博物館の裏庭で (新潮クレスト・ブックス)

  • 新潮社
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本棚登録 : 160
感想 : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (484ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105900694

作品紹介・あらすじ

1952年、英国の古都ヨークの平凡な家庭に生まれたルビー・レノックス。一家はペットショップを営み、お店の2階に暮らしている。部屋の片隅に眠る、古ぼけた写真、ピンク色のボタン、兎の脚のお守り。そんな小さなものたちが、それぞれの時代の記憶を語り始める-。はかない初恋や、家族とのいざこざ、異国への憧れ。そして、ルビーの母の、祖母の、曾祖母たちの平穏な日々を突然奪っていった、2度の戦争。ルビーの人生を主旋律とする物語は、さかのぼる三代の女たちの人生と響き合いながら、一族の壮大な歴史を奏でる。ウィットブレッド賞を受賞した、現代の「偉大なる英国小説」。

感想・レビュー・書評

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  • 「私は存在している!」と受胎の瞬間から始まるルビーと一族の物語。母や祖母曾祖母らの年代記が行きつ戻りつ描かれる。夕飯のメニューや服装、誰かの冗談やピリピリした夫婦間など細かい日常生活の描写と家族の死や戦記や恋愛話が詰まっている。こういう話が読みたかったんだ、と今気がついた。

    • たださん
      111108さん、こんにちは。

      お返事ありがとうございます。すごく達成感を感じられる文章に、私もうれしい気持ちになりました。

      万人受けし...
      111108さん、こんにちは。

      お返事ありがとうございます。すごく達成感を感じられる文章に、私もうれしい気持ちになりました。

      万人受けしない感じは、分かるような気がします。アトキンソンの物語における人物像というのは、人間の善悪や欲も、全てさらけ出しているので、それを不快に感じる方もいるでしょうね。

      ただ、私の場合は、その辺のセンスがいいのか、下劣なのか、語彙のチョイスや、表現の面白さ、シニカルさが、絶妙なギリギリのラインにあるようにも感じます。ギリギリの中でも、切実に、あらゆる思考を重ねて、必死に訴えてるものに、胸を打たれるといいますか。また、それが比較的陽気に思われるところも好きです。諦めてないというか、しぶといというか(笑)

      おそらく、私には、アトキンソンの物語が、しっくりくるものを、自分の人生と照らし合わせて感じられるのだと思います。

      そこには物語だけれど、作られた感のない、人間の生き様があって、良くも悪くもフェアであるところが好きですね。

      実は、私も図書館で借りようと思っていまして。前回の予約分を借りたばかりなので、少し間が空くとは思いますが、どうぞ気長にお待ちいただければと(・・;)
      2021/11/20
    • 111108さん
      たださん お返事ありがとうございます。

      あぁ本当にそうそうと思いながらたださんのお返事読みました!
      そう、確かにしぶといですね(笑)悲惨な...
      たださん お返事ありがとうございます。

      あぁ本当にそうそうと思いながらたださんのお返事読みました!
      そう、確かにしぶといですね(笑)悲惨な状況なのに笑っちゃうみたいな‥
      そして作られた感がないので物語の中にいつの間にかどっぷりつかってしまってるんですね。

      感想、いつか読めたらでいいんです♪プレッシャーかけてたらごめんなさい(๑˃̵ᴗ˂̵)
      2021/11/20
    • たださん
      111108さん こんばんは。

      優しいお言葉ありがとうございます。

      111108さんが読んでくれることが分かったので、プレッシャーは大丈...
      111108さん こんばんは。

      優しいお言葉ありがとうございます。

      111108さんが読んでくれることが分かったので、プレッシャーは大丈夫であります(^_^)ゞ
      2021/11/22
  • 年明けから読み始めて、約一週間でようやく読み終えた、「ルビー・レノックス」の家族四世代に渡る、それぞれの人生模様を積み重ねた歴史は、何か輝かしい偉業を成し遂げたわけでもないし、家族って素晴らしいと思えるものでもなく、むしろ、辛く悲しく、陰湿で、下品で、現実味がありすぎて、何を言いたいんだと思うかもしれない。

    しかし、私にはそれにすごく共感できるものがあった。
    何故なら、私もそう思えるような人生を送ってきたからです。

    それに、よく目を凝らして見てみると、小さいながらも、細々と輝く愛も確かに存在する。
    その現実味溢れる、人生の再現度がすごいのであって、そこには、きれい事だけで人生は成り立たないことを実感させてくれる。

    確かに、バンティやパトリシアの人間性を読んでいくと、決して好きになれない要素が多いと思うかもしれない。
    でも、彼女たちも涙を流して泣いている場面もあるんですよ。

    別に彼女たちに限らず、意地の悪いレイチェルが、アルバートのことを自慢気に話していたり、子供の写真を胸にしっかり抱きしめていた彼女もそうだし、女に限らず男だって、ジャックとスパニエル犬のジェニーの戦時下での悲劇や、ロレンスの終盤での思いの丈を吐き出す様には、真に目頭を熱くさせるものがあり、それらの中には、本人たち同士でその思いが伝えられない悲劇もあるけれど、それが無くても、遠いどこかで自然と涙にくれることができる、それは正に家族の遺伝子が為す偉業であって、決して事故に遭いやすい遺伝子だけを持つ一族ではないのです。

    ルビーもネタバレの一件含めて、その人生は決して安易でやさしいものではなく、彼女の愛は大きくないのかもしれないし、「かわいそうなルビー」というフレーズの真意に涙したが、それでも、十五年待った甲斐があったと思えたり、過去は引きずって歩くものだと辛苦も受け入れて、彼女自身の人生を歩む様には、たとえ名誉や栄光がないとしても、素直に拍手を送りたい気持ちになりました。

    「人生はなぜこんなに美しいと同時に、こんなに悲しいのだろう?」と、思いを巡らしたこともあったルビー。

    それが人生だからだと私は思う。

    そして、何より私がいちばん嬉しかったのは、初の長篇にして、ウィットブレッド賞受賞作でも、作風がブロディシリーズと全く変わっていない、アトキンソンの変わらぬ信念だった。

    • 111108さん
      たださん、お返事ありがとうございます。

      図書館本で今手元にないことが悔やまれますが「異様なまでの情熱」という言葉は印象的で覚えてます。
      作...
      たださん、お返事ありがとうございます。

      図書館本で今手元にないことが悔やまれますが「異様なまでの情熱」という言葉は印象的で覚えてます。
      作り話とは思えない、その場にいて見ていたかのような細かい描写は本当にすごいですよね。アトキンソンの自伝的小説という意味ではルビーの世代の話が作り物めいてないのはわかるけど、その何世代も前の事も見ていたかのように描けるのが見事。
      だからこそ人がしてしまう矛盾した行動「そんな事言う?」とか「何故その選択を?」という疑問もその結果起こった悲劇も、いいとか悪いとかでなく「そういうこともあるんだ」と納得させてしまいますね。
      2022/01/09
    • たださん
      111108さん

      何か生きていくことに、多少の気楽さというか、少しほっとさせられる感覚を得られるのは、読書の素晴らしさのひとつかもしれませ...
      111108さん

      何か生きていくことに、多少の気楽さというか、少しほっとさせられる感覚を得られるのは、読書の素晴らしさのひとつかもしれません。
      2022/01/10
    • 111108さん
      たださん お返事ありがとうございます。
      ほんとにそうですね。
      たださん お返事ありがとうございます。
      ほんとにそうですね。
      2022/01/10
  • ルビーが生まれるシーンで産婆がバンティに「力んで」と言うが、この場合「息んで」の方がいいのでは?小野寺先生、男性だからな、でも新潮社の校閲部はそれでよしとしたのなら…p90の訳注で言えば、バーバラの愛称がバブスだと思う。英国の女の人って、意外と家庭で料理を手作りするのね。女の人生に男の伴侶はいらないのかな。

  • 一族の物語。主に女性の視点から語られる。
    日常を生きながらも、退屈して鬱屈した思いを抱えたり、中には不倫にのめり込んだり、失恋したり。

    バンティの不倫のシーンは、ぼかされていなかったので嫌だった。生々しすぎるし、実の子どもに目撃されるのかって。

  • 長さに狂気を感じる。女性性の色濃い家族の人生の系譜を母親の胎内にいた頃から主人公は語る。特に優秀な一家でもなく、人道的に優れてる訳でもなく、普通の。どちらかといったら模範的ではない人間達の、結構だらしない人生で、リアルというのか、よみやすい気がする。しかしこれといった劇的な出来事もなく、戦争の表記も淡々としたもので、家族って生物的に似てるけど、考え方好みもてんで似通ってないし、一緒の生活ってしんどいし逃げられないもんだよね、という、結構しょっぱく苦く辛い本だなーと。ここに背を向けない勇気は買う。

  • 図書館で。
    文体の所為か訳の所為か、意味がわからなかったり立ち止まってこの人誰だっけ?とか考えなくてはならない所が多々あり、テンポよく読めないなぁとストレスを感じ断念。
    会話ならアリなのかもしれませんが文章だと色々ポンポン飛ぶのに付いていくのが辛かった。

  • 進まない
    仕方ないので
    手放す
    ゴメン

  • 現在と過去を行き来しながら、四代に渡る家族の歴史が少しずつ明らかにされる。読みながら、どんどん引きこまれた。
    死を自覚せざるを得ない戦争に行く男たちや、困難な時代を生きる女たちのしなやかなしたたかさが印象的だ。
    それぞれの人生では、いろいろなものが失われ、棄てられていくけど、受け継がれていくものが確かにある。

  • 途中放棄

  • 1952年、英国の古都ヨークの平凡な家庭に生まれたルビー・レノックス。一家はペットショップを営み、お店の2階に暮らしている。部屋の片隅に眠る、古ぼけた写真、ピンク色のボタン、兎の脚のお守り。そんな小さなものたちが、それぞれの時代の記憶を語り始める―。はかない初恋や、家族とのいざこざ、異国への憧れ。そして、ルビーの母の、祖母の、曾祖母たちの平穏な日々を突然奪っていった、2度の戦争。ルビーの人生を主旋律とする物語は、さかのぼる三代の女たちの人生と響き合いながら、一族の壮大な歴史を奏でる。ウィットブレッド賞を受賞した、現代の「偉大なる英国小説」。

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