小説のように (新潮クレスト・ブックス)

制作 : Alice Munro  小竹 由美子 
  • 新潮社
3.72
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本棚登録 : 361
レビュー : 42
  • Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105900885

作品紹介・あらすじ

子持ちの若い女に夫を奪われた音楽教師。やがて新しい伴侶と恵まれた暮らしを送るようになった彼女の前に、忘れたはずの過去を窺わせる小説が現われる。ひとりの少女が、遠い日の自分を見つめていた-「小説のように」。死の床にある青年をめぐる、妻、継母、マッサージ師の三人の女たちのせめぎあいと、青年のさいごの思いを描く「女たち」。ロシア史上初の女性数学者として、19世紀ヨーロッパを生き抜いた実在の人物をモデルに、苦難のなかでも潰えることのなかったその才能とたおやかな人物像を綴る「あまりに幸せ」など、長篇を凌ぐ読後感をもたらす珠玉の10篇。国際ブッカー賞受賞後第一作。「短篇の女王」70代の集大成。最新作品集。

感想・レビュー・書評

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  • う、う、う、おもしろかった・・・
    なんだかもうすっかりこの人のファンです。

    「林檎の木の下で」もすごく好きだったけど、そっちは読む人を選びそうなので、人に薦めるなら断然こっちかな。

    どの作品も始めは、お菓子などをぽりぽりかじりながらお気楽に読み始めるんですが、途中でギョッとさせられる。
    気の抜ける作品がひとつもない!
    でも、それでいて奇抜なストーリーで読ませるタイプの作家ではなくて、じんわり、しみじみ、一文一文を味わって読める、というか、そういう風にじっくり読んでしまう作品たちです。

    「林檎の木の下で」もそうでしたが、自分の心の中の奥の方に、名前も分からないまましまいこんでいる感情みたいなものが描き出されているような気がします。
    登場人物たちは不条理にも思える行動を取ったり、きつい出来事に遭遇したりもするんですが、でも、なぜかそれらは特別なことに見えず、どこかなじみのあることに感じられます。
    やさしいまなざしで日常を切り取る、っていうのとは全然違って、どっちかっていうとむしろ厳しくて意地悪な目線なんですが、でも読んでいて全然辛くなく、逆に読んでいる自分がやさしいまなざしになってしまいます。

  • 今は(あるいは、今も)悪くない生活を送っている人物にも、心の奥底に常に引っかかり続ける棘のような記憶・人物が存在する。その決して心地よくはなく、ぬぐい去ることのできない感覚をクールに描く。どの作品も、もやもやした思いを見事な場面構成で描き出している。何度か読み返した方がより得るものの大きい作品であるような気がする。

  • ノーベル文学賞発表の翌日に購入。奥付けはブッカー賞受賞の翌年2010年11月30日初版。ノーベル賞便乗で増刷されるだろうが好き嫌いが別れるかもしれない。短編ばかり10編からなる。最後の[あまりに幸せ]は19世紀ロシアの女性数学者ソーニャ・コワレフスカヤの晩年の数年を題材にしているがそれ以外は割りとありきたり。決して悪くない作品集だが、だったら英訳も多く国際的な評価が高い吉本ばななも選考対象になってもおかしくない。そしてマンローを自身の翻訳集に入れた村上春樹もまた、やはり紛れもなく候補者なのだろうと思う。

  • 2013年ノーベル文学賞受賞は、アリス・マンロー。

    早速読んでみましょう。
    ⇒ URLはこちら http://sea.ap.teacup.com/pasobo/1657.html 『ノーベル文学賞のアリス・マンローを読もう』 :  〜 Myブログ「パそぼとベルルのあれこれフリーク」

    最初の作品と表題の作品の2作を読んだけど、
    あまり しっくりくるものがなかった。

    2013/10/10 予約 10/11 借りて読み始める。10/19 2つ読み終わり終了。

    内容と目次は

    内容 :
    夫を失い、いまは新しい伴侶と恵まれた暮らしを送るようになった元音楽教師の前に、忘れたはずの過去を窺わせる小説が現われる。
    ひとりの少女が、遠い日の自分を見つめていた…。
    「短篇の女王」マンローによる10の物語。

    著者 :
    1931年カナダ生まれ。総督文学賞、W・H・スミス賞、全米批評家協会賞ほか多くの賞を受賞。
    短篇小説の女王と賞される。2009年国際ブッカー賞受賞。
    2013年ノーベル文学賞受賞

  • 棚番号: F07-01(エンタテインメント日本・外国文)

  • 前々から読みたいと思っていて
    期待感が大きかったのですが
    私にはどの話も映画の画面のようなイメージが浮かんできて
    何故か胸の奥にすとんと落ちてきませんでした。
    同じ短編なら少し前に読んだ
    ペーター・シュタムの「誰もいないホテルで」の方が
    好きです。

  • ブッカー賞授賞したのち2013年にノーベル文学賞を授賞した小説家アリス・マンローさんの短編小説集「小説のように」を読了。400ページ強の本に10編の短編が収められているが、さすが英国では短編の女王と呼ばれているらしい著者の作品だけあり、それぞれの作品の繊細で濃密な描写が素晴らしい。ただ翻訳物という事もあるが描写が細やかすぎともいえまた言葉を選び回りくどいとも言える表現になっているので読みやすい物語という事ではない。僕も10編を各2回ずつ読んだので通常よりずっと読了までの時間がかかってしまった。深いし、非常に示唆的でもある物語だが面白いよと勧められる作品では決してないのが正直なところだ。ただ文章を書くという能力をブラッシュアップしたいと考えている人には、是非読んで欲しい作品である。刺激される事確実です。

  • やっと読み終わった。手強い。
    自分では言葉にできない奥底深くの名前もつけられない感情が誰しもあると思うのだが、それを鮮やかに言葉に出来る作家だと思う。
    後味は決して良いものではないが、こんなにも様々な人物の深淵を描くというのは、とんでもないことだ。すごい。

  • 新著ディア・ライフをチェックしていて前作を読んでいないことに気付いた次第。ノーベル賞効果で図書館は予約待ち。短編の女王との評価の通りのうまさ、繊細な描写と深い洞察力を備え、密度が濃い。ただし読みやいわけでも分かりやすいわけでもない。

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著者プロフィール

Alice Munro
1931 年生まれ。カナダの作家。「短編の名手」と評され、カナダ総督文学賞(3 回)、
ブッカー賞など数々の文学賞を受賞。2013 年はノーベル文学賞受賞。邦訳書に
『ディア・ライフ (新潮クレスト・ブックス) 』(小竹 由美子訳、新潮社、2013年)、
『小説のように (新潮クレスト・ブックス)』(小竹 由美子訳、新潮社、2010年)、
『 林檎の木の下で (新潮クレスト・ブックス)』(小竹 由美子訳、新潮社、2007年)、
『イラクサ (新潮クレスト・ブックス)』(小竹 由美子訳、新潮社、2006年)、
『木星の月』(横山 和子訳、中央公論社、1997年)などがある。

「2014年 『愛の深まり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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