最初の悪い男 (Shinchosha CREST BOOKS)

  • 新潮社
3.70
  • (36)
  • (58)
  • (40)
  • (10)
  • (7)
本棚登録 : 914
感想 : 79
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105901509

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 読みにくい、ひびかないにもほどがある

  • Amazing! と言いたくなった。笑えて切なくてホロッと最後は泣きそうになるエンディング。ページターナーでした。43歳女性が66歳シングル男性に密かに恋してる所から始まるけど日本の恋愛市場ではオワコンの年齢だ。その主人公シェリルの人生がそこからあれよあれよと、ここどこ?私誰?な感じでスピーディーにモノクロからカラフル人生に変わっていく。一番印象に残ったのはやはりsexual fantsies性的妄想やその描写があからさまなんだけど、ちっとも下品ではないとこ。「おりもの」だなと分かるって新鮮だった。おっぱいが垂れてるとか陰毛に白髪とかウケるけどいくつになっても恋してるっていいなと思う。タイトルはクリーの事らしい。本当に素敵な物語だった。

  • 43歳独身妄想女シェリルの家に、上司の娘クリーが転がりこんできたことで起きた人生の奇跡。
    精神的に余裕がないと辛い。人間ってどうしてこうも残酷で単純な生き物で、また美しいのだろう。
    シェリルの妄想はリアルだ。欲求や理想をこれでもかと見せつけ、私の脳内にまで踏み込んでくる。
    サプライズでシェリルと読者を困惑させる。守るべきもののおかげで、なんとか前へ進むのだが。

    幸福とは変化なのか?理想の追求なのか?
    この結末は正しい。そう納得するしかないのは私の器の問題。

    タイトルの意味を理解した時、やはり正しいと再認識するだろう。

  •  ミランダ・ジュライの初長編。
     40代独身のシェリルは職場で知り合った男性に片思いしている、いわゆる”こじらせ女子”だ。シェリルは、世間と少しずれているが真面目な本人は気付いていない。孤独な生活とバランスをとるように、セクシャルな妄想をめぐらせ、ときどき”愛の対象”である、かつて出会った赤ん坊を追い求めて空想の会話をして、日々を暮らしている。

    「長年そうやって独りで暮らしているうちに、毎日の手触りはつるつるになって、もはや自分で自分を感じられないような、自分が存在していないような気にさえなってきた。」
    (P.29)

     この自己完結型で安定していたシェリルの生活は、上司夫婦の一人娘であるクリーと同居することになって、ものの見事に破壊される。
     前半は、美人で巨乳で足の臭いクリーと野暮ったいシェリルの固定観念同士のぶつかり合い、文字通りの格闘ゲームの日々が描かれる。このあたりは作者の真骨頂が発揮され、内向的でイケていない現代アメリカの働く女性が巻き込まれた、予想もつかないLA版こじらせ小説が展開されていく。

     ところが、中盤で起きるある出来事から大きくストーリーが変化して、収束に向かい始める。それは長編の話のつけ方がわからず戸惑った結果のようにも見え、意外と平凡なハッピーエンドで終わったというのが正直な感想。
     人生の中のある時期そのものが波瀾万丈に富んでいるので、周りで四苦八苦する主人公たちの姿はそれなりに読ませるのだが、それだけにミランダ・ジュライでなくても書けそうな話に延々と付き合わされている退屈さを感じた。
     途中までは良かったので、次作に期待。

  • 読み始めたら止められなかった。最後ちょっと泣いた。

  • 何度も挫折しそうになったけれど、こんなはずじゃないと言い聞かせながらなんとか読み切った。けど、正直言ってきつかった。疲れた。なんなんでしょう、生理的に無理とでも言いましょうか。。ごめんなさい。

  • 80ページ過ぎで挫折。
    岸本ワールド(違)は短編ならいいけど長編はキツい。

  • ミランダジュライ「最初の悪い男」https://www.shinchosha.co.jp/book/590150/ 読んだ。全く好かない内容だったんだけどラストシーンがウルトラスーパー素晴らしくて、それだけでそこまでの全体を補って余りある。あれだな、子供が欲しい女性ってのは自分が必要とされた(くてそれを実感した)いんだな。結局エゴ(おわり

  • 人生とは肉弾戦だったと、こんなにはっきり突きつけられて清々しい。
    意表を突くタイトルも巧妙な角度から作品を浮き上がらせる象徴性で、手練れの技につくづく感じ入った。この言葉だけで、血気溢れるこの物語のことを、私たちはすぐに思い出せるだろう。

  • 初ミランダ・ジュライ。面白かった!是非映像でも観たい。その他の作品も読んだり観たりしよう。

全79件中 41 - 50件を表示

著者プロフィール

ミランダ・ジュライ(Miranda July)
1974年、バーモント州バリー生まれのアーティスト、作家、女優、映画監督。本名はミランダ・ジェニファー・グロッシンガー。
バークレーで育ち、16歳から舞台の脚本、監督を務めている。カリフォルニア大学サンタクルーズ校に入学するが2年目に中退、ポートランドに引越してパフォーマンス・アートを始める。1996年に短編映画集製作のプロジェクトを始め、2005年に映画「君とボクの虹色の世界」を監督・主演。非常に高い評価を得る。
2005年から小説の執筆を始めている。代表作に『いちばんここに似合う人』。ほか、『あなたを選んでくれるもの』『最初の悪い男』など。

ミランダ・ジュライの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ジョン・ウィリア...
ジョージ・ソーン...
パトリシア ハイ...
ジョージ・ソーン...
カーソン・マッカ...
カレン・ラッセル
カルメン・マリア...
クラリッセ・リス...
カズオ・イシグロ
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×