わたしがナチスに首をはねられるまで (新潮クレスト・ブックス)

  • 新潮社 (2025年5月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784105902001

作品紹介・あらすじ

女性はなぜナチスに斬首されたのか。真実を求め「あなた」は歴史を越える。占領下のブリュッセルでナチスの将校を単身で襲い、斬首刑に処された女性。抵抗運動の最初の狼煙をあげながら、女性であったが故に歴史から消されたその生涯を調べる著者の「あなた」もまた、女性として抑圧や差別を経験してきた。彼女の人生を甦らせるのは「あなた」しかいない――史実を元にし、それを踏み越える小説。

みんなの感想まとめ

女性の歴史的な抵抗と抑圧を描いた物語は、ナチスに斬首されたロシア人女性マリーナ・シャフロフの生涯を追求する著者の旅を中心に展開します。ブリュッセルの墓地で彼女の墓に刻まれた「斬首」の文字に触発された著...

感想・レビュー・書評

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  • 二人の子供を残し33歳でナチスにより斧で首を切断されたロシア人女性の物語。著者のミリアム・ルロワはベルギーのイクセル墓地で、マリーナ・シャフロフという女性の墓に、"31.1.1942 décapitée(斬首)" の文字が刻まれているのに関心を持ち、彼女の生涯を探っていく。第二次世界大戦中、戦わずにナチスに占領されたベルギーでナチス将校が暗殺される。犯人を探すナチスはベルギー人60人を人質に取り、10日以内に暗殺者が名乗り出なければ人質を処刑すると脅す。マリーナはナチスの兵士を刺し、自分が暗殺犯だと自首する。物語はこの史実に基づき殆ど残されていない彼女の資料を創作で補い、その人生を再構築して語られる。その為、物語と史実が混然となり読者を迷路に迷い込ませる。また著者がミリアム・ルロワ自身である「あなた」に語りかけるのも紛らわしく耽読を阻む。
    読み終えて尚マリーナが本当に暗殺者なのか(母親はマリーナの夫だと信じている)、だとすればパルチザン仲間に諮らず何故単独で行なったのか、真相に辿りつかず釈然としないまま扉を閉ざされた気持ちになる。

  • ナチスに抗ったのは誰か、マリーナの実像とは、ページを捲る手を止められずほぼ一気読み。80年の時を経た現在に切り取られた戦争の物語はルポか創作か関係なく心を抉る… 重い。

    戦没者女性の墓石の"斬首"との記述に触れたあなたは…

  • マリーナ・シャフロフ゠マルターエフ。ブリュッセルのイクセル墓地、第二次世界大戦時戦没者区画に彼女の墓がある。その墓石には1942年に“斬首された”と記されていた。
    彼女のことを何も知らなかった作家はその出会いに運命的なものを感じ、歴史に埋もれた彼女の人生を掘り起こしていく。ノンフィクションではなく小説の体裁を取っているが、真実の持つ重みを感じた。
    途中、二人称で自らへ語りかける場面も多用し、マリーナと自分を重ねている姿が印象的だった。

  • Plongée dans les pensées, du présent et du passé - Le Carnet et les Instants
    https://le-carnet-et-les-instants.net/2023/01/06/leroy-le-mystere-de-la-femme-sans-tete/

    Critique Avis Le mystère de la femme sans tête de Myriam Leroy | Romans Culture-Tops
    https://www.culture-tops.fr/critique-evenement/romans/le-mystere-de-la-femme-sans-tete

    Myriam Leroy victime d'un canular bien cruel : "Les membres du Goncourt avaient l'air de se demander ce que je fichais là" - La Libre
    https://www.lalibre.be/culture/2024/08/19/myriam-leroy-petite-javais-une-passion-pour-le-roi-baudouin-4TVIX35KTNBFBM5VTB63V4PXEI/

    Avec #SalePute, Myriam Leroy et Florence Hainaut sonnent l'alarme sur les cyberviolences envers les femmes | L'Echo
    https://www.lecho.be/culture/general/avec-salepute-myriam-leroy-et-florence-hainaut-sonnent-l-alarme-sur-les-cyberviolences-envers-les-femmes/10305119.html

    Myriam Leroy — Institut Pierre Werner Luxembourg
    https://ipw.lu/fr/persons/myriam-leroy

    Myriam Leroy(@lareineleroy) • Instagram写真と動画
    https://www.instagram.com/lareineleroy/

    Myriam Leroy | Film-documentaire.fr
    http://www.film-documentaire.fr/4DACTION/w_auteur_liste/121374

    『わたしがナチスに首をはねられるまで』 ミリアム・ルロワ、村松潔/訳 | 新潮社
    https://www.shinchosha.co.jp/book/590200/

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      ◆女性ゆえに 史実への共感 [評]豊崎由美(書評家)
      <書評>『わたしがナチスに首をはねられるまで』ミリアム・ルロワ 著:東京新聞デジタル ...
      ◆女性ゆえに 史実への共感 [評]豊崎由美(書評家)
      <書評>『わたしがナチスに首をはねられるまで』ミリアム・ルロワ 著:東京新聞デジタル 2025年7月6日 有料会員限定記事
      https://www.tokyo-np.co.jp/article/418010?rct=book
      2025/07/07
  • 私が私らしくあることは何よりも大切だ。それを自分をとりまく事柄とよきにつけ、あしきにつけ、折り合いをつけることと、相、対することになる。それが生きていくことだとすると、こうあるべきだ、と強いていく考え方と対峙しなければならない。

    語り手の「あなた」という二人称代名詞が指すのが誰なのか、最初は違和感があったけれど、だんだん、フィクションなのか、ノンフィクションなのか、わからなくなった。

    最初は題名にひかれてぐいぐい読み進められたが、だんだん「語り」に混乱してしまい、途中からは思ったより時間がかかった。

    ナチが彼女の存在、彼女にしたことの象徴化を恐れた、ということにはなるほど、と思った。ベルギーこと(ワロンやフラマン)も知識としては知っていたが、これが世界大戦の時代にどんなふうに歪みを生じさせていたのかも推察されて興味深かった。

    彼女自身がロシア革命を逃れた白系ロシア人であったことが大きいのかもしれない。女だから、親の考え方に無意識に支配されてしまっている。

    もし修道女や看護婦といった生き方ができたら、彼女の最期は異なっていたのだろうか。

  • 第二次大戦中、ナチス占領下のブリュッセルでナチス将校を刺殺したことで斬首された女性マリーナを取材する著者。だが、マリーナに関する資料はほとんど見つからない。
    なぜマリーナの最期は斬首だったのか、なぜマリーナに関する資料が存在しないのか。二つの疑問を解き明かそうと、マリーナをモデルにした小説を書き始める。

    著者が感じた違和感が共有できず、マリーナの生き方にも共感できず、不完全燃焼な読後感だった。

  • 抵抗運動
    文句を言うだけの男に嫌気をさしナチスの軍人を殺そうとして失敗
    報復予定でもあり自首をする
    殺害は失敗したが理念を貫き、穏やかに斬首刑を受けた後、夫は養育費をくすね2人の子供は苦労する
    歴史に埋もれた1人の女性に焦点を当てた物語
    私にも子供がいますが、斬首刑になるより卑怯でも子供と暮らす日々を選びます
    1人、2人殺したことで社会情勢は変わらないと思います

  • レジスタンスを綴った著作としてはかなり異色。自伝的フィクションというのはよくある手法ながら、ドキュメンタリー映像を作成しながら客体と自分を語るという手法。
    ナチス将校を刺して斬首されたラトヴィア出身のロシア系ベルギー女性マリーナは、墓碑に「斬首された」ことと「マルターエフの妻」であることしか書かれなかった。一緒に埋葬された男たちが「政治犯」とか「ベルギー解放軍」とか書かれているのに。そしてこの夫が(レジスタンスはしてはいたらしいが)家族に対しては卑劣であった。”戦争孤児”となった遺児は深いトラウマを抱え、母はしてもいない罪を被ったのだと言う。
    女性の実績を無視し消し去ることは学問や芸術でしばしば行われ、昨今はそういった歴史の掘り起こしが行われているが、レジスタンスにおいても”それ”はあった。
    マリーナは亡命ロシア人でありながらスターリニスト、敬虔なカトリック信者でありながらテロに走るという、一筋縄ではいかない組織に属さない野良レジスタンス。彼女と家族、周囲との軋轢が痛々しく、まさに今に通じるものがある。
    彼女が同志を得られなかったのが残念だ。治安維持法の弾圧に抵抗した祖母は、その時代の仲間達とは生涯にわたって親交を保っていたのを見ていたので、そう思えてしかたない。

  • 翻訳本のため、「わたし」が著者か主人公の2人を指しているので、少し読みずらかった。

    ナチス将校を刺したため、斬首というショッキングな方法で死刑になったのに、歴史から抹殺されている女性の話。

    確かに、英雄視されたりすることを避けたかっただろう。ジャンヌダルクのように、女性だからこそ、より崇められるということもある。
    著者の書き方だと、女性だから歴史から忘れられたというふうに書かれているようだけれど、歴史に残ったとしても、女性なのにすごいと、女性であることをことさら意識させる印象を与えることになったのではないか。結果として真逆だけど、女性であることが特異性であるように社会に認識されそうな気がした。

    残念なのは、戦争が終わって長らく誰からも忘れられてしまったことだ。
    息子は、母親は、そんなことしていないと事実を誤認して、信じたように生きている。

  • 英雄は誰が作るのか。
    彼女は一般人だった。
    一般人を英雄にした人たちがいる。
    英雄にしなかった国では忘れられている。
    都合よく利用される英雄。
    だけど、けれども、彼女を知る人にとって、彼女は彼女で、一般人だし、英雄だし、かけがえのない娘で母だった。
    夫がろくでもないことは意見が一致してる。

  • ナチス将校を襲い斬首されたロシア系移民の女性。歴史に埋もれた彼女の存在を知り強いシンパシーを感じた筆者は彼女に現在の自分を重ね合わせその人生に迫っていく。明らかになっていく彼女の人生とその生涯に迫る筆者を並行して描く構成が素晴らしい。

  • センセーショナルなタイトルがすべて。

  • 斬首刑によって生命を絶たれた一人の女性を巡る物語。彼女の行為は歴史の中に埋もれてしまう。それを発掘するために、作者は彼女の物語を編み直す。

  • 勇気あるジャンヌダルクのような女性。

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000076628

  • ふむ

  • ナチスに抗い、斬首された女性の物語。
    ナチスは政治的判断で彼女の犯行を公にしなかったと思われるけど、作者はそれを女性だから歴史から抹殺されたとみる。そこに自分自身を重ねるように。
    資料の無いなか、これだけの物語を紡ぐってのはすごい。二人称を使った表現が効果的。

  • マリーナは幸せに死んでいった、とは思う。
    でもそれだけ、かもしれない。

    ナチスに斬首された二人の子供を持つ母親、というのはセンセーショナルなことではあるけれど、彼女のしたことは彼女の信念に従っただけで、すごく個人的なこと。ジャンヌダルク的なヒーロー的なことではなかったと思う。でも世間はそうは受け取らない。だから、それをプロパガンダに利用されないように極秘にした。
    戦時中にヒーロー・ヒロインを作り上げてしまうのは危険だ。彼女の斬首が公にされていたらブリュッセルの人たちのドイツ軍に対する態度はきっと違うものになっていただろう。「女性であったが故に歴史から消された」かどうかはよくわからなかった。

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