階段を下りる女 (Shinchosha CREST BOOKS)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105901394

作品紹介・あらすじ

もしも二人に、別の物語があったなら……一枚の絵をめぐる哀切のラブストーリー。旅先の美術館で突然再会した一枚の絵。一糸まとわぬ姿で軽やかに階段を下りてくるのは、忽然と姿をくらませた謎の女。40年の時を経て、ほろ苦い記憶が甦る。あの日、もし一緒に逃げることができたならば――。その想いを、物語にして伝える時がやってきた。人生の終局の煌めきを美しく描く、ベストセラー作家の新境地。

感想・レビュー・書評

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  • 男は別れた恋人でできている、って別の小説のキャッチコピーであった気がする。

  • 人生において避けられないもの。
    それは老いること、死ぬこと、
    そして生きることです。

    本書は気ままに生きる女性と、
    彼女に翻弄される3人の男たちの
    1枚の絵画からはじまる物語です。

    ここに登場する3人の男性は、
    それぞれが属する分野において成功者といえます。
    でも、その3人の男たちが皆、
    生涯にわたってひとりの女性の影響を受け続けます。

    彼女は自身の人生を生きたひとでした。
    でも、男たちは
    自らの人生を生きてきたといえるでしょうか。

    ひとはみな孤独です。
    この女性だって同じです。
    一見、人生を大胆に歩んできたようで実は、
    華やかさの中に寂しさを隠していたにすぎません。
    そのことは彼女が
    過去を語らない姿勢からも察することができます。

    人はだれしも孤独だからこそ
    拠りどころを求めるのではないでしょうか。
    けどその拠りどころが独りよがりなものだったら、
    なおさら寂しさが増したりしますね。
    彼女のように最期まで
    孤独であることを貫き通したいものです。



    べそかきアルルカンの詩的日常
    http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
    べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
    http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a
    べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
    http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2

  • 読書記録です。まだの人は読まないでね。

    ごめんなさい。私には難解すぎる…途中で会話を飛ばしてまった。急いで読むとき「」の会話文ははずさないんだけどな~(^_^;)わざとなのか著者の和訳についての希望がそうだったのかはわからないけど、会話が文学的すぎる!
    結局、登場人物全員、何をどうしたかったんだ~?!
    おばちゃんの理解できる範囲で簡単にいうと、一枚の絵のモデルの女性(と絵)を夫、描いた画家、その間のトラブルを解決しようとした真面目な弁護士の三人の男が取り合いっこするおはなし。あぁ、こんなふうにしか内容をまとめられない自分が惨めだなぁ。

  • こんな時代になってほしくないが、金持ちの世界には、ありそうな世界だな。

  • イレーネが最後に暮らした島の自然はどれほどきれいなのだろうかと想像すると心安らいだ。物語の静かな運びも心地よかった。

    主人公はこれからどんな生活を始めるのだろう。イレーネと実際に未来を紡ぐのではなく、心の中のイレーネとともに生きていくから上手くいくのだろうなと思った。そういう意味で彼は良いタイミングで彼女に再会したと言えるのかな。

  • 謎めいた女性イレーネ。
    終わりと決めるのではなくまた始めてもいい。

  • ふむ

  • 冒頭の「階段を下りる女」と題された絵の描写と終盤に描かれる階段から下りてくるイレーヌの姿。絵ととも行方をくらました40年前のイレーヌと、最後の夜にボートから忽然と消えたイレーヌ。40年の時を経た追体験のようだ。
    年老いて余命いくばくもないイレーヌとの短い共同生活。若き日の初恋の痛手が棘のように刺さったまま本当の愛を知らずに初老を迎えた主人公は、イレーヌとの間で起こりえた未来を共有することにより真の愛情に目覚めていく。
    大人になり切れない男たちの再生のための物語。

  • 冒頭から話の行く末がどうなるのか分からず、大いに期待を抱かせたが、途中からは思っていた以上に内容が薄い印象だった。別な言い方をすると役者も話の設定も申し分ないのに、ストーリーがスカスカな映画のようだった。癖の強い脇役だらけなのにもったいない。あるいはそういうふわふわした感じが着地点であったのか?作品としての深みが欲しかった。 63

  • なんだか入り込めなかったわ。いっそ映像で見た方がぐっと来るのかもしれん。掃除機のように吸引力のあるイレーヌ。彼女に固執し翻弄される男達。野生の狐のように誰にも掴まらないわよ、特に心はね!

    という流れなのかと思ったが、最後は病魔に冒されて身動き取れなくなってしまう。
    そんな時に彼女の元に添い遂げるように主人公は生活を共にするが、やっぱり独りで死にたいんだろう。彼女は独りでないと、本当の意味で呼吸ができないんだ。でも世間は孤独死とか言うんだよね。ステレオタイプだけな人生はやだねえ。

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著者プロフィール

ベルンハルト・シュリンク(ドイツ:ベルリン・フンボルト大学教授)

「2019年 『現代ドイツ基本権〔第2版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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