- Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
- / ISBN・EAN: 9784105900717
感想・レビュー・書評
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あとがきにもあるように、いわゆる「一族もの」は年代の古い順にすすんでいくものですが、本作はルーツの新しい人物(2004年)から古い人物(1945年)へ逆行していくという形を取っていて、その分ミステリアスな雰囲気をかもし出していました。読んでいくにつれ少しずつ謎が明かされていきます。
レーベンスボルンがアーリア人を「生ませる」施設だったことは知っていましたが、子どもを拉致までしていたとは驚きでした。深い作品です。 -
ある家族の歴史現代から第二次大戦まで、時代と国、民族を4代に渡って6才児の視点で時系列逆行で描く。
最初の男児がもう糞餓鬼&馬鹿母過ぎて(失礼)読むのやめようかと思ったのですが、これは最後の最後まで読まないとダメですね。
曽祖母エラに関する話を、普通の構成じゃなくこういう形にしたので6才児が知りえないことはそのまま謎として、核となる部分をのぞき見したような読後感でした。でも、戦争を経て子孫はいい時代にいい人生を、って願いは砕かれる前半だった・・。 -
「過去に何があったか知らなければ、未来を作り上げることなんてできない」
息子、父、祖母、曾祖母のクロニクルを、それぞれ6歳の少年少女が物語っていく。
物語の筋とは関係ないけど、4代に渡ってさかのぼっていくので、どうしてこんな人間になったんだろう?って謎が少し解けたりする。
どの時代も、子育てに正解はないなということや、ナチスとユダヤの歴史の重みなど感じた。
最後まで読むと、ああ、そういうことだったのか、と少しあまずっぱい気持ちになった。
いろんな読み方ができる小説だと思う。 -
ぐいぐい読まされた。
時間を遡っていく構成がおもしろい。謎が少しずつとけいてく。
また最初に戻って読まずにはいられない。
イスラエルとパレスチナの問題って、すごく複雑かつ深刻なのだなぁと今さらながら知った。
ナチスとユダヤ人の問題なども織り込まれていて、深い。
しかし一番最初の語り手である6歳児・・・怖いよ。こんな6歳児ほんとにいたらすごく嫌だ・・・。 -
読み進めるにしたがって、すこしずつ親族の秘密があきらかになっていく、ミステリの要素もある。
最後のクリスティーナ(エラ)の章を読み終えたとき、ものすごい衝撃が走った。
断片的にちらばった言葉たちが一気につながった。
そして何度も、前の3章を見返した。
ぜひもう一度読もう。 -
[ 内容 ]
2004年のカリフォルニア、豊かな家庭で甘やかされながら育つソル。
1982年、レバノン戦争ただ中のハイファに移り住み、アラブ人の美少女との初恋に苦悩するランダル。
1962年のトロントが祖父母に育てられ、自由奔放で輝くばかりの魅力に溢れる母に憧れる多感なセイディ。
1944~45年ナチス統制下のミュンヘンで、歌を愛し、実の兄亡きあと一家に引き取られた“新しい兄”と運命の出会いを果たすクリスティーナ―。
世代ごとに、六歳の少年少女の曇りない眼を通して語られる、ある一族の六十年。
血の絆をたどり、絡まりあう過去をときほぐしたとき明かされた真実は…魂を揺さぶってやまない傑作長篇。
フランス・フェミナ賞、Prix France T´el´evision賞受賞。
[ 目次 ]
[ POP ]
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☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
はっきりとした答えは無いのね。だけどさまざまな予感を
覚えることができる。
それぞれの時代を生きる、ある一族の子供たちの価値観の
変化が、なかなか面白かった。でもちょっとしつこかったかな。 -
ほんとに時は重なっていた。
4世代の物語。
宗教も言語もそれぞれ -
「ユダヤ人ドイツで暮らしアメリカへいつしかドイツ語から英語に」