未成年 (新潮クレスト・ブックス)

制作 : Ian McEwan  村松 潔 
  • 新潮社
3.89
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本棚登録 : 337
レビュー : 37
  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105901226

感想・レビュー・書評

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  • 夫婦の問題に悩む女性裁判官に、宗教上の理由で輸血を拒む少年に、未成年者を理由に強制的に輸血を行えるようにという病院からの申し立てが…という話。
    甘美で辛辣。
    これぞマキューアン。
    長編といってもそう長くはないのだけど、読み終えた後の充足感は大長編にも劣らない。
    やっぱり好きだ…マキューアン…。

  • 宗教上の理由で輸血を拒むの少年のお話、というので読んでみたんですが、どちらかというとメロドラマ風な?
    そんなわけで私の期待とは少し違ったけれど、法で人を裁くということのシビアさや、裁判官として人を裁くことの重みが、ひしひしと伝わってきた点は面白かった。
    読みながら、(もうすでにすっかり忘れてたけど)裁判員制度やだなーって思った。職業として自分で選んだわけでもないのになぜそんな事せにゃならん。法で人を裁くことと国民感覚に隔たりがあるのは当たり前。裁判自体が非日常なんだから。そこに国民感覚を入れることがそもそも不自然な気がする。

  • 優れた書き手は性別も年齢もやすやすと超える。主役は初老の女性裁判官フィオーナと、17歳の少年アダムだが、二人とも実にリアリティがある。様々な代償を払いつつキャリアアップに成功した女性が直面するミッドエイジ・クライシス、夫とのセックスレスと夫の不倫から起きる不和。17歳の聡明な少年の純粋さ、これまで支えられてきた家族や宗教を失った不安と救いを求める叫び。そしてふたりの魂の出会いと交流。いずれも真に迫り胸を打つ。マキューアンらしくシビアなプロットに途方に暮れて立ち合いながらも、フィクションとはいえ「未来あるアダムのために、別の結末を用意してあげられないものか」と願わずにはいられなかった。
    フィオーナが対処するのは、アダムのみならず、大人の都合で右にも左にもやられる子供達だ。その脇で大人たちはしたたかに生きていく。

  • 私生活に問題を抱える初老にさしかかりそうな女性裁判官と宗教的理由で輸血を拒否するあと3ヶ月で成人と認められる瀕死の少年。
    宗教的・倫理的問題ももちろん語られるのだけど、それ以上にこの2人の物語であることにジーンとする。
    裁判のケースとしてくくることは可能なのかもしれないけれど、その後ろにはそんな風にまとめることのできない人の数だけ、星の数だけの物語が存在する、ということを小説で表明している。

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