文学会議 (Shinchosha CREST BOOKS)

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感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105901219

作品紹介・あらすじ

奔放なウィットと想像力の炸裂する、アルゼンチン作家の衝撃作。小説家でマッド・サイエンティストの〈私〉は、文学会議に出席する文豪のクローンを作製しようと企む。しかし小さな手違いから大惨事が――。奇想天外な表題作のほか「マオとレーニン」というパンク少女たちと街角で出会った〈私〉がスーパーを襲撃するまでを描く「試練」を併録。世界的名声を誇る作家による、渾身の2篇。

感想・レビュー・書評

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  • 奇妙奇天烈なる世界文学の快作登場 | レビュー | Book Bang(週刊新潮2015年1月14日号 掲載)
    https://www.bookbang.jp/review/article/506614

    『わたしの物語』 セサル・アイラ: タイトルや表紙に騙されることなかれ - トーキョーブックガール(2018-06-03)
    https://www.tokyobookgirl.com/entry/como-me-hice-monja

    『文学会議』(セサル・アイラ、訳=柳原孝敦、新潮クレストブックス) : 晴読雨読ときどき韓国語(2016年08月13日)
    https://nishina.exblog.jp/25895134/

    BOMB Magazine | César Aira
    https://bombmagazine.org/articles/2009/01/01/c%C3%A9sar-aira/

    セサル・アイラ、柳原孝敦/訳 『文学会議』 | 新潮社
    https://www.shinchosha.co.jp/book/590121/

  • 会話や心象表現に、理解しにくい部分がある。訳者あとがきにある様に、各地で少しずつ枝分かれしたスペイン語ならではの言葉遊びがあって、翻訳が難しいのかも。
    南米文学らしい生命力の強さと超リアリズムがある。2作収録されているが、前と後でトーンやスピード感のギャップがあり、(作品を書いた時の)作者の年齢を感じた。後半の「試練」のキャラクターの強烈さが印象的。行動する反権力はいつだって魅力的。

  • よくわからないものをよくわからないからおもしろがれる方ではあるけれど、本作はただただよくわからなかった。

  • 文学会議に出席する文学者のクローンを作成するという表題作のほか、パンクな少女がスーパーマーケットを襲撃する作品「試練」の中編2作を併せた本。

    文学会議は、話の導入部分はおとなしく始まるものの、すぐにギアはトップに入り、わけのわからない方向に。
    そういえば、試練も同じように、静かに始まったはずが、いきなりトップギアに。

    こういう作品は、考えながら読むよりも、その展開の場面を楽しんで波に乗っていくタイプの作品だと思います。
    深く考えるというより、場面場面の絵が浮かび上がってくる。その場面展開はとてもシュールです。
    が、そういうところは面白いけど、私はすこし苦手。

  • こんなに”内にこもってる”感じのするの…あんまない気がする…

  • 「作家のクローンを作る」って「青い脂」みたいなの想像してたんやけど、ちょっと思てたんと違った。いつ文学噺が始まるのかと思ってる内に終わってもうた。
    「試練」こっちの血みどろ感は嫌いじゃない。

  • 流れるような思考を持っていくと、あっという間に文学者ハンアッドサイエンティストになって、クローンを作り、愛を語り、蚕が!!
    筋は複雑ではないのに独特の流れで一体いまどこにいるのか分からなくなってしまう。必然の滑稽さがくせになった。

  • 面白いが、非常に難しい。『文学会議』『試練』の2編が収録されているが、どちらも当然難しい。
    今後何度も読み直すことになりそう。

  • 表題作が好きだな。どたばたしてて。表向きは小説家。実はマッドサイエンテストで世界征服狙ってんの。クローン作成まではうまくいったの。行き詰まったから「文学会議」出て、いい細胞ゲットするお。はい、失敗。ギリシャ神話の父ちゃんの日輪を扱えず、世の中を破壊したパエトーンみたいだな。「ぷにぷに」という表現はまる。なんだ最後はうまく治まってんじゃん。2つ目のは目新しさを感じなかった。少女達のスーパー襲撃。やはりユーモアがないと読むのがしんどい。やたら「今まで埋もれてた意味がわからない」と表記されてるが、俺にはわかる。

  • 文学

  • 2018年1月14日に紹介されました!

  • 南米文学はついにここまで来た!

  • 表題作を読んで不満に思った。韜晦がすぎる。わかりにくくしすぎだ。作風の異なる2つめの『試練』で、やはりすごく力量のある作家だとわかる。必然性のある話の運び、繊細だと思う。両方読み終わると満足度が高くなった。振り返ると、不思議と表題作のが印象に残ってる。

  • 「文学会議」
    人の頭の中を覗いているみたいだった。
    不思議な感覚だな。

    「試練」
    凄惨な事件が描かれているのに
    戦士が助けを待つ人を救い出し、その横顔が
    月の光とガラスの破片できらきらと輝いている
    そんな美しい光景が見える。これは一体何なんだろう。

    翻訳家の解説がついていてよかったな。
    読むことが書くことに近いなんて、今までにない作品だな。
    もう一度、文字を追うだけにならないように
    読み返さないといけないな。

  • セサル・アイラって、こんな作風だったっけ?と思いながら、読み進めていくと、後からジワ怖がきました。
    「わたしの物語」もそんな感じだったことを思い出しました。
    「文学会議」というタイトルだが、SFの要素や科学的な内容でこうした切り口もあるのだと感心させられた。
    もう一つの「試練」は、街角で出会った女の子たちの交流を描いた作品で、会話の中にその年独特の青臭い哲学論に自分もそうだったな、と思いながら読みました。

  • 筒井康隆をドライにして純粋な暴力表現を添えて見ました、みたいな感じ。
    同時収録の「試練」、愛の証明する手段がエッジが利きすぎて怖くて美しかったたです。愛の試練を突き詰め過ぎて大量殺戮が行われる百合…。

  • クローン製造機に天才の細胞を突っ込むはずが、シルクのネクタイを引っ掻いてきて、巨大な蚕が大量生産〜
    ( ̄▽ ̄)
    ハイスミスのカタツムリに匹敵するグロさ…!

  • 独特で怒涛の展開。「文学会議」が特におもしろい。

  • アルゼンチンの作家セサル・アイラ 1997年発表の「文学会議」と1992年発表の「試練」の2篇の中編小説を併せたもの。「文学会議」が素晴らしいです。

    表向きは作家、実はマッドサイエンティストでクローン技術を極めたという主人公がベネズエラで開催される「文学会議」に出席する機会を利用して天才作家のクローンを大量生産、世界征服を目指すという、何だかわけのわからない物語りが主人公によって語られる「文学会議」。ストーリーよりも常に脇道にそれて行くようなその饒舌な語りが全てという感のする作品。面白いです。
    暴走する少女たちを描いた「試練」もハチャメチャな物語りで良いのですが、少女たちのネチネチとした会話が私の好みではありませんでした。

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著者プロフィール

 1949年、アルゼンチンの町コロネル・プリングレスに生まれる。のち首都ブエノスアイレスに移り、現在も同地に在住。
 1975年に小説『モレイラ』を刊行したのを皮切りに、次々と作品を発表、現在までに小説やエッセイを60冊以上刊行している。1992年刊行の『試練』は、ディエゴ・レルマンによって映画化された(邦題『ある日、突然。』)。
 ロベルト・ボラーニョが「今日のスペイン語作家で五指に入る存在」と評価するほか、後の世代の作家たちからも絶大な支持を集めている。

「2012年 『わたしの物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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