・・というお話しです。彼と親しくなりたい方はどうぞ遺失物管理所へ。
忘れ物を引き取る際は本人確認と引き取り料30マルクが必要です。